<編集履歴> 31May.2025公開、
25Oct.2025見直し更新(第3回目、一つの記事を一般事項/機体/グランドショー解説、編隊飛行課目紹介、個別演技課目紹介の3つの記事に分割した。)
【はじめに】
ブラックイーグルスの見どころ紹介記事は、次の三部作とするので、必要なところをご参照ください。
(1) 一般事項、機体に関するトリビア、およびグランドショー(離陸前、着陸後のアクション)の見どころ紹介。
대한민국공군 블랙이글스 기체와 지상 연기(ROKAF ブラックイーグルス、機体とグランドショー) - 用廃機ハンターが行く!
(2) 離陸からショー前半の編隊航過課目の紹介。(本記事です)
(3) ショー後半の個別課目紹介。
대한민국공군 블랙이글스 연기 과목의 소개(ROKAF ブラックイーグルス 個別課目紹介) - 用廃機ハンターが行く!
【ブラックイーグルスの演技の基本的な構成について】
(1) ブラックイーグルスの基本的な演技構成は次のようになる;
1) 編隊離陸
2) 回り込んで背後から8機編隊で通過して演技開始
3) 8機での編隊変換パス数回
4) 編隊を分離し、中規模編隊とソロの演技の組合わせ数回
5) 最後に集合して散開機動
6)正面から各機ごとに挨拶通過を行い、着陸
前述の通り、本記事では1)~3)の編隊変換演技について紹介する。
(2) 本記事ではWikipediaに掲載されていた2013年シーズンのプログラムを基本にして、演技課目名を課目順/ハングル名称/日本語直訳/英語訳/日本語意訳の順に記載する。
(3) 言うまでもなく実施年次、場所、天候等によって、いくらかプログラムの構成/順番/内容は変化する。しかし演技全体の構成を考える際に、「ここは4機が正面に回りこむ間に2機のソロが右から左へ抜ける」というような基本的な旋回進入パターンはなかなか動かすことが出来ない。「2機のソロが右から左に通過する間に、どんなコトができるか?」という視点で考えて、実施課目が定められるのだ。例えば「2機で右から左に通過するパス」の内容が、「2機背面」であったり、「バックトゥーバック」であったり、あるいは「コークスクリュー」だったりするような「変化」は毎年のように取り入れられている。よって見る都度に新鮮な驚きがあるのだ。パイロット側にしてみれば、「この次は右ターンして進入」、「会場通過後は左ターンで90度変針」という基本的な進入/離脱コースのパターンは変わらないため、練習は行いやすい。海外にまでヒコーキを見に行くレベルの方々なら、進入方向を眺めていれば、ある程度「次の課目はコレだな!」と予想がつくと思う。参考になれば幸いだ。
(4) 記述した「編隊」の名称は正式なハングル語での名称を見つけていないものが多く、私独自の命名となっている場合が多い。正式名称を見つけた際には修正していくが、当面は”雰囲気”がわかっていただければ良いだろう程度に考えている。
【演技解説】
(1) 이륙 및 집합/離陸及び集合/Wing Take off and Join to Penta/編隊離陸
3機+3機+2機の順に離陸する。最後の2機編隊はスモークを出すこともある。

写真1 3機編隊離陸(第2編隊)。(ADEX 2015 / 2015年10月25日)
(2) ハングル無しの課目/会場進入
空中集合を終えたBEは大きく回り込み、背後から8機ビッグアローで進入し、前方へと抜ける。
次いで;
2-1. 上昇しながら右ターンし、(3)のペンタループへ向かう。
2-2. 上昇しながら編隊をペンタへ移行し、ペンタループを実施。左手に抜けて(4)へ。
※ローショーの場合にはループではなく、ターンで実施する。以下の課目において、同様だ。

写真 背後から8機ビッグアローで進入し、演技が始まる。会場後方を向いて待ち構えよう。(サチョン/2019年10月26日)

写真 ビッグアローで背後から会場に進入。通過後に上昇してペンタ隊形に変換しつつループを行う。(ソウルエアショー/2023年10月21日)
(3) ハングル無しの課目/Change Loop/チェンジオーバーループ
右手から五角形編隊(ペンタ、デルタ隊形の4番機後方左右に7,8番機がついた編隊)がシャローダイブ気味に進入し、編隊ループし、左へと抜ける。ループ頂点で編隊をリーダーズベネフィットなどに変換する場合もあり。
(4) ハングル無しの課目/Change Turn/チェンジオーバーターン
左前に抜けた8機編隊が180度ターンし、今度は左斜め前から進入してきて、会場前で360度ターンを実施する。このターンの間(進入時を含む)にダイヤモンドからクロス(十字)、アルバトロス、ビッグアロー(もしくはイーグル)へと次々に隊形を変換する。実施年によっては形作る編隊の形が、いくらか異なることもあるが、一周する間に4回隊形を変えると覚えておこう。大抵はアルバトロスからビッグアロー(もしくはイーグル)への変換が会場正面で行われる。このため、一番近づいた時のショットは最後部の7.8番機が編隊移行中の”崩れた編隊”の写真となってしまう。編隊は右手斜め前方へと抜ける。

写真-1 8機でのダイヤモンドは真ん中が抜けた四角形。カメラのフォーカスサイトを中央だけにしていると、編隊が画面一杯になった時にピントを外す・・・こともあったが、最近のカメラは賢いので、大丈夫だろう。きっと。(ソウルエアショー/2017年10月21日)

写真 ダイヤモンドでのターンを会場反対側から見る。(サンチョンポ/2023年11月5日)
(5) 원형횡전기동/原型横転機動/Wedge Roll/ウエッジロール
右手から8機ウエッジ編隊で上昇しながら進入。横転して左前に抜ける。ローショーの場合にはウエッジターンとなる。
※2011年にはアローヘッド(スピアヘッド)隊形(デルタの真後ろに2機のソロがトレイルで続く隊形)で横転をやっていました。

写真 会場の反対側から撮影したウエッジロール。(サチョン/2019年10月26日)
(6) 편대 동시횡전기동 및 방향전환 수직원형기동/編隊同時横転機動及び方向転換垂直原型機動/Bon Ton Roulle and Clover Loop/ボントンロールとクローバーターン
左前に抜けたウエッジ編隊は、270度左ターンを行い、会場に近づきながらワイドダイヤモンドへと移行。スモーク(白)を引いて左手から進入する。会場直前でスモークを止め、目の前で一斉に横転。右手に抜けつつ、スモークを出し、中央の6機が編隊間隔を狭めていくのと同時に両翼の2機が外側に向けてバレルロールする。

写真 会場に向けて旋回をしながら機体間隔を広げていく。(ADEX 2025/ 2025年10月19日)

写真 ショーセンターから見て、やや左側で一斉にロールを行う。(ADEX 2025/ 2025年10月18日)
(7) 8기 수직강하 분리기동/8機垂直降下分離機動/Rainfall/レインフォール
右手に抜けた編隊は左ターンを行い、右斜め前から進入してイーグル編隊(4機ダイヤモンドの4番機の左右後方に各2機がついた傘型を構成する編隊)でループを開始。頂点でスモークを発して会場正面方向に散開する。
※ループができないような条件下での編隊解散(中規模編隊+ソロ演技の部への移行演技)は、どのようにするのだったか?過去の写真を眺めたが、レインフォール以外の編隊解散機動を見つけることができなかった。

写真 8機の開花はなかなか見応えがある。(サチョン/2024年10月26日)
前半の8機編隊での演技はこれで終了。
続いて5機、4機、3機、2機、1機の個別演技が始まります。
個別演技の紹介はこちらへどうぞ;
대한민국공군 블랙이글스 연기 과목의 소개(ROKAF ブラックイーグルス 個別課目紹介) - 用廃機ハンターが行く!
以上