<場所 Place>〒504-0924 各務原市下切町5丁目1番地 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館公式ウェブサイト
<座標Location> 35.3881N, 136.8619E
<訪問日Visit> 03Jan.2008, 08Oct.2017, 19Aug.2018, 11Nov.2019, 16Dec.2020ほか
写真1 展示ホールには大型機を含めて約20機が並ぶ。(2019年11月11日撮影)
<行き方 Access>
(1) 名鉄各務ヶ原線、各務ヶ原市役所前駅からルートの異なる2系統バスの便あり所要時間は10分~30分程度。平均して2時間に1本なので事前によく時間を確認すること。
(2) 名鉄各務ヶ原線、各務ヶ原市役所前から徒歩で4.0㎞程度、約50分。
(3) 名鉄各務ヶ原線、二十軒駅から基地の外周を時計回りに約4.2㎞、徒歩で約55分、空の森公園から約3.0㎞、徒歩で約40分。
<解説General>
(1) 国内最大の規模を誇る航空博物館。1996年3月23日にオープンした当時は「かかみがはら航空宇宙博物館」であったが、2005年4月からは「かかみがはら航空宇宙科学館」に改称、さらに2016年から2018年3月まで閉館してリニューアル工事を行い、3月24日からは岐阜県と各務ヶ原市の共同所有・共同運営形態となり「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」に再度改称している。略称は「空宙博(そらはく)」。
(2) 開館時間は平日1000-1700(入場は1630まで)、週末・祝日は1000-1800(入場は1730まで)、毎月第一火曜日および12月28~1月2日は休館。その他臨時休館日がnaのでHPで確認すること。入場料大人800円。
(3) 屋外に4機、展示大ホールに20機(モックアップ含む)、その他レプリカを含む数機の合計約30機が展示されているほか、非公開の保管庫にも数機が収蔵されている。
(4) 千葉県成田空港脇の航空科学館は博物館法上の「登録博物館」だが、こちらは規模はより大きいもののワンランク格下の「博物館に相当する施設」だ。あえて「登録博物館」としていないこともあるかもしれないが、おそらくは専門の「学芸員」の確保が出来ていないからではないだろうか(博物館法の定義から「学芸員」はいないが「学芸員相当の職員」がいるハズだ)。
【屋外展示機】
1) KV-107II-4 (51804) 国内に残る唯一の沖縄塗装機
2) P-2J (4782)
3) US-1A (9078) 1995年12月12日に岩国基地から岐阜基地にフェリーされた。
4) YS-11A-500R (JA8731) 元エアーニッポン機
写真2 屋外にある対潜哨戒機P-2J。派手さは無いが通好みの機体だ。(2019年11月11日撮影)
【大ホール展示機】
1) KAT-1 (JA3084)
2) T-33A (61-5221) 機首に標準ピトー管を付けた”テストパイロット養成用特殊試験機”。岐阜基地で使われた後に元の練習機形態に戻されて入間基地に配備され用廃となった。MADP機であったため書類上は米国に返還された機体を取り戻し、分解した機体をトレーラー3台に載せて岐阜基地に輸送。ここでかつての「試験機」の姿に復元した。そして最後は基地内から博物館まで川崎ヘリコプタシステムのV-107に吊り下げられて運ばれた。
3) T-1B (05-5810) T-1Aとして製造され、のちにB型に改造。引退時の特別塗装のままで展示。
4) F-104J (36-8515) 長く岐阜基地で使われてきた機体だが、本館の趣旨からは少しばかり外れた存在。一般公開されるF-104Jの屋内保存機は本機以外には浜松広報館と石川県立航空プラザにしか存在しないので、私個人としては「まぁいいや」という位置づけだ。
5) T-2B.I.機 (19-5173) こちらも本館の趣旨から少し外れた機体。国内初の超音速ジェット練習機だが、展示するなら現在岐阜基地の展示機エリアにある107号機(F-1のプロトタイプ)や2021年3月頃に解体されてしまった102号機(元T-2、2号機。初号機は三菱重工に展示中)を展示して欲しかった。
6) T-2CCV (29-5103) T-2開発時にスピンテストに用いられた3号機を改造した。
7) STOL実験機「あすか」 (8501)
8) KAL-1 (JA8074)
9) サーブサフィールX1G1 (TX-7101) 技術研究本部(当時。現防衛装備庁)所属機。
写真3 サーブサフィール改造のX1G1。”渋い”機体ばかりが展示されている。(2019年11月11日撮影)
10) UF-XS (9911) PS-1開発に際してデータを取得するためにグラマンG.64アルバトロスを魔改造した試験機。
11) 日本大学/伊藤忠 N-62 イーグレット (JA3251) 日本大学の学生と伊藤忠整備(現ジャムコ)の技術陣が作った軽飛行機
12) FA-200改 (JA3263) 航空宇宙技術研究所(NAL)使用機
13) T-3 (11-5547) 国内開発機だが本館の趣旨からは少し外れた機体
14) 日本大学N-70シグナス 1970年度設計、1971年12月初飛行した。卒業研究製作機(理論実証機)であり、各種データ取得のための試験機や量産・販売を狙った機体ではない。
15) 航技研VTOL Flying Test Bed
16) 川崎ベル47G3B-KH4 (JA7110)
17) 川崎KHR-1 (2500) リジットローター実験ヘリ
18) 川崎BK117 (JQ0003) FBW とGPSを組み合わせた次世代飛行制御システム実験機
19) OH-6J改 (31058/ SD / TRDI) OH-1開発の前段階に無関節ローターの試験を行った機体
20) XOH-1 モックアップ OH-1開発の際に作られた木製の全機模型
21) 人力飛行機HYPER-CHick "KoToNo Limited” 1992年7月に女性パイロットにより119.045mの日本新記録を達成した機体
https://userweb.www.fsinet.or.jp/active-g/kotonoplaza/kotonoplaza_3_1.htm
【その他の展示機】
1) 川崎キ61”飛燕” 以前は知覧で展示されていた機体。
2) 十二試艦戦レプリカ ゼロ戦の試作機の原寸模型
3) 乙式一型偵察機のレプリカ
4) グラーデ機(復元機)
※上記以外にグライダーや軽量飛行機などがあるが、正しく把握していないので記載を省略する。
写真4 川崎キ61”飛燕”。(2019年11月11日撮影)
【収蔵機】
1) T-1A (85-5801) 元は芦屋基地に展示されていたT-1の初号機。
【過去に展示されていた機体】
1) SA.316B アルエットIII (JA9023) 元名古屋消防局の機体。本館の趣旨に合わないとして撤去されたという。現在はヘリコプター歴史保存協会が保有すると聞いたことがあるが、確認したことはない。
写真5 現在は存在しないアルエットIII。(2008年1月3日撮影)
【余談】
1. 「航空機を後世に遺す 歴史に刻まれた国産機を展示する博物館づくり」(横山晋太郎著、グランプリ出版、2018年)には本館の設立趣旨や展示物にまつわる様々な裏話や抱える問題点などが述べられている。ヒコーキを飾りたいなと考えた方で、もう一歩踏み出そうという気持ちがあれば一読することをお薦めします。
2. 本館のボランティア小山氏のサイト。裏話も多数ありますので訪問してみてください。こやまの航空宇宙博物館雑記帳
以上
【編集履歴】
24Apr.2021 公開
25Apr.2021 見直し更新(第1回目、記述内容追加、更新など)