用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【KL】空軍博物館(閉鎖済、記録)

<編集履歴> 12Jun.2020公開、06Jan.2022見直し更新(第5回目、写真追加)

 

 KLの空軍博物館は2016年5月1日より突然閉鎖された。ここではかつて存在した博物館の様子を記録として紹介する。なお2021年以降、一部の機体は空軍士官学校内に作られる新たな博物館へと移転され始めている。

<場所 Place> RMAF Muzium (TUDM KL/ Sungai Besi基地内)

<座標 Location> 3.1176N,  101.7044E

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写真1  テブアン、F-5E、A-4PTMが屋外に並んでいた。(2014年6月21日撮影)

 

<訪問日 Visit> 07Oct.2012, 23Sep.2013, 21Jun.2014ほか

<行き方 Access>

1. KL Sentral駅からタクシーで13RM、10分程度。Sungai Besi基地ゲートを入ってすぐ左折すると博物館の入口だった。タクシーの運転手が「基地内に入っちゃうけれどいいのか?」と何度も確認してきたっけな。ただし帰りのタクシーは無い。高速道路Jl.Istanaの道路わきを1㎞ほど北に歩き、適当な小道に入りバスかタクシーで市内中心部に戻る。

2. 鉄道のChan Sow Lin駅から徒歩で約2㎞だが、高速道路Jl.Istanaを渡る手段がない。3車線分を走って渡ったが大変危険だった。このルートは使わない方が良い。

<解説General>

1. 1970年代からTUDM KL(クアラルンプール空軍基地、ローカル地名からSungai besi基地ともいう)の一角に存在することが知られていた空軍博物館。70-80年代は博物館とはいえ展示物はほとんどなく、また運営資金も無かったために墜落したF-5Eの残骸が展示されていたことで有名(?)であった。墜落機の展示は、それはそれで貴重だったが80年代後半頃には撤去されたようだ。

2. TUDM KL(基地機能としての存在)は2016年頃には移転した。これとともに博物館は2016年5月1日より事前通知なしに閉館されている。Sungai Besi基地・空港跡地はオフィス街に再開発されることになっており、2020年6月時点でGE-Pro画像を見ると、かつての基地内の建物は全て取り壊されて整地が進んでいる。再開発計画事業名Bandar Malaysiaで検索すると、いくつかのトピックが現れるので興味ある方は探ってみよう。

3.  博物館にあった機体の大部分は2020年6月時点では隣接するSungai Besi空港の屋根付きの覆いの下(3.1176, 101.7044)に置かれている。2016年9月時点では警察航空隊の管轄エリアであるため団体見学者のみ見学可能とのアナウンスがあったが、現在の状況は不明。再開発事業が終わったのちに空港は残されるのか、それとも二次開発事業で潰されるのか、また新たな展示施設が建設されるのかなど、今後の予定は全く判っていない。

【機体 Aircrafts】

(1) A-4PTM (M32-29) 以前はハンガー内に格納されていた機体だが2012年10月から2013年9月までの間に屋外に出されてしまった。

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写真2 屋内に展示されていた頃のA-4PTM (M32-29)。(2012年10月7日撮影)

 

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写真3 A-4PTM (M32-29)は2013年ごろから屋外に展示された。(2014年6月21日撮影)

 

(3) A-4PTM (M32-30) こちらの機体は2000年ごろから屋外に展示されていた。

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写真4 A-4PTM (M32-30)は2000年ごろから展示されていた。(2014年6月21日撮影)

 

(3) F-5E (M29-12) この機体も2012年10月から2013年9月までの間にA-4PTMと共に屋外に展示されたが、事実上「触り放題」となった。ピトー管はやや大きくなった子供がぶら下がるのに丁度よい高さにあるので、みんなブラ下がるぞ~と思っていたら、案の定、一年ほどでレドームの付け根からポッキリ折られてしまった。展示機に対する見物客の態度(レベルの低さ)やそれを知っているハズの博物館側の対応の貧弱さを目の当たりにして悲しい気持ちになった。

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写真5 屋内に展示されていた頃のF-5E。(2012年10月7日撮影)

 

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写真6 屋外に展示されるとたちまち退色し、ピトー管は折られてしまった。(2014年6月21日撮影)

 

(4) カナディアCL-41G-5 (FM1125)

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写真7 入口近くに飾られていたCL-41G-5。(2014年6月21日撮影)

 

(5) カナディアCL-41G-5 (FM2201)

(6) コモンウエルス CA-27 Sabre Mk.32

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写真8 野ざらしになっていたCA-27 Sabre Mk.32。のスケルトン展示機。(2013年9月23日撮影)

 

(8) MB339AM

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写真9 長くハンガー内に置かれていたが閉鎖される前の3年間ほどは屋外に置かれ、あっという間に退色してしまったMB339AM。(2014年6月21日撮影)

 

(9) DHC.4Aカリブー

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写真10 1970年代後半から存在が知られているDHC.4Aカリブー。(2014年6月21日撮影)

 

(11)

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写真11 展示エリアの片隅にあったアルエットIIIの残骸。(2014年6月21日撮影)

 

(12) ワスプ(M499-04, XT784)

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写真(2013年9月23日撮影)

 

【余談その1】

 2014年ごろから2015年ごろにかけてKLの国立博物館にて行われていた展示イベントの際には空軍博物館からアルエットIII(M20-05)が貸し出されて展示されていたが、2016年後半には空軍博物館に返却されている。ネット上の旅行記には「国立博物館にヘリがある!」というものがあるが、現在は存在しないので注意すること。ただし何らかのイベントの際に機体を貸し出すことがあるという前例だ。情報収集のアンテナを張り巡らしておき、この種のイベントがあれば行ってみよう。

以上