用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

UH-1J(41871)の解体@旭川駐屯地

<編集履歴> 14Dec.2023公開

 

 本Blogでは日常的に生ずる用廃機の解体公告については、都度の話題にはしないけれど、いくらか珍しい例が生じたので紹介しておく。

 対象となる公告は北部方面隊の調達情報のHPに掲載された2023年11月21日付で出された「多用途ヘリコプターUH-1J(解体条件付)」というものだ。その調達要領指定書を見ると「41871号機」が対象になっていることが判る。

https://www.mod.go.jp/gsdf/nae/fin/nafin/pdf/public_n/05/11/051122-343-n-tayouto.pdf

「そっかー、もう871号機が用廃になるのかー。早いなー。」などとノンビリ構えている人は用廃機ハンター「失格」である(笑)。

 

 この41871号機は2020年2月7日に旭川駐屯地敷地内において、吹雪の中で横転した機体だ。これが修復されずに用途廃止になった、というコトなのである。吹雪の中とはいえ、後日、番号が読み取れる写真が報道されたので、事故機が特定できた例だ。事故発生後、原因調査が終わり、廃棄処分の公告が出るまでに「約3年半かかった」ということが今後の一つの目安となるだろう。

 

さて「用廃機ハンター」としての目の付け所を復習しておこうか。

その1: 陸自ヘリは原則として関東補給処のある霞ヶ浦駐屯地に飛んで行って、そこで用廃になる。そして使える部品等を取り外してから解体処分される。当然、解体および売り払いの公告も霞ヶ浦(関東補給処)から出されるのである。

 これが「(古びた広報用展示機では無い)現用機」であるにもかかわらず、その解体と売り払いの公告が、霞ヶ浦(関東補給処)ではない、他の駐屯地から出されたという時点で「何かあったな」とピン!とこなくてはいけない。

【基礎編】用廃機の発生するところ - 用廃機ハンターが行く!

 

その2: 陸海空三自衛隊の解体および売り払いの公告を眺めると、機体番号まで記してある例は極めて少ないのだな。これは各種の公告を見慣れていないと分からないものなので、日ごろからボンヤリとであっても調達情報は眺めて、自らの目を肥やしておこう。

調達情報を読もう - 用廃機ハンターが行く!

 

その3.「旭川」でピン!、「機番が明確になっている」でピン!ピン!と来なくてはいけないが、こうなったら直ちに「旭川」「UH-1J」「機番」というキーワードで検索をかければ、何があったのか、すぐに判明するハズだ。いくつかのサイトをチェックして、該当する機番の機体に何が起こっていたのかくらいは自力で調べよう。現用機については当Blogでは取り扱っていないが、それでも幾分かの情報は各機種ごとの記事に記載していることもあるので、一応は目を通していただけるとウレシイかな(^^;)。国内ではFlyteamさんの投稿情報を見て、ある時点から全く投稿が無くなっているとか、海外サイト(例:オランダのScramble)のデータベースなどが参考になる場合もある。

陸上自衛隊 UH-1Jの用廃機 - 用廃機ハンターが行く!

Military Database

 

 

 今回の場合は「あの時、事故を起こした機体はどうなったかな~」と気にかけていたことがピン!とくるキッカケにもなっている。事故後に修復され、復帰したことが判れば、それでヨシ!でも復帰しなかったら、どうするの?(教材で使うか、広報用展示機にするか、廃棄するか)という目を持って、"数年に渡って"フォローしておくと、マニア的に面白いことが判るかもしれないヨ。

 

【蛇足情報】

12月13日付のヒコーキ雲さんの「日替メモ・本日の更新」情報にて、遠軽駐屯地にUH-1J初号機(41801)が訓練機として置かれていることが伝えられました。

【蛇足情報その2】

下総基地の調達情報を見ると、少し前まで屑鉄だったか廃棄物の処分の名目でP-3Cが出てましたね。Topで書いたように日常的に発生する用廃機の処分についてはフォローしていませんが、この記事を読んで用廃機処分の情報を探してみようと思われた方は手始めに探してみてください。

以上