用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【まとめ】民間機の展示機(グライダー編)

<編集履歴> 23Nov.2023公開、28Jan.2024見直し更新(第6回、NP-100展示場所変更)

 

【はじめに/概要まとめ】

 本記事では国内に展示されているグライダーを紹介する。

 現在、国内の17か所に合計30機のグライダーが展示、もしくは保管されている。この数字の中には「動体展示」となっている旧式グライダーは含んでおらず、純粋に「飾ってある機体(および飛ばすことのない保管機)」の機数だ。

【収録範囲の定義】

・本記事では国内に展示、もしくは飛ばすことなく保管されているグライダーを紹介する。

・グライダーには無動力のもの、補助的な動力を有するもの、いわゆる「モーターグライダー」を含む。(航空法上の分類については現状では調べていない。感覚で書いている)

・本記事では次の機体については取り上げない:

 1) 動態飛行展示を行うことができる旧型グライダー

 2) 人力飛行機

 3) ハンググライダー、パラグライダーおよびモーターパラグライダー

 4) 鳥人間コンテスト出場機

 5) レプリカ機(主にリリエンタールのグライダー)

 

【グライダーの展示場所一覧】

<北海道>

(1) インタープリンダラ・デ・コンストルクティーアエロノウティテェ・ブラソブ  IS28B-2 (JA28YR, cn.301) 

 滝川駅前に展示。ただし冬季は格納され、見ることはできない。

写真1(2022年6月9日撮影)

 

(2) 滝川市たきかわスカイパーク

 1) 萩原H-23C-3 (JA2055, cn. 69) 

 2)霧ヶ峰はとK-14 (JA0090, cn. 21)

(3) 萩原H-22 (JA0084, cn. 14) 滝川市子ども科学館分館(閉館)に放置

(4) レット・ナドニー・ポドニク・クノビーチェL-13 (JA2227, cn. 027010)  苫小牧市子ども科学館に1999年から展示(2022年7月訪問確認)

写真2(2022年7月24日撮影)

 

<東北>

(1) プライマリーグライダーHAYABUSA (JA登録無し) 三沢航空科学館

写真3(2022年7月26日撮影)

 

<関東甲信越>

(1) レット・ナドニー・ポドニク・クノビーチェL-13 (JA2231、cn. 027011) 群馬県、道の駅よしおか温泉に2004年から展示(2022年確認)

(2) 栃木県 帝京大学宇都宮キャンパス

 1) 日飛ピラタスB4-PC11AF (JA2279, cn. 1005) 

写真4(2022年11月5日撮影)

 

 2) 日飛ピラタスB4T (JA登録無し) 日飛が1機だけ製作した複座グライダーであり、お宝的な存在だ。

写真5 国内で1機だけ製造された日飛ピラタスB4T複座グライダー。大学研究室には無造作に「お宝」が転がっているので侮れない。(2022年11月5日撮影)

 

(3) 日本飛行機株式会社 NP-100A (JQ2001) 茨城県 ザ ヒロサワ シティ内の科博廣澤航空博物館(2024年2月11日開館予定)に展示。飛行試験後は個人コレクターが所有していたが、2001年頃から日本飛行機(株)杉田工場に返還され、保管されていた機体。

(4) レット・ナドニー・ポドニク・クノビーチェL-13 (JA2146, cn. 174327) 2016年1月19日登録抹消。調布空港内のプロペラカフェ隣接格納庫内(35.6695N / 139.5302E)

(5) レット・ナドニー・ポドニク・クノビーチェL-13 (JA2220, cn. 026937) 登録は抹消されていない。JR千葉駅近くのビル屋上(35.6103N / 140.1182E)

写真6(2023年11月27日撮影)

 

(6) 霧ヶ峰はとK-14 (JA014B, cn. 043) 所沢航空発祥記念館に2006年以前から展示。

写真7(2021年4月15日撮影)

 

(7) 萩原H-32(JA2050) 関宿滑空場の格納庫内に保管。初飛行は1964年、レストア後の最終フライトは2010年5月15日。総発行回数5,490回、総飛行時間1,019時間28分。

(8) 霧ヶ峰グライダーふれあい館

 1) 霧ヶ峰はとK-14 (JA0068, cn.14) 

 2) 霧ヶ峰鷹七 (JA2011, cn. 18)

 3) 霧ヶ峰とび1 (JA0141, cn. 39)

 4) 萩原H-23C-2 (JA2064, cn.78)

霧ヶ峰グライダーふれあい館には数機の現用グライダーも格納されている。

 

<東海北陸>

(1) 静岡理工科大学航空資料館に展示

 1)三田3改1 (JA2103, cn. 69-17) 

 2) レット・ナドニー・ポドニク・クノビーチェL-23スーパーブラニク (JA2480, cn. 90-7622)

 3) グローブ・スピード・アスティアーII (JA2249, cn. 4001)

(2) ヴァレンティン・タイフーン17E ((JA2378, cn. 1089) 静岡理工科大学袋井キャンパス内(34.7390N / 137.9587E )

(3) 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

 1) 日本大学N-70 Cygnus (JA登録なし) 日本大学が1972年に製作したモータグライダー。

 2) 軽飛行機SS-2 (JA2114, cn. 69-23) 収蔵庫に保管中

 3) 萩原H-23BA-2 (JA2023, cn. 23) 収蔵庫に保管中

 4) 萩原H-23C-2 (JA2077, cn. 88) 収蔵庫に保管中

 5) 三田式3改1 (JA2091, cn. 67-7) 収蔵庫に保管中

 6) 三田式3改1 (JA2176, cn. 74-48) 収蔵庫に保管中

 7) 三田式3改1 (JA2080, cn. 66-2) 収蔵庫に保管中(2016年7月9日に落下破損)

 

<近畿>

(1) WSKスウィドニクSZD-30ピラト (JA2225, cn. S-06.47) 大阪市立科学館に2004年から展示。ただし現在は2024年夏までの予定でリニューアル工事中で見学不可。再公開後に展示されるかどうかは不明。

 

<中国四国> 展示機の報告をみつけていない。

<九州沖縄> 展示機の報告をみつけていない。

 

【展示後撤去/現状不明】

(1) 日飛ピラタスB4-PC11AF (JA2275, cn. 1002) 東京都立産業技術高等専門学校科学技術館 私自身は確認していない。もしかしたら、壁の脇に置かれていたJAナンバー不明の細長い主翼が、この機体のものかもしれないという程度の認識はある(後述のSZD-48のものかもしれない)。

(2) PZL-ビエルスコSZD-48 (JA2247, cn. W-885) 東京都立産業技術高等専門学校科学技術館、2016年訪問時には置かれていたが、その後は行方不明。どこかに収納しているのだろうか?キチンと尋ねれば答えていただけれるかと思うが、今のところは、そこまでお手数をおかけするつもりはない(以下、全ての案件について同様)。

写真8(2016年3月25日撮影)

 

(3) レット・ナドニー・ポドニク・クノビーチェL-13 (JA2235, 026931) 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館にリニューアル前に存在していたが現状不明。

(4) 防大B-5 (JA2084) 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に展示後、2011年秋に防衛大学校に返却。現状不明。

(5) プライマリーグライダー(JA登録なし) 久留米工業大学実習棟内にあるとのことだが、2022年夏に福岡市科学館で開催された特別展で展示された後の現状は不明。

以上