用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【ソウル】戦争記念館

<編集履歴> 12Oct2019公開、24Oct.2023見直し更新(第6回目、写真追加)

<場所 Place>     チョンチェン キニョンガン(戦争記念館)

<座標 Location> 37.5362N, 126.9785E

<訪問日Visit>      何度か。最近では22Sep2019, 20Oct.2023.

<行き方 Access>

(1) ソウル地下鉄サンガクチ駅から徒歩5分

<解説General> 

(1) 1994年6月に開館した国内最大の戦争記念館。開場は0930-1800。入場は1730まで。入場料無料。毎週月曜日は休館(月曜日が休日の場合にはその翌日)。休館時でも屋外展示の機体は撮影可能なときがある。迷ったら行って見るべし。

(2) 機体に記入されたS/Nは偽番号であることが多い。わざと偽の番号にしたのか、再塗装の際に間違えたのかは不明だ。調査のためにいくつかの文献を参考にしても異なる説が書かれている場合もある。本Blogでは異なる説がある場合にはできるだけ原典を併記することで混乱を避けたいと思う。

(3) 2019年9月訪問時には屋外展示エリアの改装工事中であり、野砲や戦車などの展示が見られなくなっていたり、航空機の一時が仮置き的に移転されていた(館内も改装工事が行われていたようだ)。

(4) 2023年10月訪問時には改装工事は終わっていた。この工事期間中にほぼ全ての屋外展示物は塗り直され、またいくつかの展示物は配置が変えられていた。

 

【展示機 Aircrafts】

(1) B-52D

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写真 展示の目玉、B-52D。(2019年9月22日撮影)

 

(2) C-46D

写真 (2023年10月20日15時半ごろ撮影)

 

(3) C-119G (51-7996) 台湾での展示用に韓国空軍から送ったC-46Dと引き換えに入手した機体。以前は機首に”3199"と書いていたが、これは台湾空軍で使用されていた時の番号で本当のS/Nは”51-7996”だ。2023年訪問時には塗装が変更されて機首番号は消され、垂直尾翼に”O-17996”と書かれていた。

写真 (2023年10月20日15時半ごろ撮影)

 

(4) C-123J (56-4389) 垂直尾翼には”10-389"と書いているが、本当のS/Nは”56-4389”だ。

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写真 (2019年9月22日15時ごろ撮影)

 

(5) F-4C (64-0766) 韓国空軍で飛行任務に就いたことは無いBDR(Battle damage Repair)訓練機。機体各所に補修パッチの跡が残る。屋内展示機であったが2000年頃から屋外に移設された。2019-2023年の間に塗り直され、グレーの制空迷彩からベトナム迷彩機へと様相を変えた。主翼パイロンにMERを介してMk.82の模擬弾を片翼3発、計6発を搭載している。

写真 (2023年10月20日15時半ごろ撮影)

 

(6) F-5A (68-9046) 2005-2010年ごろに展示された。当初は韓国空軍の制空色であったが2019-2023年の間に銀色の旧空軍機塗装に変更された。展示当初より主翼下に模擬爆弾を搭載している。

写真 (2023年10月20日15時半ごろ撮影)

 

(7) F-51D (205 / 64-0766) 2019年9月訪問時には博物館改装工事に伴いF-4C前に置かれていたが、工事終了後は館内展示となっている。

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写真 改装工事中のため一時的にF-4Cの前に置かれていたF-51D。(2019年9月22日撮影)

 

(8) F-86D (51-8502)

(9) UTI-MiG-15 (128) 館内に展示されている。

(10) J-6C (207) 中国製のMiG-19。1983年02月25日に北朝鮮から飛来し、水原基地に着陸した。開館当初は屋内に展示されていたが2000年頃から屋外に移設された。

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写真 亡命機J-6C。(2018年10月29日16時50分ごろ撮影)

 

(11) S-2A (6707) BobOgdenのS/N本によれば本機はBu.136596の元海上自衛隊4108号機。しかし"6707"が正しい場合にはBu.136707となるが、このBu.No.は米軍S/NリストのバイブルであるJOE BAUGHER'S HOME PAGEのリストには存在しない(実際には存在する番号かもしれないが、これを確認することができない)。右翼のサーチライトは無くなり、黒いカバーで整形されている。

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写真 (2018年10月29日17時ごろ撮影)

 

(12) L-5G

(13) AT-6F

(14) T-28A

(15) T-33A (53-5129 / TR-129) 木立に囲まれており、非常に撮影しづらかったが、2023年10月訪問時には周囲の木は切り倒されてスッキリとした姿を撮影できるようになっていた。ただし相変わらずB-52の右翼後方尾翼の右脇にあるので、やはり撮影しづらい。

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写真 木立に囲まれていたT-33A。周囲の木は切り倒されたが、B-52の脇にあり、撮りづらい。(2018年10月29日16時50分ごろ撮影)

 

(16) T-37C 2005-2010年ごろに展示された。

(17) T-41B

(18) KTX-1

(19) O-1A

(20) O-1G

(21) U-6A

(22) Y-5

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写真 (2019年9月22日15時ごろ撮影)

 

(23)Yak-18 韓国内では唯一の展示機

(24) 復活号(レプリカ)

(25) AH-1J (29066) 2019-2023年の間に子供用展示館の上部にあるヘリ展示場に移設された。ヘリコプター展示エリアの全ての展示機について言えることだが、季節によるが15時ごろ以降には樹木や建物の影が機体にかかる。午後に現地に到着したら早めに撮影しておこう。

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写真 2019年訪問時には移設準備のため簡単な架台の上に設置されていたが、その後は子供用展示館の上(ヘリコプター展示エリア)へと移設された。(上:2019年9月22日15時ごろ、下:2023年10月20日15時半ごろ撮影)

 

(26) H-5H (S-51) 2019-2023年の間に銀塗装から黄色に塗り替えられて雰囲気が一変した。

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写真 H-5ドラゴンフライなど、珍しい機体もいくつかある。(上:2019年9月22日、下:2023年10月20日16時ごろ撮影)

 

(27) 500MDディフェンダー(780062) 2023年訪問時に新たに存在としてに気づいたニューフェイス。韓国陸軍機でノーズ下部に小型サーチライトが装備されている。東を向いて置かれているが機体右側(南側)には行くことができない。遠く離れて望遠レンズで順光サイドを狙えるが、壁があるので足下が切れる。撮影しにくい機体だ。

写真 (2023年10月20日16時ごろ撮影)

 

(28) OH-13H

(29) OH-23G

(30) UH-19B

写真 (2023年10月20日15時半ごろ撮影)

 

(31) UH-1B

(32) SA319B アルエットIII (770303, cn.2307) 機体尾部には"77301"、胴体のcn.はかつては”2278”、2012年以降には”2298”と記入されているが、これらは全て偽番号。コクピットのラジオコールプレートは"77-0303"、機体銘板のcn (No De Serie)は2307となっており、こちらが正しい。

 

【展示後に撤去】

(1) C-54 2005年頃に撤去され、格浦港での展示を経て、現在は群山にあるクンチャン大学に移設、展示されている。(別稿参照)

(2) F-86F 屋外展示機であったが2019年秋ごろに撤去された。改装工事に伴う一時的なものかどうかは不明。 

 

【その他】

戦車、ミサイル、艦載砲、北朝鮮の特殊半潜水艇北朝鮮との銃撃戦で傷ついた船舶など多数の兵器が展示されており、マニア目線でジックリ眺めると一日では到底足りない。

 

【参考文献】

「韓国戦争記念館と韓国北部の展示機編」大路聡、航空ファン2008年7月号No.667、p.70-73

「韓国戦争記念館の展示機・前編」大路聡、航空ファン2019年5月号No.797、p.66-70

「韓国戦争記念館の展示機・後編とソウル特別市の展示機」大路聡、航空ファン2019年6月号No.798、p.68-77

「韓国戦争記念館の展示機2023」大路聡、航空ファン2023年7月号No.847、p.64-73

 

【余談】

 (1) 地下鉄三角地駅から博物館に向かう小道はテグタン(タラ鍋)で有名なエリア。2010年頃にはポゴタン(フグ鍋)の店もいくつかあったような気がするのだが、2019年訪問時には無くなっていた。お味はというと「昆布や鰹節風味などの”旨味”に欠ける鍋」という感想だった。まぁ、一度はお試しあれ。

(2) 2023年10月訪問時には地下鉄駅からの地下通路が博物館方面に延伸されており、上記(1)の小道を通らずに博物館へ行けるようになった。便利になった反面、面白味のある路地裏を見ることができなくなってしまった。気になる方はチョイト離れた地下鉄駅出入口を利用して周辺の散策もしてみよう。

(3) 2023年10月20日に訪問した際の目的はリニューアルされた館内展示の確認であったが、10月24日の「国連の日」に合わせて開催された「2023国連参戦記念行事」の開幕式開催のために館内は16時で閉館(入場は15時半まで)。入場することはできなかった。でも式典に華を添えるステキなお姉さま方を撮影できたので全く問題なし!館内展示を見るためにまた行くさね。

写真 上は1階ホールで行われた式典会場に入場する直前のショットで緊張した固い顔つきをしている。下は式典参加後に表に出てきたところ。大役を終えて緊張がほぐれた笑顔がステキ。(2023年10月20日16時15-45分ごろ撮影)

以上