用廃機ハンターが行く!

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【まとめ】海上保安庁使用機の展示機

<編集履歴>  31Oct.2023官公庁の機体のまとめ記事として公開、19Nov.2023海上保安庁使用機に限った独立記事へと見直し更新(第2回目更新)、15Jan.2024見直し更新(第7回目、情報追加)

 

 ここでは海上保安庁で使われていた機体の展示場所を紹介する。なおヘリコプターのうちの1機は陸上自衛隊で訓練用機として使用されているが、ここでは「展示機」という言葉の中に含めるものとする。

 現在(2023年11月8日調査時点)は国内に5か所に固定翼機1機とヘリコプター4機の合計5機が展示されている。

 以下にその詳細を、それぞれ概ね北方から南方の順に記載する。

海上保安庁使用機の展示機一覧】

(1) ベル412 (JA6714, cn.36053)  2021年11月12日付で登録抹消され、同日付で防衛省に所管換えとなった機体。茨城県陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地にて構造の同じUH-2の整備訓練機として使用されている(※)。塗装から元海保機と分かるが、JAナンバーと愛称は消されていて、外観からでは詳細は分からない。

航空ファン誌2023年1月号No.841p.77「陸上自衛隊航空機整備員育成の「総本山」航空学校霞ヶ浦校の現状を分校長、教官、学生の姿にみる」数馬康裕

 

(2) シコルスキーS-58 (JA7201, cn. 58945) 国立科学博物館での展示/保管を経て、茨城県筑西市の科博廣澤航空博物館に移管/展示。

 

(3) 三菱シコルスキーS-62A (JA915, cn. M62014) 1982年5月18日付で登録抹消となっているが、航空科学博物館(千葉県)に展示されたのは1982年4月28日とのこと。以来、約40年間にわたり屋外に展示されている。

【千葉県】航空科学博物館 - 用廃機ハンターが行く!

写真1 成田空港近くの航空科学館に展示された元海上保安庁のS-61A。(2021年4月10日撮影)

 

(4) 川崎ヒューズ369HS (JA9115, cn. 6615) 千葉県 航空科学博物館保管機。1993年7月8日付で登録抹消。機体左側は外板を外され、スケルトン仕様となっている。またMRは短くカットされている。2010年頃には常設展示機であったが、現在は格納中。イベント時に展示されることがある。海上保安庁で運用された369HSは本機とJA9113の2機のみ。

 

(5) ビーチクラフトH18 (JA5150, cn. BA-732) 鹿児島県霧島市の城山公園に展示中。1965年に登録され、宮崎の航空大学校海上保安庁(新潟)、民間で使用されたのちに崇城大学の教材となり、2012年3月に登録を抹消された。その後、2015年3月にこの地に設置されたという経緯を持つ機体。

【鹿児島県】霧島市城山公園のビーチH18(JA5150) - 用廃機ハンターが行く!

写真2 (2022年1月21日撮影)

 

【展示後に撤去/廃棄/現状不明】

(1) ビーチクラフトH18 (JA5508, cn. BA-751) 閉鎖された北海道滝川市子ども科学館分館内に放置。ヒコーキ雲さんには「保存機は無い」とする航空遺産継承基金調査(2012/12/28)の一文があるが、その一方でおそらく建物の外周より窓越しに撮影された2020年7月23日付の写真が投稿されている。古い機体によくある話だが「書類上には存在しないが、現物は現存する」という例ではないかと思っている。こういう機体は撤去費用の予算が付けば撤去されるのが通例なので、早めに「現地確認」を行いたい機体だ。 

(2) ビーチクラフトH18 (JA5509, cn. BA-762) 苫小牧市の第二はくちょう幼稚園に展示されていたが、2023年7月末頃に撤去された。

【北海道 撤去/記録】苫小牧市 第二はくちょう幼稚園のビーチH18 - 用廃機ハンターが行く!

写真3 2023年7月に撤去されてしまったビーチH-18。(2022年10月22日撮影)

 

(3) ビーチクラフトG18S (JA5505, cn. BA-617) 熊本博物館に展示後、撤去。

 

以上