用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【石川県】日本航空学園 石川能登空港キャンパスの展示機・教材機

<編集履歴> 15Oct.2021公開、08Oct.2023見直し更新(第3回目、L-19E復活展示)

 

<場所 Place> 〒929-2372 石川県輪島市三井町洲衛9部27番地7 日本航空学園石川能登空港キャンパス

学校法人 日本航空学園

<訪問日Visit>   06Oct.2021, 15Oct.2022

<行き方 Access> 

(1) のと里山空港から約350m、徒歩約5分。

(2) 金沢駅西口からバスでのと里山空港まで2時間2分。撮影可能な時間帯に到着する便は5便程度ある。

(3) 基本は車(二輪車を含む)で訪問する場所だ。

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写真1 キャンパス脇の駐車場より金網越しに駐機するYS-11群を標準ズームレンズで撮影。(2021年10月6日撮影)

 

<解説General> 

(1) 学校法人日本航空学園の運営する日本航空高等学校日本航空大学校が石川能登空港キャンパス内にある。例年10月中旬から11月初旬ごろに学園祭(航空祭)が行われており、その際に教材機を見ることができる。入口にあるBell204と屋外エプロン部分に駐機するYS-11はいつでも撮影可能だ。 

(2) 現地へのアクセスは「東京から1時間ほど、金沢から2時間ほどで行ける」が、現実的には車(二輪車を含む)で行く。

<機体と座標 Aircraft and Location>

(1) Bell 204B (JA9111, 37.2967N, 36.9608E)、元福岡県警察の”とびうめ”号。JA Searchのデータベースによると1996年4月8日付で登録抹消となっているが、数日前(1996年3月28日)には教材となっていたようだ。書類上の手続きと実物の動きは同一ではないということの一例だろう。本機は空港側駐車場から学園駐車場を経て校舎内の事務室に挨拶に行く前にあるため、一言挨拶をする前に十分に撮影できてしまう。このため実質的にはいつでも撮影可という状態にある。2021年に訪問した際には写真後方に見える高所作業車を使用した照明灯の点検作業が行われており、学園関係者や現場安全確認者などがいたので声かけは楽だった。しかし作業中であったので近づくことはためらわれ、中望遠レンズを使い離れた位置からの撮影となった。

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写真2 キャンパス入口にあるベル204B (JA9111)。(2021年10月6日撮影)

 

(2) YS-11A-500 (JA8777)、元JAC機。ロゴは赤色で記入。

 日本航空学園石川能登空港キャンパスには元JACYS-11が3機と、元(株)エアロラボインターナショナル保有機(元航空局機)1機の合計4機がある。このうち1~2機は格納庫内で実習用に使われており、残る機体を37.2957N, 136.9617E付近のエプロン上に滑走路に沿った形(すなわち機首を250度方向に向けて)で駐機させている。どの機体が見られるかは時の運だ。これらの機体は駐車場の端(37.2957N, 136.9604E付近)から金網越しに撮影することができるが、午後3時ごろ以降でないと順光にならない。なお訪問時には建物近くのフェンス周辺を除いて雑草が生い茂っていたため、フェンス沿いにYS-11の機体正面や滑走路側に行くことは断念した。空港ターミナルからでも撮影は可能だが、この場合には手前の空地がやや見苦しく写り込む。周辺状況を記録するなどの特別な目的が無ければ、あえて空港ターミナルから撮影する必要は無いだろう。

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写真3 元JACのYS-11A-500  (JA8777)。(2021年10月6日撮影)

 

(3) YS-11A-500 (JA8781)、元JAC機、ロゴは青色で記入。

2021年の訪問時には姿を確認できなかった。格納庫の中だったのだろう。2022年の航空祭時には屋外に展示されていた。

写真4 元JACのYS-11A-500 (JA8781)。(2022年10月15日撮影)

 

(4) YS-11A-500 (JA8805)、元JAC機、ロゴは緑色で記入。

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写真5 元JACのYS-11A-500  (JA8805)。(2021年10月6日撮影)

 

(5) YS-11A-212 (N462AL, ex.JA8709) 元(株)エアロラボインターナショナル保有機だが、それ以前は元航空局のJA8709だ。航空局が保有していた6機のYS-11は退役後に民間業者等に引き取られていったが、この機体は2014年12月17日の入札において予定価格203,268円に対して(株)エアロラボインターナショナルが2,230,200円(税込)で落札した。再び空を飛べるように整備して羽田から高松へと空輸されたが、モロモロの事情により手放すこととなり、2018年5月11日に高松から能登空港への最後の飛行を行い日本航空学園に引渡された。会社のHPでは入手から手放すまでの様子を伝えている。URLは次の通り。

YS-11 プロジェクト 飛行までの軌跡① – Aero Lab

YS-11 プロジェクト 飛行までの軌跡② – Aero Lab

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写真6-1 元AeroLaboのYS-11A-212  (N462AL)。以前は航空局のJA8709だった。(2021年10月6日撮影)

 

写真6-2 航空祭の時に芝生の公開エリアから撮影した元AeroLaboのYS-11A-212  (N462AL)。(2022年10月15日撮影)

 

(6) L-19E (11209号機および11210号機)

 1) 2018年10月6日の学園祭時には主翼を外され、返却直前と思われる姿であったが、読者より2021年春ごろにもまだ存在していたとの報告と写真が寄せられた。この写真を以下に紹介しますが、編集の都合上、原画の70%の部分程度にトリミングしてあります。どうかご了承ください。

 2) 2022年10月15-16日には3年ぶりで航空祭が開催されたが、この時には2機とも主翼を外されてブルーシートに包まれて校舎と格納庫の間に置かれていた。陸自に対する返却時期を調整中とのことであった。

 3) 2023年10月7-8日に開催された航空祭に於いて、主翼を取り付けた本来の航空機の形で2機とも展示された。この年の航空祭には私自身は訪問しておらず(く、悔しい・・・)、伝聞情報なのだが、どうやら昨年度末(2023年3月末)には再組立を終えていたようだ。

※今後、さらなる変化に気づかれた方がおられましたら、一報いただければ幸いです。

参照:インターネット航空雑誌 ヒコーキジャーナル第248号

http://www.hikojour.jp/hikojourBDC/hikojourBDC0248.html

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写真7-1 2021年3月初旬にはキャンパス内にあったL-19E(11209/JG-1209)。(2021年3月5日、JA131J様撮影。掲載に際してトリミング実施)

 

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写真7-2 同じく2021年3月初旬にはキャンパス内にあったL-19E(11210/JG-1210)。(2021年3月11日、JA131J様撮影。掲載に際してトリミング実施)

 

写真7-3 2022年10月開催の航空祭時には胴体部分はブルーシートに包まれていたが、その脇に置かれた2機分左右4枚の主翼を見ることができた。(2022年10月15日撮影)

 

(7) T-3 (01-5530)、航空自衛隊の無償貸付機だ。

写真8 航空祭(学園祭)で公開された空自のT-3教材機。(2022年10月15日撮影)

 

(8) OH-6D(31161)、陸上自衛隊の機体だが「無償貸付機」であるかどうかの情報が得られていない。

写真9 航空祭(学園祭)で公開されたOH-6D教材機。テイルブームの両側はキチンとJG-1161となっていた。(2022年10月15日撮影)

 

(9) その他の機体

日本航空高等学校石川能登空港キャンパスのHPに保有機の紹介がある。ただしTH-55Jなど一部の機体は既に返却・廃棄済なので、参考程度としてほしい。学園関係者に対しては最新の機体紹介になるよう、HP更新をお願いしたい。

https://www.jaaw-hs.net/aircraft/airclaft14

 

【余談】

 訪問した時間内にB-737の離陸を撮影することができた。YS-11の見える駐車場からフルサイズ200~300mm程度のレンズがあれば、B-737の離陸をそれなりに撮影することができる。ただし晴れていれば逆光だ。

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写真10 ススキの草原から浮き上がるB-737。(2021年10月6日撮影)

以上