用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【特集】YS-11を見に行こう!

戦後初めて開発した双発旅客機YS-11を見に行こう!

【現用機の状況】

 航空自衛隊飛行点検隊(入間基地)に残っていたオリジナルのRR製ダートMk.542-10を搭載した最後の機体であるYS-11FC (52-1151)が2021年3月17日に退役した。航空自衛隊ではエンジンをGE製T64-IHI-10J(P-2Jのエンジン)に換装したYS-11EAを2機とYS-11EBを4機の合計6機を現在もなお運用しているが、本Blogでは用廃展示されている機体にのみに注目して紹介する。なお国内航空会社、海上保安庁、航空局および海上自衛隊でもYS-11を運用していたが、いずれも既に退役している。

f:id:Unikun:20201128194406j:plain

写真1 オリジナルのダートエンジンを搭載したYS-11FC飛行点検機は2021年3月17日に最終飛行を行い退役した。(2018年11月15日入間基地にて撮影)

 

f:id:Unikun:20200323091805j:plain

写真2 航空自衛隊ではエンジンを換装したYS-11EA/EBを2027年ごろまで運用するが、用廃機を紹介する本Blogでは取り上げない。写真はYS-11EA電子戦訓練機。(2019年2月13日千歳基地にて撮影)

 

【日本国内のYS-11展示場所】

日本国内では次の14か所で全機もしくは機首部分や胴体部分が展示(あるいは放置)されている。これらを北から南の順に紹介しよう。なお計器盤やプロペラのみの展示は国内の数か所にあるが本Blogでは取り上げない。

1. 青森県立航空科学館 青森県

2. 茨城県筑西市茂田 ザ・ヒロサワ・シティの「科博廣澤航空博物館」にて2022年1月に一般公開予定

3. 航空科学博物館 千葉県

4. 所沢航空発祥記念館 埼玉県

5. JAXA調布航空センター 東京都 機首のみ

6. 電車とバスの博物館 神奈川県 機首部のみ、胴体部分は後述11.にある。

7. あいち航空ミュージアム 愛知県

8. 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

9. 日本航空学園石川能登空港キャンパス

10. 但馬空港

11. 鳥取空港南西部 上記6.の機体の胴体部分のみ放置

12. 高松空港

13. 美保基地

14. 佐賀空港

 

【各展示場所の紹介】

1. 青森県立航空科学館 青森県

<機体> JA8776、元JAC(日本エアコミューター)保有

<コメント> 屋内に展示されている。元JAC塗装のままで現存する機体は本機のみ。

【青森県】青森県立三沢航空科学館 - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20200321233317j:plain

 写真3 青森県立航空科学館のJA8776(2014年2月1日撮影)

 

2. ザ・ヒロサワ・シティ「科博廣澤航空博物館」(茨城県筑西市茂田)

<機体> JA8610(通算3号機、量産初号機)、元航空局保有

<コメント> 引退後は国立科学博物館羽田空港格納庫内に保管、動態保存してきた機体。2019年10月頃より解体作業が始まり、2020年2月28日、日付が変わった頃に羽田空港から搬出。5時ごろに展示場所に到着した。その後、再び組み立てられた。

新たな展示場所をみつけたことは喜ばしい話だが、2006年頃の退役から13年間、保管経費をかけながらも一般公開されずにいたこと自体がおかしな話だ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000047048.html

 f:id:Unikun:20200328085858j:plain

写真4 羽田空港「空の日」イベントで展示されたJA8610。(2014年9月27日撮影)

 

3. 航空科学博物館 千葉県

<機体> JA8611、製造初号機

<コメント> YS-11の初号機だ。機内には計測装置が搭載されている。

【千葉県】航空科学博物館 - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20200322230219j:plain

写真5 成田の航空科学博物館のYS-11製造初号機のJA8611。(2018年2月17日撮影)

  

4. 所沢航空発祥記念館 埼玉県

<機体> JA8732、元ANKAir Nippon)保有機。

<コメント> 西武新宿線航空公園駅前に展示されている。 

f:id:Unikun:20200321233350j:plain

 写真6 所沢航空公園駅前のYS-11(JA8732)いつもキレイに手入れが行われている。(2013年1月20日撮影)

 

5. JAXA調布航空センター 東京都調布市(機首のみ)

<機体> JA8720、c/n. 118、元航空局保有機(2006年12月引退)

<コメント> 例年4月と10月に一般公開が行われる。この日は見学者が多くて撮影には不向きだが平日であれば個人でも見学可能だ。

f:id:Unikun:20200322230819j:plain

写真7 JAXA調布航空センターのJA8720機首部。(2016年4月24日撮影)

 

6. 電車とバスの博物館 神奈川県 機首部のみ

<機体> JA8662、元東亜国内航空TDA)保有

<コメント> 意外に知られていないようだが1988年1月10日に米子空港オーバーランして中海に突っ込んだ機体の機首部が展示されている。2016年まではフライトシミュレーターとして機内に入れたが、現在は機内非公開の模様(未確認)。元TDA塗装は全国でもここだけだ。なお胴体部分は鳥取県空港R/W10スレッショルド脇の道路脇に放置されている(11.にて紹介)。

f:id:Unikun:20200322231219j:plain

写真8 電車とバスの博物館にある元東亜国内航空のJA8662。(2015年1月25日撮影)

 

7. あいち航空ミュージアム 愛知県

<機体> 52-1152、元第403飛行隊(美保基地)所属機

<コメント> 元航空自衛隊機はココと美保基地の二ヶ所に展示されている。

【愛知県】あいち航空ミュージアム - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20200321233020j:plain

 写真9 最後フライトは美保基地から小牧基地へのフェリーフライトだった。(2018年8月18日撮影)

 

8. 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 岐阜県

<機体> JA8731、元ANK保有

<コメント> 博物館が閉門している時でも敷地外からなんとか見ることができる。開館時間中は訪問者が多いので、人を入れずに機体だけの写真を撮るためには朝一番で入門しよう。

【岐阜県】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20200321233426j:plain

 写真10 岐阜かがみがはら航空宇宙博物館のJA8731(2019年11月11日撮影)

 

9. 日本航空学園石川能登空港キャンパス 石川県

<機体>

1) YS-11A-500 JA8777、元JAC保有

2) YS-11A-500 JA8781 元JAC保有

3) YS-11A-500 JA8805 元JAC保有

4) YS-11A-212 N462AL 元(株)エアロラボインターナショナル保有

<コメント>

1) 日本航空学園(Japan Aviation Academy)石川能登空港キャンパスにあるこれらのYS-11は毎年秋ごろに行われる学園祭の際に見学することができる。

2) JA8777,JA8781, JA8805の三機は元JACの機体を訓練用に入手したもの。

3) N462ALは元航空局のJA8709だ。航空局で保有していた6機は退役後に民間業者等に引き取られていった(注:JAXA展示機もこのうちの一機)が、この機体は2014年12月17日の入札において予定価格203,268円に対して(株)エアロラボインターナショナルが2,230,200円(税込)で落札した。再び空を飛べるように整備して羽田から高松へと空輸されたが、モロモロの事情により手放すこととなり、2018年5月11日に高松から能登空港への最後の飛行を行い日本航空学園に引渡された。会社のHPでは入手から手放すまでの様子を伝えている。リンクは次の通り。

YS-11 プロジェクト 飛行までの軌跡① – Aero Lab

YS-11 プロジェクト 飛行までの軌跡② – Aero Lab

f:id:Unikun:20211008215936j:plain

写真11 元JACのYS-11A-500  (JA8777)。(2021年10月6日撮影)

 

f:id:Unikun:20211008215953j:plain

写真12 元JACのYS-11A-500  (JA8805)。(2021年10月6日撮影)

 

f:id:Unikun:20211008220026j:plain

写真13 元AeroLaboのYS-11A-212  (N462AL)。以前は航空局のJA8709だった。(2021年10月6日撮影)

 

10. 但馬空港 兵庫県

<機体> JA8734、元ANK保有

<コメント> 平成21年および平成31年秋に再塗装された。隣にエアロコマンダー680FL (JA5197)も展示されている。

【兵庫県】但馬空港のYS-11とエアロコマンダー - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20210403110316j:plain

写真14 但馬空港のJA8734(2021年3月31日撮影)

 

11. 鳥取空港南西部(胴体部分のみ放置)

<機体> JA8662、元東亜国内航空TDA)保有

<コメント> 1988年1月10日に米子空港オーバーランして中海に突っ込んだ機体の胴体部分が鳥取県空港R/W10スレッショルド脇の道路脇(35.5275N、134.1496E)に放置されている。この機体の機首部分は上記「6.電車とバスの博物館」にて展示されている。いつ撤去されるか判らないので、早めに見に行こう。

【鳥取県】鳥取空港脇に転がるYS-11の胴体 - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20210403113012j:plain

写真15 鳥取空港南西部に放置されているJA8734(2021年3月31日撮影)

 

12. さぬきこどもの国 香川県 

<機体> YS-11A-500R JA8743、元ANK保有

<コメント> 本機は高松空港ターミナルと反対側の敷地にある「さぬきこどもの国」という名称の公園にある。空港ターミナルからは道なりに4kmほど離れているうえ、空港からのアクセス手段が車以外には無いのでフラリと訪問するのはかなり困難だ。訪問するなら車を利用して数km離れた高山航空公園のT-2と合わせて巡る予定で行こう。なお機首はほぼ北を向いており、午前中には機体右側、午後には機体左側が順光となる。機体の右側が小高い丘となっており、やや俯瞰した形で撮影することができるので午前の訪問がお薦めだ。

f:id:Unikun:20210801180658j:plain

写真16 さぬきこどもの国のJA8743。(2020年4月5日午前10時ごろ撮影)

 

13. 美保基地

<機体> YS-11P 02-1158、元第403飛行隊所属機

<コメント> 2018年頃にC-1と共に滑走路南東端付近の道路脇に展示された。24時間いつでも道路から見られるが金網が邪魔だ。金網の目の隙間から撮影し、四隅に入った金網はトリミング等で除去しよう。運転しながら眺めて事故を起こさないように。

【鳥取県】空自 美保基地の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20210403114200j:plain

写真17 美保基地東南部の道路脇に置かれた02-1158。(2021年3月31日撮影)

 

14. 佐賀空港

<機体> YS-11A-500R (JA8733, c/n.2102)、元ANK保有

<コメント> 量産型100番目の製造機。試作機が2機あるので”通算”102号機だ。

【佐賀県】佐賀空港・空港公園のYS-11 - 用廃機ハンターが行く!

f:id:Unikun:20200321233453j:plain

 写真18 佐賀空港のJA8733。やや劣化が進んでいるように見えた。(2010年10月3日撮影)

 

【海外のYS-11

 数か国に輸出されたYS-11だが、日本近隣ではフィリピンの空軍博物館、タイのジェサダ博物館などでその姿を見ることができる。カテゴリー欄から両国のサイトに行って確認してみて欲しい。(完全他力本願モード)

f:id:Unikun:20211008220710j:plain

写真19 タイのバンコク西部、ナコーンパトムにあったYS-11。2021年には周辺が整備されたガーデンになり、機体は再組立されて展示されている。個人的には場所柄すぐに廃れると予想しているので早めに訪問しておきたい場所だ。(2019年1月11日撮影)

 

【最後に】

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。この文章を書いた後で、ほぼ同じコンセプトで作られているサイトを見つけました。コチラの方がより詳しく展示場所を紹介してますので合わせてご確認ください。

https://okinawa-airport-terminal.com/ys-11_museum/

 

以上

編集履歴

21Mar.2020 下書きのままで公開

15Oct.2021 見直し更新(第10回目、字句表現等見直し)