用廃機ハンターが行く!

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【雑談の雑談】FLIRを2基搭載したSH-60K

<編集履歴> 19Dec.2023公開、06Mar.2024見直し更新(第1回目、FLIRではなく映像伝送付加装置であることを追記)

 

【はじめに】

 先にSH-60K(救難仕様)の見分け方の話において「機首右側のFLIRの有無は通常の哨戒型と救難仕様機との区別には使えない」と書いたところ、胴体右側方パイロンにFLIRを取り付けた型もあるとのご指摘をいただいた。

【雑談】SH-60K(救難仕様)機の見分け方 - 用廃機ハンターが行く!

 この「胴体右側方パイロンに取り付けられた2基目のFLIR」は、後日、映像伝送付加装置HPA-2であろうと考えられた(詳細後述)が、そこに至るまでの間は「FLIR」と思って記事を書いていたので、以下の記事には、そのまま「FLIR」として記述する。誤解を招くかもしれないが、どうかご了承ください。

 

【2基目のFLIR(?)を搭載したSH-60K】 

 紹介された画像は海上自衛隊の公式サイトにある、SH-60K (8424号機)が護衛艦の飛行甲板から飛び立つ際のショット(もしくは着艦する際のもの。機体下部に拘束バーが見えているので、着艦時の写真かな?)だ。ここに写る8424号機には機首右側のFLIRの他に、胴体右側方パイロンにアダプターを介してもう一基のFLIR(?)を装着しているのだ。

 同じサイトに掲載された「8423号機の離艦(もしくは着艦)」シーンの写真には、直接にはFLIRは写っていないが、甲板に写る機体の影の様子から胴体右側方パイロンの後方にFLIR(?)とおぼしき丸い影がある。

・画像はこちら;

哨戒機「SH-60K」|航空機(回転翼)|装備品|海上自衛隊 〔JMSDF〕 オフィシャルサイト

 

 この8424号機の写真は、本Blogのコメントで指摘される以前にX上にて転載された写真を見ていたのだが、その時には「合成画像だろう」と相手にしなかったのだ(失礼いたしました>投稿者様)。今回、指摘されたことで改めて公式サイトの写真を拡大したところ、上述のように「確かにアダプターを介してFLIR(?)を装着している、合成ではナイ、真の画像」だと考えられた。

「FLIRを2基搭載したSH-60Kが実在していたっ!」

これには少々驚いた。

 FLIR搭載場所の再検証のための試行/試験か、現行のものとは異なる性能を有するFLIRの比較評価試験(例えばAN/AAS-44-N1とAN/AAS-44-N3の比較試験など)の際のショットではないかと思われる。この試験(だとすると)に使われた24号機(および23号機)は2004年予算取得分の機体のハズなので、それぞれの機体の初飛行は概ね3年後の2007年。このため、撮影されたのは2008年度以降ということになる。

念のため、2023年12月18日夜から19日にかけて、Flyteamさんに投稿されているSH-60Kの写真をザーッと眺めてみたけれど、FLIRを2基搭載した機体の写真は見つけることができなかった(ホントにザッと眺めただけなので、見落としがある可能性はあります)。

 

 これは一体、いつ頃、どこで撮影された写真よ?!>海上自衛隊さん

 結構な「お宝画像」を掲載しているでねぇの!!

・参考:2006年9月12日に投稿されたという2基のFLIRを装着したSH-60K (8404)

File:Japan Maritime Self-Defense Force butai01 - 12.jpg - Wikimedia Commons

 

 読者の皆様が撮影したSH-60Kの写真に「FLIRを2基搭載したSH-60K」がありましたら、いつ、どこで撮影した何号機であるか、お教えいただければ幸いです。用廃機本命の本Blog的には「雑談」扱いですが、記録(SH-60K運用史)として留めておきたいと思います。

 なお教育航空隊にてFLIRを2基装着した8424号機の別カット(恐らく同時に撮影したもの)をX上で使用していた例がありますね。

写真 魚雷を搭載して展示されることの多い胴体右後部のパイロン部分。ここにアダプターを介してFLIRを搭載していた例があった。(2015年7月26日、館山航空基地に撮影)

 

【FLIRではない。映像伝送付加装置HPA-2らしい】(2024年3月6日追記)

さて、上記記事を公開した後に読者からいろいろとお教えいただいた。その内容をまとめると次のようになる。

(1) 本装置はFLIRでは無く、映像伝送付加装置HPA-2(簡易な言葉でいうと機外カメラ装置)

陸上自衛隊のUH-1に搭載された映像伝送装置の兄弟分(海自版)ですかね?>現状での私の理解の程度デス。

(2) FLIRのように見えるのは望遠カメラターレット

(3) 全機にコネクターはあるものの、FLIRで事足りるので使われていない。

※使われていないだけで、配備はされているのかもしれない。ただし、その調達/配備状況は不明

(4) 読者から紹介された防衛省の公開文書によると搭載機種はSH-60JとSH-60Kとなっていた。このことから、2023年度末頃には全機が引退するハズのSH-60Jにも搭載事例があったものと思われる。

※SH-60J搭載時の証拠写真を探せ~っ!!>自分

 

<余談>

 写真を調べていくと、ミサイル警戒装置AN/AAR-60を付けずに飛行している機体が複数確認できますね。鹿屋の第212教育航空隊所属機が多いように感じました(しっかりと該当機数をカウントしたわけじゃない。あくまで感覚的なモノ)。大村でも見られるのは鹿屋の機体と交換する最中の撮影だからなのでしょうかね。ちなみに「付いてない機体」も、その後、「付いている」ことが確認されているようです(全機について確認したワケじゃない)。装置の整備も、やりくりしているのだろうなぁ、などと思っております。

以上