用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【山口県】空自 防府北基地

<編集履歴> 08May.2021公開、17Dec.2023見直し更新(第9回目、リンク切れ修正)

 

<場所 Place> 〒747-8567 山口県防府市田島無番地

防府北基地 | [JASDF] 航空自衛隊

<訪問日Visit> 06Jun.2010, 05Jun.2022, 04Jun.2023ほか

<行き方 Access> 

JR山陽本線防府駅南口より次の交通手段で行く;

(1) 南口⑤より防長バス中浦」行きで約20分、「北側」で下車し、 徒歩約10分。運行頻度は1~2時間に1本程度。

(2) 南口⑥より防長バス 「(晒石)小茅」行きに乗車し約15分、「北基地前」で下車 、徒歩約2分。ただし日中は8時、11時、15時台の3本しかない。

(3) タクシーで約15分

(4) 正門までは道なりに最短で約6.2km、徒歩で約1時間半。

※基地祭時にはシャトルバスが運行されるが開門時間ごろには乗車まで40~60分程度並ぶ列ができる。

<解説General>

(1) 航空自衛隊パイロット養成基地で第12飛行教育団の練習機T-7が配備されている。また陸上自衛隊第12飛行隊も同居している。用廃展示機は屋外に8機がある。このうち5機は正門奥に並んでいるが、F-1, F-104Jの2機は直線で300mほど離れたグラウンド脇にある。またOH-6Dは陸自格納庫裏手に展示されている。例年6~10月の間に航空祭を開催している(2020-2021年度は新型コロナ感染予防対策のため中止、2022年度は事前応募・抽選にて入場者1万人程度の規模で開催)。

(2) 北基地正門から道なりに約1.3km離れたところに南基地の正門があり、その脇に5機の展示機がある。例年北基地航空祭の前日土曜日に開庁記念行事が行われており、この時に撮影できる。詳細は別記事を参照のこと。

【山口県】空自 防府南基地 - 用廃機ハンターが行く!

 

【展示機と座標 Dislayed aircrafts and Locations】(記載した日付は原則としてヒコーキ雲さん掲載文書より)

1. T-34A (51-0372, 34.0311N/131.5412E) 元は防衛大学校の教材機"防大0782”号機で2018年度中に防大から防府北基地に移設され、2019年3月に設置された。機体に残る銘板により”51-0372”であることが確認できた。なお本機の設置に伴い、同じ場所のポールの上にあった先代の展示機T-34A (41-0309号機)は廃棄された(後述)。

写真1-1, 1-2 このT-34Aは防衛大学の教材機を2018年度中に移設して展示した。(2023年6月4日撮影)

 

2. T-3 (81-5506, 34.0312N/131.5412E) 2001年7月22日の航空祭では特別塗装でフライトを行っていたが、その三か月後の2001年10月18日にT-3としては最初に用廃となった機体だ。2003年7月20日公開時には現在の場所で展示機となっていた。機体に残る銘板より”製造番号006号機(すなわち81-5506)”であることを確認している。

写真2-1, 2-2 展示機となってから約20年が経過したT-3。やや褪色しており、赤色が白っぽくなっていた。(上:2023年6月4日撮影、下:2022年6月5日撮影)

 

3. T-33A (51-5632, 34.0310N/131.5411E) ヒコーキ雲さんによると本機は1965年10月11日に用途廃止となり、1978年8月6日公開時には展示されていた。

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写真3-1, 3-2 上は2010年訪問時に撮影したもので、当時はポール上のT-34Aがあったことが分かる。垂直尾翼に描かれた黄色と黒のチェッカーは浜松基地第1航空団のマークだ。(上:2010年6月6日撮影、下:2022年6月5日撮影)

 

4. T-1A (15-5816, 34.0308N/131.5411E) 2001年2月1日用廃、2001年7月22日公開時には展示されていた。

写真4-1 T-1Aの展示機は国内に6機が存在する(機体半分だけを含む)。(2023年6月4日撮影)

 

5. F-86D (04-8203, 34.0309N/131.5410E) 1968年9月13日に用廃となり、その後に展示された。

写真5-1, 5-2 防府北基地で半世紀以上も展示されているF-86D。(2022年6月5日撮影)

 

6. F-1 (10-8256, 34.0318N/131.5374E) 2005年に用廃となった機体。GE-Proでは2005年4月13日取得画像にて34.0303N/131.5406Eに設置されたことが確認できる。設置後初めて一般公開されたのは2005年7月17日の航空祭だ。防府北基地公式Twitterは2023年3月17日付でF-104J脇(34.0318N/131.5374E)に移設したことを伝えた。2023年訪問時には褪色が進んでいたので数年以内には再塗装されることだろう。

写真6-1, 6-2, 6-3 かつては正門を入り直ぐ右手付近に置かれていた(写真6-1/上)が、2023年3月に基地奥にあるF-104Jの隣に移設された(写真6-2, 6-3/中、下)。(上:2022年6月5日撮影、中、下:2023年6月4日撮影)

 

7. F-104J (36-8537, 34.0320N/131.5375E)上述の機体とは直線で300mほど離れたグランドに展示されている。基地祭時にはお見逃しの無いよう注意されたい。本機は1972年10月14日に新田原基地で事故を起こして用廃となり、その後各地で展示された。防府北基地に搬入されたのは1975年5月12日とされる(防府北基地資料館の年表より)。国土地理院の航空写真閲覧サービスの写真から展示当初より現在の場所に置かれていたようだ。2022年の公開時から翌2023年公開時までの間に再塗装され、この時にキャノピーは劣化防止のために黒色で塗りつぶされた。

写真7-1, 7-2 航空祭の朝、入場して一番に撮影したF-104J。この後は見学者が増え、綺麗な機体写真は撮りづらくなる。(上:2022年6月5日撮影、下:2023年6月4日撮影)

 

8. OH-6D (31313, 34.0340N, 131.5367E) 2021年3月26日付の防府北基地公式twitterにて展示されたことが発表された陸上自衛隊機。OH-6Dの最終号機でIRライトとFLIRターレット基部の残る機体だ。陸上自衛隊格納庫の脇に展示されている。ヒコーキ雲さんに投稿された2021年4月18日付の写真は仮置き状態であり、その後、数メートルほど後退した場所に展示場所を整備して展示したようだ(スキッドの下が整地されていることに注目)。

写真8-1, 8-2 2022年6月の航空祭が一般初公開となったOH-6D。(上:2022年6月5日、下:2023年6月4日撮影)

 

【展示後廃棄された機体】

1. T-34A (41-0296) 1976年1月17日に用廃、小野田市会館に展示された後、基地に移設された。1994年7月24日から2001年7月22日の公開時には機体が存在していた写真が残る。撤去日は不明。

 

2. T-34A (41-0309, 34.0311N/131.5412E) 1973年6月3日に第12飛行教育団で初めて用廃となった機体。当初は地上にあった(1995年7月22日には格納庫内でコクピット見学用展示機になっていた写真が残る)が、2003年7月20日公開時にはポールの上に据え付けられていた。2018年6月3日の防府北基地航空祭開催時には存在していたが、翌2019年3月末までに防大から移設された51-0372号機と入れ替えられてポールごと無くなった。

写真10 ポール上のT-34A。2018年度中に撤去された。(2010年6月6日撮影)

 

3. T-34A (61-0398) 1976年2月17日に用廃後、展示された。1994年7月24日の公開時に存在していた写真が残る。撤去日は不明。

 

【余談】

 当初の予定では2020年の航空祭を訪問して展示機をデジカメでキチンと撮影してくるハズだった(計画立案した当時、OH-6Dはまだ展示されていない)。しかしコロナの影響で2年続けて航空祭が中止となってしまった。1万人の入場者制限をかけて事前応募制として公開した2022年年度航空祭の当選通知が来たのは5月20日のこと。基地祭前日4日は入間基地ランウエイウォークに当選するかもしれないという期待と、LCCのセール日程の都合から前日の防府南基地の公開訪問はあきらめて予約をいれた。だがランウエイウォークは落選し、南基地公開(こちらも事前応募)は応募者が少なかったためか、直前になって先着千名の入場を可能とする旨のアナウンスを行った。さらに土曜日の天候は晴れたものの日曜日は小雨の吹き降りとなり、F-15のデモは中止となり、ブルーインパルスは三種目のみ実施(ワイドデルタパス、ソロナイフエッジパス、レベルキューピット)して終わった。さらに米軍F-16Cのデモはガンアクセスドアを開いたままで実施し、最後にはドアをどこかに落としてくるとというハプニング。”散々な結果”と言えなくもないが、なに、また行くさ。次回は土日で南基地祭の機体も撮るぞ!(追記:2023年6月4日に再訪しました。恐らく当分は行かないぞ!)

以上