<編集履歴> 31Oct.2023官公庁の機体のまとめ記事として公開、19Nov.2023消防使用機に限った独立記事へと見直し更新（第2回目更新）、05Mar.2024見直し更新（第7回目、写真追加）
ここでは全国自治体の消防部門で使われていた機体の展示／保管場所を紹介する。
【まとめ】（2023年12月5日調査時点）
国内7か所に合計9機のヘリコプターが展示もしくは保管されている（キャビン部のみの展示を含む）。固定翼機はこれまで導入されたことはなく、したがって展示機も存在しない。
【消防ヘリの展示機一覧】
以下にその詳細を、おおむね北方から南方の順に記載する。なお日本ヘリコプター歴史協会さんが埼玉県東松山市内に多数の機体を所有しているとのことだが、詳細が分からないため、「現状不明」項目の中に記載することとし、カウントには含めない。
※JA登録抹消日および製造番号はJASearchさんのサイト情報によるものです。ヒコーキ雲さんにも記載はありますが、両者の照合は行っていません。
(1) アエロスパシアル SA330F (JA9512, cn.1141) 1988年 8月17日付で登録抹消された東京消防庁”ゆりかもめ”が、成田空港近くの航空科学博物館に展示されている。
写真1 成田航空科学館に展示された東京消防庁の”ゆりかもめ”。（2018年2月17日撮影）
(2) シュドSA316BアルウェットIII (JA9121、cn. 2000）1990年11月2日付で登録抹消された東京消防庁”みずたま”が、東京消防庁本部庁舎に展示されている。
【東京都】東京消防庁本部庁舎のアルエットIII - 用廃機ハンターが行く！
写真2 東京消防庁本庁舎にある”みずたま号”。なぜか愛称は消されている。（2020年12月10日撮影）
(3) 東京都 新宿区四谷の消防博物館 (35.6882N/139.7200E)
1) シュドSE3160アルウエットIII (JA9020, cn.1376) 1983年2月3日付で登録抹消された東京消防庁"ちどり"
写真3-1 東京四谷の消防博物館の”ちどり号（初代）”。（2016年2月13日撮影）
2) シュドSA316BアルウェットIII (JA9071, cn.1877) 1988年8月17日付で登録抹消された東京消防庁"かもめ"
写真3-2 東京四谷の消防博物館の3階屋上には”かもめ号”が置かれている。（2016年2月13日撮影）
3) アエロスパシアルSA365N (JA9569, cn.6029) 1997年6月3日付で登録抹消された東京消防庁二代目"ちどり"のキャビン部とテール部のみが展示されている。
写真3-3 東京四谷の消防博物館のドーファン”（二代目）ちどり号”はキャビン部と尾部だけの展示だ。（2016年2月13日撮影）
(4) シュドSA316BアルウェットIII (JA9146, cn.2251) 1993年6月3日付で登録抹消された大阪市消防局の”おおさか2号”。生野防災センターに展示されていたが2008年には閉鎖にともない展示中止。2018年にヘリコプター歴史保存協会さんが埼玉県東松山市に移設して保存。2023年末頃から2024年初頭頃に印西市の科博廣澤航空博物館に移設されるとのウワサがあるも詳細は不明。ちなみにヘリコプター歴史協会さんの保存機紹介のページでは本機の製造番号を”6617”としているが、”2251”が正しいものと思われる。
(5) アエロスパシアルSA365C1ドーファン (JA9557, cn.5044) 1996年7月11日付で登録抹消された名古屋市消防局の機体のキャビン部のみが、名古屋市港防災センターで展示されている。
【愛知県】名古屋市防災センターのドーファン - 用廃機ハンターが行く！
写真4 名古屋市港防災センターのドーファン。（2024年1月8日撮影）
(6) アエロスパシアルSA365N1ドーファン (JA9673, cn.6290, 34.9734N/135.7464E) 2005年8月17日付で登録抹消された京都市消防局”ひえい”が、京都市市民防災センターに展示されている。
【京都府】京都市市民防災センターのドーファン - 用廃機ハンターが行く！
写真5 京都市市民防災センターのドーファン。（2024年1月8日撮影）
(7) シュドSA316BアルウェットIII (JA9136, cn.2214, 33.5894N/130.3556E) 1996年4月15日付で登録抹消された福岡市消防局"ふくおか2号"が、福岡市民防災センター内に展示されている。
【福岡県】福岡市民防災センターのアルエットIII - 用廃機ハンターが行く！
写真6 福岡市民防災センター内にある”ふくおか２号”。（2021年6月26日撮影）
【展示後廃棄もしくは現状不明】
(1) シュドSE3160アルウエットIII (JA9027, cn.1516) 1985年12月13日付で登録抹消された東京消防庁の"ひばり2号”。用廃後に東京都立科学技術大学（現 首都大学東京）の教材となっていたが、1993年に廃棄されたようだ。機体は各務原市内に持ち込まれ、2016年1月時点では放置状態となっていた。その後の情報はなく、現存するかどうかは不明だ。
(2) シュドSA316BアルウェットIII (JA9093, cn.1988) 1991年9月19日登録抹消された名古屋市消防局の”なごや号”。岐阜かかみがはら航空博物館にて開館初期の頃に展示されたが、試作機・実験機の展示を主とする当博物館の展示にふさわしくないとの理由で格納。2016年7月にはヘリコプター歴史保存協会さんに引き取られた。現在は埼玉県東松島市の倉庫に保管中といわれるが、2023年12月5日に閲覧したHPの「保存機紹介」には記載されておらず、現状は不明だ。
写真7 かつて岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に展示されていた頃の”なごや号”。現状は不明だ。（2008年1月3日撮影）
(3) シュドSA316BアルウェットIII (JA9072, cn.1887) 1992年6月1日付で登録抹消。京都市民防災センターに展示されていたが、2005年8月以降は現在展示中のJA9673に置き換えられ、倉庫保管となった。2022年8月末にヤフオクに出品されていたが、その後の状況は不明。
(4) 川崎ヒューズ369HS (JA9069, cn.6619) 1988年3月22日付で登録抹消された神戸市消防局の機体が、神戸市立青少年科学館に展示されていたが、2021年度末頃に倉庫に格納され、現在では非公開。今後、展示再開の話は見つけていない。
以上
