用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

国内の主要な航空機展示施設

 日本国内の「主要な航空機展示場所」をまとめてみよう。

<定義・条件など>

1.まず何をもって「主要な」とするかという「定義」だが、本Blogでは「展示機数が実機で5機以上ある、一般人がたやすく見学可能な施設」ということにしておく。簡単に言えば「休日に子供を連れて行くことができて、一度にたくさんのヒコーキが見られていいな!」と感じられるような場所だ。「実機で」という言葉をいれたのは、複製のゼロ戦などは含めないという意味がある。もちろん国内には一機しか展示していなくても、それが大変貴重な一機であるような展示場所も多数あるが、ここは「子供連れで行って、そこそこ楽しめる」という要素を最重要視し、「学ぶための博物館」的な要素は二の次にしておく。まぁ「一機しかない貴重な機体」を求めるレベルの方は、こんなサイトを見なくても自分で探して行っちゃうので、わざわざ書くこともなかろう、ね?

なお航空自衛隊岐阜基地のように自衛隊基地敷地内に5機以上展示してあっても、容易に近づくことができない場合は取り上げないが、一般公開することを目的とした航空自衛隊広報館と鹿屋基地史料館、そして基地ゲートに飛び込みで訪問しても簡単な申請のみで見学ができる百里基地雄飛園はここに含めることにする。一方で一般公開を前提としていない個人コレクション(具体的には山梨県身延町の個人宅にあるF104J, T2, T6, T33A, OH6J, KV107IIのこと)は含めないことにした。

さらに「1機」には機体の大部分の展示、あるいは機体前半部(主としてコクピット部分)の展示を含むものとした。

 

<「主要な」展示場所>

さて、上記のような条件付けをしたところ「5機以上が展示されている主要な航空機展示場所」は全国に13か所存在するという結果になりました。それらをおおむね北から南の順に紹介してみよう。(番号は連番)


【主要な航空機展示場所一覧】

<北海道> 存在しない

<東北>
1. 青森県 青森県立三沢航空科学館 

https://www.kokukagaku.jp/

【展示機】屋内展示5機、屋外展示11機、レプリカ4機

【コメント】展示機の質・量ともに良好な博物館だが、車がないと行けない。安く行くなら市内循環バスで空港近くまで行き、そこから約1時間歩く。私は冬の平日、雪の中を三沢駅から片道2時間近くかけて歩いて往復したことがある。週末には駅から博物館まで行くバスがあるようだが本数が少ないので最新情報を得て利用すること。

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写真1 三沢航空博物館のUP-3C。(2014年2月1日撮影)


2. 福島県 オールドカーセンター・クダン

http://www.kudan.co.jp/oldcarcenter.html

【展示機】屋外展示:B-65, F-86F, F104J/DJ(合計3機分), L-19E, RF-4EJ(機首部のみ), KM-2, T-2(機首部のみ、非公開), T-6, T-33A, UH-1Bの小計12機、屋内展示:OH-6J, KH-4, TH-55J,の小計3機、合計で15機

【コメント】古い(カッコイイ)車の展示がメインの施設だが、それらについては本Blogでは一切触れない(笑)。主にスクラップとなった自衛隊の払下げ品を入手し、それを再度組立てて展示している。東京からはなんとか日帰り圏だが、東北方面の旅行のついでに訪問すると良いだろう。

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写真2 Old Car Center Kudanの展示機。(2019年8月24日撮影)

 

<関東・甲信越

3. 茨城県 百里基地雄飛園

https://www.mod.go.jp/asdf/hyakuri/

【展示機】F-1, F-4EJ改, F-86D/F, F-104J, RF-4E, T-2B.I., T-33A. 合計8機

【コメント】基地ゲートで見学を申し込むと容易に見学できるが、平常時かつ日本国籍を有する者に限る。「平常時」というのがクセ者なので、確実に訪問したい場合には事前に基地に電話して確認しよう。

 なお近隣の茨城空港には2機のファントムがあり、また近くの運動公園にT-33Aがあるのでこちらも同時に訪問しよう。2020年初頭には元B&G海洋センター跡地にUH-1Hが放置されていたので、こちらも同時に訪問すると効率が良い。

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写真3 百里基地雄飛園のRF-4E。(2013年9月8日撮影)

 

4. 千葉県 大慶園 5機

http://www.daikeien.jp/index01.html

【展示機】F-15J(操縦席部分のみ), F-104(機首部、胴体部、尾翼), Bell 47G, R-22など

【コメント】ゲームセンターやゴーカートなどがあるアミューズメントパーク。屋外には世界で唯一、空中戦で撃墜されたF-15の機首部があることで世界的に有名な娯楽施設。館内には民間ヘリが展示されているが、博物館的な展示状況を期待して訪問すると失望する。娯楽施設の「置き物」と割り切って見学すること。最寄り駅から徒歩20-40分程度。

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写真4 大慶園のアトラクション館内にあるR22。(2019年4月7日撮影)


5. 東京都 東京都立産業技術高等専門学校科学技術展示館

https://www.metro-cit.ac.jp/community/pavilion.html

【展示機】民間小型機や自作機を中心に15機。

【コメント】教材機を月一回程度の平日に一般公開している。公開日はHPで確認すること。展示を目的とした施設ではないため、乱雑であったり埃をかぶっていたりするが、貴重な機体が多いので一度は訪問して見ておきたい場所だ。

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写真5 東京都立産業技術高等専門学校の機体。(2016年3月25日撮影)


6. 埼玉県 所沢航空発祥記念館

https://tam-web.jsf.or.jp/

【展示機】駅前のYS-11、公園のC-46および非公開の収容機を含み32機、レプリカ5機。

【コメント】「国内唯一の」陸上自衛隊機が数多く展示されている。収容機の中には20年以上も人前に出していない機体があり、管理・運営に問題があるのではないかと思っている。 

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写真6 このT-1Bは保管庫に入れられ、現在では見ることができない。


7. 山梨県 河口湖自動車博物館

http://www.car-airmuseum.com/

【展示機】ゼロ戦や隼、一式陸攻などの復元機、F-86F、F-104DJ、 C-46、T-33Aなど「機体」と確認できるもの26機。

【コメント】公開は夏季限定なのでHPで開館時期を確認して訪問すること。また撮影や画像・映像公開に条件があるので事前によく確認すること。

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写真7(2019年8月20日撮影) 

 

<東海・北陸>
8. 静岡県 航空自衛隊浜松基地広報館

https://www.mod.go.jp/asdf/airpark/

【展示機】航空自衛隊で使用した機体など27機、レプリカ1機、FSM1機

【コメント】 一国を代表する「空軍博物館」なのだが・・・。自国で戦闘機などを開発する能力があるのだからさぞや、と期待してはいけない。マレーシア空軍よりマシだと思っている(マレーシア空軍博物館は予算難が続き、2016年頃には閉鎖されている)。

2021年度には屋内地上部分の展示機を9機にまで減じ、国内に一機しかない貴重なバンパイヤなどは非公開とする予定なので、早めに訪問して見ておこう。

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写真8 浜松広報館(208年8月13日撮影)

 

9. 静岡県 喫茶飛行場

【展示機】F-86D, F-104J, T-1B(2機分), T-33A, MU-2Sの6機分。

【コメント】 T-33Aは丸々一機あるものの、その他は基地や公園などから廃棄された機体の機首部のみ。かつてはF-1やHSS-2の機首部もあったが、数年後には閉店させる予定だそうで、展示機は売り出し中とのこと(機種や状態により異なるが数十万円程度、輸送費別だとか)。浜松駅から近くまでバスの便がある。最寄りのJR高塚駅から徒歩20分くらい。

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写真9 数年後には閉店させる予定だとか。訪問はお早めに。(2016年3月12日撮影)


10. 愛知県 あいち航空ミュージアム

https://aichi-mof.com/

【展示機】MH-2000(2機), MU-2, MU-300, EH-101, YS-11P、自作機など7機。ゼロ戦のレプリカもある。

【コメント】展示内容に比べて入館料が高い。どのような収支計画をしているのかわからないが、隣接するショッピングモール訪問者を十分に取込む努力はしていないように思える。「入場料金を1/3に落として入場者数3~5倍、入館料収入1.5倍」程度を考えてよいのではないだろうか。名古屋空港小牧基地を発着する「活きた」航空機を撮影するには絶好の場所だ。三菱スペースジェットの試作機や航空自衛隊のF-4EJ初号機の入手を希望しているようだが、どうなるかは未定。

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写真10 あいち航空ミュージアムのMU-300ほか。(2018年8月18日撮影)


11. 岐阜県 岐阜各務ヶ原航空宇宙博物館

http://www.sorahaku.net/

【展示機】収蔵庫の未公開機を含めて50機、FSM/レプリカ4機

【コメント】各務ヶ原で生まれた機体を核とした国内最高レベルの本格的航空博物館だが、その志はいつまで続くだろうか。横山晋太郎著「航空機を後世に遺す」(グランプリ出版、2018年5月)を一読して訪問するとなお良い。またボランティアの小山氏のサイトも一読の価値あり。

小山氏のサイトURL: http://koyama-s.la.coocan.jp/KASM_volunteer/

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写真11 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館展示機(2019年11月11日撮影)


12. 石川県 石川県立航空プラザ

https://komatsu-ccf.com/navi/?mode=office&office_no=5&sub_mode=plant&func=info&plant_no=20

【展示機】F-104J, T-2B.I., T-3, T-33A, HSS-2B, KM-2, OH-6D, 民間小型機やハンググライダーなど、合計17機、レプリカ・FSMは2機。

【コメント】

日本海側にある唯一の航空博物館だが、新幹線の金沢延伸により目の前にある小松空港利用者が激減。これに伴い入館者も大きく減っているハズだ。ネット上のコメントを見ると冬季は子供の室内遊技場として重宝されているような気がするが、展示内容を充実させ、本来の観光客・見学者増につなげることが重要だろう。F-2B(機首部モックアップ)、X-2の事前評価モデル(ラジコン機)、B-747政府専用機の貴賓室展示など、地味に面白いものを展示しているが、ネット上での評価はいま一つ。なお基本は市の総合施設に「機体を置いているだけ」であって「航空博物館」ではないし、博物館的な運営はやらないのだという悪評もネット上で目にしている。入場無料は嬉しいのだが、大人300円程度の入場料を取れば博物館的な運営モチベーションも上がるかと思うのけれど・・・。

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写真12 航空プラザのT-33A。(2018年9月18日撮影) 

 

<近畿>

13. ミツ精機株式会社 翼の広場(展示場を含む)

【展示機】F-1, T-1B, T-3, LR-1, OH-6D、KV-107II、UH-1Hの7機

【コメント】

 淡路島の精密機器メーカーが企業内教育と文化活動の一環として機体を展示している。開館は平日(月~金)の0800-1700、土日は休館(一企業内の展示場なので会社がお休みの時には休館となる)、入場無料。西日本エリアでは随一の航空機展示場だ。機体は非常に良好に保管・展示されており、その企業努力に頭が下がる。飛び込み見学ができるが、可能なら事前に電話で連絡をいれておくと良いだろう。休日でも機体の一部は外周から記念撮影レベルで撮影はできるが、外周の植樹が入る。

http://www.mitsu.co.jp/wp-content/uploads/2018/07/%E7%BF%BC%E3%81%AE%E5%BA%83%E5%A0%B4%E3%80%80web.pdf

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写真13 ミツ精機のF-1。保管状況は屋外展示にも関わらず国内最良レベルだ。(2019年10月7日撮影)

 

<中国> 存在しない

<四国> 存在しない

<九州・沖縄>
14. 鹿児島県 海上自衛隊鹿屋航空基地史料館

https://www.mod.go.jp/msdf/kanoya/toukatu/HPzairyou/1-8siryoukann/1-8siryoukann.html

【展示機】屋内展示3機、屋外展示15機の合計18機

【コメント】

極めて貴重な二式大艇が屋外に展示されている。国内に一機しか残されていない極めて貴重な海上自衛隊の機体も屋外に展示されている。台風上陸時には勢力の強い範囲になるエリアなので被害にあう可能性が高く、近い将来にはなくなる機体が生ずることだろう。屋内にはゼロ戦も展示されている。

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写真14 鹿屋基地史料館には多くの貴重な機体が屋外に展示されている。(2020年3月10日撮影)

 

【余談1】

 各地にある航空専門学校や航空工学科のある大学等の学園祭の時には複数の教材機が展示されることがあります。たいていは年に一度、10-11月ごろの週末だけのイベントですが、機会があれば訪問すると良いでしょう。

 

【余談2】

北海道、近畿、中国、四国、九州、および沖縄には、それなりの場所に航空機展示場を作れば集客できそうですね。別稿で取り上げている岩国市の飛行艇博物館は拡張・拡大解釈し、さらに予算が許せば、地理的にも面白い集客施設になりそうな気がしています。

 

以上 

編集履歴

21Jan.2020 「小松にファントムを!」の一部としてBlog公開

01Jun.2020 体裁を改め、定義を見直すなどして公開

05Dec.2020 見直し更新(第4回目、字句表現など修正、加筆)