用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【北京】中国航空博物館

<編集履歴> 19Mar.2019公開、08Dec.2021見直し更新(第2回目、写真と情報追加)

<場所 Place> 中国航空博物館  

<座標 Location>     40.1825N, 116.3592E

<機体 Aircraft>  一説に400機以上。ただし丸々一機を展示しているのは200機程度。 

<行き方 Access>

(1) 地下鉄5号線の終点「天通苑北」駅前の市バスターミナルより643路バス(始発)に乗車し、30~50分程度「航空博物館」で下車。北北東に延びるコンクリート製道路を約1.4km歩く。電動車などの移動手段があることもあるがボッタクリ価格。

(2) 地下鉄昌平線沙河駅下車。北側を東西に走る大通りから945路に乗車し、北東方向へ15~20分程度で「航空博物館」に到着する。その後は上述の通り博物館まで歩く。 

<解説General> 

(1) 北京天安門の北約30kmにある世界ランキング4~8位程度に入る超大型航空博物館。ちなみに世界ランキング1~3位はランク付けを行う団体や評価項目によって異なるが、概ねアメリカのスミソニアン航空宇宙博物館、アメリカ空軍博物館、アメリカPIMAの博物館、パリの航空宇宙博物館、ロシアのモニノ博物館あたりだ。もともとは山をくり抜いて沙河基地の戦闘機を格納する場所として使われていた場所だが、1990年代半ばに博物館として開館した。その後も区画整理(展示機の整理)や展示館の増設を続け、今の形に落ち着いたのは2010年頃だが、その後も年ごとに変化が生じている。以前は「中国空軍博物館」と称していた。

(2) 現在では入門料無料だが、展示館や山の中をくり抜いたトンネル内の展示を見るにはそれぞれ20元の入場料が都度必要となっている。

(3) 博物館の保有機数は古い機体から最新鋭機(実物大模型)まで、他の博物館に貸し出し中の機体や大小のパーツを含めて400機分あまり・・・と言われている。GE-Proの2020年8月3日取得画像に見える機体を数えると144機を確認できた(内訳:小型機72機、大型機32機、ヘリコプター15機、整備・用廃機エリア25機)。トンネル内(15機以上)と展示館内(22機以上)を合わせると「フルサイズ実機」の展示数は恐らく200機程度だろう。見どころだらけなので本Blogでは「屋外展示(小型機)」「屋外展示(大型機)」「屋外展示(ヘリコプター)」「展示館」「トンネル内展示機」の5つのカテゴリーに分け、2~3機程度ずつ紹介するに留める。

(4) 機体解説は中国で最も権威のある機関としての見解を記しているが、1980年台以前の細かな日時やプロジェクト進行状況の記録記載などは本当だろうかと個人的には疑っている。他に検証のしようがない国なので引用はするけれど「党大会で歴史を決める国」であることを忘れてはいけない。

(5) 見学の際には入口から一回りするだけでも最低3.6kmは歩く。ゆっくり歩きながら時々機体の説明を読むだけで約2時間は必要だ。休憩を入れれば半日程度はかかるものと見込んでおこう。模型を作るとか撮影アングルに凝りたいとか、構造を確認したい向きは2日以上、真面目に見学するなら10日以上は必要だ。

(6) 敷地内に食堂や売店があるが、展示場所から遠くなることが予想されるので、軽食や飲料は持参することをお薦めする。

(7) バス停から博物館までのコンクリ―ト製道路は沙河基地に接続するかつての誘導路だ。

【屋外展示機(戦闘機等の小型機)】

 戦闘機や単発の小型輸送機などの「小型機」の屋外展示機はGE-Proの2020年8月3日取得画像によると72機あった。木陰にあるなどで計数できなかったものがあるかもしれない。適宜入れ替えも行われているだろうから「おおむね70機程度」としておこう。

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写真1 中国各地に展示されているJ-5だが、ズラリと並ぶその姿は壮観。写真には写っていないが手前の方にはMiG-15も混じっており、総数29機を確認している。訪問時期により数機程度は変わっているかもしれない。訪問したら丹念に数えてみよう。(2011年11月5日撮影)

 

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写真2 中国が初めて独力で開発したジェット戦闘機南昌J-12。1970年ごろに5機が作られたが採用には至らなかった。トンネル内にも1機が展示されている。(2011年11月5日撮影)

 

【屋外展示機(大型機)】

 H-5以上の大きさの機体を大型機としておく。屋外展示機はGE-Proの2020年8月3日取得画像によると32機あった。

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写真3 中国製ドローン「無偵-5(DR-5)」を左翼下に吊下げたTu-2。かつては両翼に各一機を吊下げていたが、現在では右翼下の機体は外され、展示館内に移されて公開されている。(2011年11月5日撮影)

 

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写真4 少数が作られただけで終わったSH-5飛行艇。(2011年11月5日撮影)

 

【屋外展示機(ヘリコプター)】

屋外展示機はGE-Proの2020年8月3日取得画像によると15機あった。バリエーションは少なく、Z-5、Z-6、Mi-6,Mi-8ほか1機種(不明)程度だ。

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写真5 Mi-6。中国人民解放軍陸軍および中華民航にて少数の使用実績があり、3機が墜落しているという。写真の0122号機は中国陸航1団の塗装なのだそうな。(2011年11月5日撮影)

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写真6 ここには3種類の塗装の異なるZ-5が展示されている。(2011年11月5日撮影)

 

【展示館】

 レプリカと思われる最新戦闘機からH-6爆撃機無人偵察機や撃墜した米軍機の残骸など、「機体」と言えるものは22機以上ある。

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写真7 展示館内の様子。(2011年11月5日撮影)

 

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写真8 アメリカの無人偵察機D21の残骸。ステルス戦闘機開発の回想録を描いたベン・リッチの著書に本機の顛末が描かれている。(2011年11月5日撮影)

 

【トンネル内展示機】

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写真9 各国から入手した機体が複数ある。これはエジプトから入手したMiG-23MS。(2011年11月5日撮影)

 

以上