<編集履歴> 11Aug.2025公開、15Aug.2025見直し更新(第2回目、見直し更新、リンク張り付け)
【概要】
(1) 朝鮮戦争時代にMiG-15を”追い払った”ことで有名なアメリカで開発された昼間戦闘機。数多く製造されて多くの国で使われた(何も調べちゃいない)。
(2) 韓国空軍には朝鮮戦争が休戦となった後(1955年6月から配備開始という説あり)、-20/-25/-30/-40が配備された(何も調べちゃいない)。初回供与は1950年代半ばのようだが、その後、1965/66にもある程度の数がまとめて供与されているようだ。中には航空自衛隊から米軍に返還された機体が、再供与された例もあった。なお韓国軍機はIRANのため、三菱小牧に飛来していた。
(3) 現在は49機程度が韓国各地に展示されている。ただし、撤去後にSNを書き換えて、新たな場所に展示された機体が「あるかもしれない」ので、”程度”としておく。
(4) 展示機のほかに、デコイとして各基地内に配置されている機体がある。デコイは関連書籍/衛星画像/主にヨーロッパのサイトのデータベースでは明々白々の存在だが、韓国国防上の理由として置かれているものなので、ここでは詳細を記さない。
(5) 韓国の展示機はSNの書き換え事例が多く、「本当のSN」「本当の米軍SN」「本当のcn.」は判らないことが多い。機体番号の調査は、基本的には「尾翼に描かれたSNが正しいとすれば、米軍SNはコレで、そうならばcn.はこうなる」という流れで調べているので、例えば記載されている番号の”8”が"3"に書き換えられていると、米軍SNもcn.も全てが変わってくる。「まぁ、こんなモンだ」程度に捉えていて欲しい。本Blogでは「見に行くための情報」を伝えることを優先させているため、細かくウンチク語ることは後回しにして先に進む。
(5) 偵察型RF-86Fに改造され、退役後に展示されている機体については別記事を参照ください。
【F-86F展示機Displayed F-86Fs】
※おおむね米軍SN/cn.順です。展示後に撤去/移転した機体は後段にまとめます。
(1) F-86F-25 (13193, 51-13193, cn.176-124, 36.047N / 128.5183E)
慶尚北道漆谷郡の多富洞戦跡記念館の常設展示機。元スペイン空軍"C5-29"。
【慶尚北道】チルゴク(漆谷)のダブドン(多富洞)戦績紀念館 - 用廃機ハンターが行く!
(2) F-86F-25 (24874, 51-13199, cn.176-130, 34.9473N / 128.1067E)
慶尚南道泗川市の韓国航空専門学校にある展示機。垂直尾翼には"24874"と書かれているが、本当のSNとは異なる。
【慶尚南道】韓国ポリテク航空大学(サチョン市サンチョンポ) - 用廃機ハンターが行く!
(3) F-86F-25 (13207, 51-13207, cn.176-138, 35.8964N / 128.6454E)
(4) F-86F-25 (51-13237, 51-13237, cn.176-168, 34.8377N / 127.8988E)
慶尚南道南海郡の慶南道立南海大学にある機体。スペイン空軍で使用され、1962年に米軍返却。その後の記録は無いが、韓国に再供与したものと思われる。
(5) F-86F-25 (13243, 51-13243, cn.176-174, 35.9894N / 126.7167E)
全羅北道群山市の鎮浦海洋テーマ公園展示機。
【全羅北道】グンサン(群山)の鎮浦海洋テーマ公園 - 用廃機ハンターが行く!
(6) F-86F-25 (13508, 51-13508, cn.172-439, 35.8964N / 128.6454E)
大邱広域市東区、大邱基地展示機。JBリストではcn.176-321(51-13390)の次がcn.172-322となっている。”176”→”172”といきなり数が減っているのだが、本当か?製造番号の付与方法がおかしくないだろうか?製造工場ごとにLot.を取得していたのか?
(7) F-86F-30 (24308, 52-4308, cn.191-4, 37.5361N / 126.9785E)
ソウル特別市龍山区の戦争記念館。
(8) F-86F-30 (477, 52-4477(?), cn.191-173, 37.7235N / 128.9975E)
江原道特別自治道江陵市、江陵統一公園、52-4477(cn.191-173)は1960年にアルゼンチンへ供与された機体。JBリストには「アメリカに返却された後に韓国に再供与された」という記録は記載されていない。
【江原道】ガンヌン(江陵)統一公園 - 用廃機ハンターが行く!
(9) F-86F-30 (52-4490, 52-4490, cn.191-186, 35.1987N / 128.1546E)
慶尚南道晋州市、空軍技術高等学校(晋州)、敷地北東部の校舎の脇。
(10) F-86F-30 (52-4515, 52-4515, cn.191-211, 36.1026N / 127.1069E)
忠清南道論山市、サンシャインランドの展示機。JBリストにはアメリカで使用後の記録無し。
(11) F-86F-30 (52-4598, 52-4598, cn.191-294, 36.6274N / 128.356E)
慶尚北道醴泉郡、醴泉空軍基地の展示機。JBリストには米軍使用後の記録無し。
(12) F-86F-30 (64651, 52-4651, cn.191-347, 36.5772N / 127.5237E)
忠清北道清州市、韓国士官学校(星武台)、ゲートにある2機編隊の1機。
【忠清北道】清州の韓国空軍士官学校(空軍博物館)と周辺の展示機 - 用廃機ハンターが行く!
(13) F-86F-30 (13197, 52-4656, cn.191-352, 36.2124N / 127.8826E)
忠清北道永同郡、老斤里(ノグンリ)平和記念公園。朝鮮戦争中に虐殺事件の起こった場所に建てられた平和記念公園。2013年12月4日には設置済。
(14) F-86F-30 (24669, 52-4669, cn.191-365, 37.7496N / 128.9446E)
(15) F-86F-30 (14751, 52-4751, cn.191-447, 38.1873N / 127.2887E)
江原道特別自治道鉄原郡の「鉄の三角地記念館」に展示されている2機のF-86Fのうちの1機で、2005年11月12日には設置済だった。もう1機は後述する(32)を参照。
【江原道】シンチョルウォン(新鉄原)周辺 - 用廃機ハンターが行く!
(16) F-86F-30 (52-4753, 52-4757, cn.191-449, 37.0857N / 127.0322E)
京畿道平澤市、烏山空軍基地内の展示機。
(17) F-86F-30 (24759, 52-4759, cn.191-455, 33.3044N / 126.2998E)
(18) F-86F-30 (52-4761, 52-4761, cn.191-457, 37.0321N / 127.8954E)
忠清北道忠州市、忠州空軍基地の展示機。正門奥にあるので、スペースチャレンジの際には見ることが出来るかもしれない。撮影可否は不明だが、位置的には不可かと思われる。
(19) F-86F-30 (52827, 52-4827?, cn.191-523, 35.7669N / 128.135E)
慶尚南道陜川郡、大蔵経(デジャンキョン)テーマパーク。2016年5月26日から2017年11月6日までの間に設置。JBリストでは"52-4827"はクラッシュしてパイロットが死亡した機体となっている。
(20) F-86F-30 (0829, 52-4829, cn.191-525, 35.134N / 126.8044E)
光州広域市光山区、光州基地の展示機。2001年5月11日には設置済。
(21) F-86F-30 (55833, 52-4833, cn.191-529, 35.5271N / 129.2937E)
【ウルサン蔚山】ウルサン大公園の展示機 - 用廃機ハンターが行く!
(22) F-86F-30 (62837, 52-2837, cn.191-533, 36.5772N / 127.5237E)
忠清北道清州市、韓国士官学校(星武台)、ゲートにある2機編隊の1機。
【忠清北道】清州の韓国空軍士官学校(空軍博物館)と周辺の展示機 - 用廃機ハンターが行く!
(23) F-86F-30 (52855, 52-4855, cn.191-551, 35.188N / 128.1476E)
慶尚南道晋州市、空軍技術高等学校(晋州)、正門奥の展示機広場。
(24) F-86F-30 (24865, 52-4865, cn.191-561, 35.071N / 128.0618E)
慶尚南道泗川市、KAI航空宇宙博物館。
【慶尚南道】サチョン(泗川)市のKAI 航空宇宙博物館 - 用廃機ハンターが行く!
(25) F-86F-30 (55870, 52-4870?, cn.191-566, 37.2437N / 127.0098E)
京畿道水原市、水原空軍基地、スペースチャレンジ(SCと略す)2025時に芝生公園で確認。かつては50870, 53870か?SC2024年の53870と同一機か?
(26) F-86F-30 (52-4880, 52-4880, cn.191-576, 35.1978N / 128.1475E)
慶尚南道晋州市、空軍技術高等学校(晋州)、正門からずっと真っすぐ行った場所。
(27) F-86F-30 (25917, 52-4917, cn.191-613, 33.3035N / 126.3002E)
(28) F-86F-30 (24923, 52-4923, cn.191-619, 33.5068N / 126.5309E)
【済州島】耽羅自由会館(統一館)のF-86F - 用廃機ハンターが行く!
(29) F-86F-30 (63937, 52-4928, cn.191-624, 36.581N / 127.5252E)
忠清北道清州市、韓国士官学校(星武台)、以前は"64928"と書かれ、展示場F-86Dの隣(36.5782N/127.5238E)に置かれていたが2015年10月28日から2017年2月21日までの間に現在の場所に移設。2019年には63937へと変わっていた。
【忠清北道】清州の韓国空軍士官学校(空軍博物館)と周辺の展示機 - 用廃機ハンターが行く!
(30) F-86F-30 (52937, 52-4937, cn.191-633, 37.1844N / 127.0489E)
京畿道烏山市、UN軍初戦記念館。
【京畿道】UN軍初戦記念館のF-86F - 用廃機ハンターが行く!
(31) F-86F-30 (52061, 52-5061, cn.191-757, 37.0856N / 127.0321E)
京畿道平澤市、烏山空軍基地内の展示機。
(32) F-86F-30 (25075, 52-5075, cn.191-771, 38.1874N / 127.2891E)
江原道特別自治道鉄原郡の「鉄の三角地記念館」に展示されている2機のF-86Fのうちの1機で、2005年11月12日には設置済だった。もう1機は前述した(15)を参照。
【江原道】シンチョルウォン(新鉄原)周辺 - 用廃機ハンターが行く!
(33) F-86F-30 (52096, 52-5096?, cn.191-792, 37.2456N / 127.0098E)
京畿道水原市、水原空軍基地、SC2024/2025の際にゲートガード機として確認されている。
(34) F-86F-30 (右25112左12225, 52-5115, cn.191-811, 34.9656N / 126.5174E)
全羅南道務安郡のミリタリーテーマパーク展示機。
【全羅南道】務安のミリタリーテーマパーク - 用廃機ハンターが行く!
(35) F-86F-30 (25120, 52-5120, cn.191-816, 36.4143N / 127.3484E)
大田広域市儒城区、紫雲台(国軍教育施設)。
(36) F-86F-25 (25292, 52-5292, cn.193-21, 36.7026N / 126.4961E)
忠清南道瑞山市、瑞山空軍基地の展示機群のうちの1機。
(37) F-86F-25 (25429, 52-5429, cn.193-158, 35.98N / 129.1101E)
慶尚北道永山市、永山護国院。
【慶尚北道】国立永山護国院と陸軍第3士官学校(ヨンチョン(永川)) - 用廃機ハンターが行く!
(38) F-86F-25 (25450, 52-5450, cn.193-179, 35.6998N / 128.4989E)
大邱広域市達城郡、ユチゴン将軍記念館展示機。
【慶尚北道】ユ・チゴン将軍護国紀念館 - 用廃機ハンターが行く!
(39) F-86F-25 (525483, 52-5483, cn.193-212, 37.4944N / 126.9205E)
ソウル特別市銅雀区、ボラメ公園(ソウル)。
(40) F-86F-25 (52494, 52-5494, cn.193-223, 37.0858N / 127.0305E)
京畿道平澤市、烏山空軍基地展示機だが、次項(41)で述べる紫雲台展示機と同じ番号になっている。
(41) F-86F-25 (52494, 52-5494, cn.193-223, 36.4143N / 127.3484E)
大田広域市儒城区、紫雲台(国軍教育施設)の機体だが、上述の(48)烏山基地展示機と同じ番号となっている。2004年10月30日には設置済。
(42) F-86F-25 (25517, 52-5517, cn.193-246, 35.8463N / 127.1334E)
【全羅北道】全州、全北大学のF-86F - 用廃機ハンターが行く!
(43) F-86F-25 (25526, 52-5526, cn.193-255, 36.8955N / 126.7191E)
ナラ(国)サラン(愛)コンウォン(公園)なので直訳すると「国愛公園」だ。
2006年12月8日竣工したが、F-86Fと近くにある2基のナイキミサイルは10月29日ごろから約一か月かけて設置されたという。
https://www.djtimes.co.kr/news/articleView.html?idxno=28853
(44) F-86F-40 (55087, 55-5007, cn.227-240, 37.4192N / 126.6542E)
仁川広域市延寿区、仁川上陸作戦記念館、かつて"007"だったが、いつの間にか"087"になった。JBリストではROCへ供与。
【インチョン】仁川上陸作戦記念館 - 用廃機ハンターが行く!
(45) F-86F (52115, 不明, cn.不明, 37.2455N? / 127.0094E?)
京畿道水原市、水原空軍基地、SC2025時にエプロンにて展示。"55-2115"はOQ-19B-RPドローンに付与されたSN。
(46) F-86F (54656, 不明, cn.不明, 37.5562N / 126.8083E)
ソウル特別市江西区、国立航空博物館、"55-4656"はTL-19D Bird Dogに付与されたSNだ。
(47) F-86F (不明, 不明, cn.不明, 38.5864N / 128.3757E)
江原道特別自治道高城郡、高城統一展望台。2019年以降に先代展示機であるF-51Dと置換して展示中。緑とタンの迷彩機だが、S/Nなどは描かれていない。
【江原道】高城統一展望台(情報のみ) - 用廃機ハンターが行く!
(48) F-86F (不明, 不明, cn.不明, 36.5883N / 127.518E)
忠清北道清州市、航空宇宙医療院。正門ゲート奥に展示。
(49) F-86F (不明, 不明, cn.不明, 37.2514N / 127.1872E)
京畿道龍仁市、陸軍龍仁駐屯地に置かれていたが、2021年11月6日から2023年4月30日の間に撤去。
【展示後に撤去もしくは移転された機体】
(1) F-86F-25 (513203, 51-13203, cn.176-134, 36.3759N / 127.3742E)
大田広域市儒城区、国立科学博物館に置かれていた機体だが、撤去済。
【デジョン(大田)】国立中央科学館の展示機(撤去済/記録) - 用廃機ハンターが行く!
(2) F-86F-30 (637, 52-4637, cn.191-333, 35.1826N / 129.0458E)
釜山広域市釜山鎮区、統一館、2024年秋には撤去済。
【釜山】釜山統一館/釜山自由会館の展示機(撤去済/記録) - 用廃機ハンターが行く!
(3) F-86F-30 (24706, 52-4706, cn.191-402, 35.8476N / 128.6271E)
大邱広域市寿城区、オリニ大公園(大邱)。2021年頃の公園改装時に撤去。
【大邱広域市】大邱子供大公園の展示機(撤去済/記録) - 用廃機ハンターが行く!
【参考】
(1)「韓国セイバー展示機総覧(前編)」大路聡、航空ファン2020年9月号No.813、p.70-75
(2)「韓国セイバー展示機総覧(後編)」大路聡、航空ファン2020年10月号No.814、p.68-73
(3) その他、航空ファン誌2008年7月号以降に掲載された大路聡氏による韓国関連記事多数。
※なお、上述リストとこれら参考文献の内容の照合はまだ行っていません。ザッと見て、いくつかSNが違っているモノがあるな~とは気づいてますが、確認は後回し。全機リスト作成を先行させます。
以上