<編集履歴> 22Apr.2024公開、24Apr.2024見直し更新(第1回目、見直し実施、写真追加)
<場所 Place> 宮城県柴田郡柴田町大字船岡字大沼端1-1
陸上自衛隊 船岡駐屯地 公式WEBサイト(GSDF Camp Funaoka)
<訪問日Visit> 07Apr.2024
<行き方 Access>
(1) JR東北本線「船岡」駅より、正門までは道なりに約1.8km、徒歩約25分。
※駐屯地祭当日には、船岡駅と駐屯地を結ぶ無料のシャトルバスが、概ね15~20分に一本の割合で運行される。詳細は訪問前に駐屯地祭の案内を参照すること。
<解説General>
(1) 第2施設団、第10施設群、東北方面後方支援隊(第105施設直接支援大隊)、第416会計隊、船岡駐屯地業務隊、東北補給処船岡弾薬支処などが駐留する駐屯地。ザックリいうと土木工事部隊の駐屯地。地雷の敷設/撤去も業務範囲に入るので、地味ながら特殊装備品の展示が"面白い”駐屯地祭となる。一般公開は例年4月上旬の桜の季節だ。
(2) 用廃機や用廃装備等は正門を入って左側に置かれている。祝典/展示会場となるグランドに向かう動線から外れているため、見学者は比較的少ない。光線具合は昼ごろから午後にかけての方が良いので、開門ダッシュで駆けつける必要は無いだろう。また、2024年4月の訪問時には展示装備周辺にはロープが張られていたので、お子様による「ジャングルジム」状態となることも無く、昼ごろに行ってものんびりと撮影できた。ただし61戦車と74式戦車は搭乗体験ができる”イベント”を催していたので、時々車体をよじ登る方がおられたが、数分も待っていれば十分に撮影できた。
写真1 正門を入って、左手にある用廃機/用廃装備群。(2024年4月7日撮影)
【展示機】
(1) OH-6D (31127, 38.0477N/140.7796E) 2004年4月の公開時には存在していた機体。銘板は確認していないが、操縦席計器盤のラジオコールで”JG1127”を確認している。機体左前に説明看板が接近して設置してあるので、機体の左ナナメ前から左側方にかけて「スッキリと機体だけ」のショットを撮ることはできない。
写真2-1, 2-2 展示されてから20年が経過したOH-6D。(2024年4月7日撮影)
(2) UH-1H(41694, 38.0476N/140.7796E) GoogleEarth-Proの2009年8月14日取得画像以降にて確認できる。銘板とラジオコールの有無は確認していない(全く忘れていた)。
写真3-1, 3-2 何の変哲もないUH-1Hだが、「これを撮る/撮ったという実績を作る」というだけの目的のため、ここまでやってきた。(2024年4月7日撮影)
(3) V-107A (51812, 38.0477N/140.7795E) GoogleEarthの2004年4月取得画像以降にて存在が確認できる。外周から標準ズームレンズで撮影できる位置にあるが、添付写真の通り、桜の樹が邪魔になる。
写真4-1, 4-2 機体右側面の写真(下)は駐屯地祭の開門前に、駐屯地外周に並ぶ列から撮影したもの。見ての通り手前の桜の樹が邪魔になる。無理やり撮らずとも、お昼過ぎまで待ってから、左側面を順光で撮るだけで十分だろう。(2024年4月7日撮影)
【装備品等の展示物】
(1) 61式戦車
写真5(2024年4月7日撮影)
(2) 74式戦車
写真6(2024年4月7日撮影)
(3) 92式地雷原処理ローラー 74式戦車の後方にさりげなく置かれている激レア装備。こを見るために船岡駐屯地に足を運んだマニアがいるとか、いないとか(一人知っているが・・・)。かつては74式戦車の前に置かれていたが、本来は支柱を介して74式戦車の履帯前に取り付け、地雷を踏み潰す装置。ローラー間には磁気発生装置を取付けて磁気に反応する地雷も処理するようになっていた。せっかくなので、キチンと装着した形態で展示して欲しいと思うけれど、もう支柱などの装備一式は残されていないのだろうなぁ。蛇足情報だが、74式戦車用の「92式地雷原処理ローラー」は見ての通り、"歯"が4列だが、90式戦車用の「92式地雷原処理ローラー(同じ名称なのだ)」は"歯"の数が五列になっている。
写真7 92式地雷原処理ローラー。74式戦車の前方に取り付ける地雷除去用のローラーがひっそりと置かれている。(2024年4月7日撮影)
(4) 75式130mm自走多連装ロケット弾発射機 (38.0474N/140.7799E)
写真8(2024年4月7日撮影)
(5) 60式自走106mm無反動砲 各地で見られる退役装備の一つ。
写真9(2024年4月7日撮影)
(6) 105mmりゅう弾砲
写真10(2024年4月7日撮影)
(7) 坑道掘削装置 山肌の岩盤をゴリゴリ削って陣地を作るためのゴツイ装置。(株)三井三池製作所製と聞いただけで、その性能と信頼性はありそうだと感じる(実は民生品の塗色換え)。2023年度末あたりで全機が引退したハズ。激レア装備なので、じっくり眺めてみよう。
写真11(2024年4月7日撮影)
(8) 94式水際地雷敷設装置 (38.0475N/140.7790E) 試作車と言われているが、銘板をみつけることができなかった。
写真12 94式水際地雷敷設装置(試作車)は、船岡駐屯地と東京(埼玉)の陸上自衛隊広報センター”りっくんランド”の二か所にて常設展示されている。 (2024年4月7日撮影)
【余談】
<訪問旅程>
2024年度の船岡駐屯地祭は青春18きっぷ利用期間中であったため、これを利用して木曜日に東京から一日かけて仙台まで北上(途中、仙台市電保存館と仙台空港見学)。金曜日に仙台から神町駐屯地の広報センターを見学、土曜日は霞目駐屯地祭を訪れ、日曜日に船岡駐屯地祭を楽しんでから帰京した。時間があり、カプセルホテルなど格安の宿を利用すれば、これでも新幹線を利用して(東京から)土日の一泊二日でやって来るより安くあげることができる。
<駐屯地祭>
(1) 2024年度の駐屯地祭では観閲式や、その後の訓練展示に参加するヘリコプターは38.0453N/140.7772Eのグランドを使って離着陸していた。手前に設けられた駐車場の一角から中望遠レンズで撮影ができたが、見ての通り逆光だ。また、こちらにいると訓練展示会場の様子は全く分からない。なお、この年は離陸したUH-1Jが訓練展示会場脇で地雷散布装置を取り付け、地雷散布デモを実施していたのだ!これは大変珍しい展示なのだが、「脇にいながら、全く目にすることができなかった」ことを事後に知り、おおいに悔しく思ったものだ。
写真13 ヘリパッドとして使われたグランドの一角にて。よっしゃぁ!この絵で満足!!と思っていた。が、訓練展示終了後にXなどの投稿を見ると、訓練展示会場では大変珍しい地雷散布デモを行っていたことを知り、愕然とする。 (2024年4月7日撮影)
写真14 94式水際地雷敷設装置の体験搭乗。水陸両用車なので、少し変わった「体験」ができる。 (2024年4月7日撮影)
<船岡駅脇の電気機関車と旧型客車(38.0590N/140.7669E)>
JR船岡駅の東側に隣接する公園には電気機関車 ED71 37号機と旧型客車オハフ61 2527号車が展示されているが、客車は屋根に穴が開き、窓は破れてボロボロだ。そろそろ撤去されると思われるので、「記録派」の方は早めに訪問してカメラに収めておこう。
写真15-1, 15-2 ED71 37号機とオハフ61 2527号車。オハフ61の劣化が激しい。 (2024年4月7日撮影)
<白石川土手の桜並木>
JR船岡駅から北に100mで白石川の土手となる。ここには桜の樹が数多く植えられており、大変見応えのある場所だ。駐屯地祭開催時期と桜の開花時期が重なっていたら、駐屯地祭のあとに訪ねてみよう。この時期は脇を走るJRの普通列車も桜鑑賞のために速度を落として走ってくれている。なお、2024年訪問時には時間の余裕が無く、JRの車窓から眺めるだけとなった。
以上