用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

自衛隊の用廃機展望

 政府専用機B-747-400の引退(2019年3月末)に始まった自衛隊の”引退機追っかけフィーバー”は2021年3月のF-4EJ/改とYS-11FCの退役をもって沈静化しました。

チョイと振り返ってみると次のイベントがありましたね;

2019年03月 政府専用機B-747-400 運用終了(6月にアメリカにフェリー)

2019年03月 航空自衛隊第302飛行隊F-4EJ改からF-35Aに機種更新

2020年03月 航空自衛隊第501飛行隊閉隊、RF-4E/EJ運用終了

2020年03月 陸上自衛隊OH-6D運用終了

2020年12月 航空自衛隊第301飛行隊F-4EJ改からF-35Aに機種更新(百里基地でのファントム運用終了)

2021年03月 航空自衛隊飛行開発実験団F-4EJ、F-4EJ改の運用終了、航空自衛隊のファントム運用終了

2021年03月 航空自衛隊飛行点検隊YS-11FC運用終了。オリジナル形態のYS-11は国内から全機引退。

2021年03月 陸上自衛隊第3対戦車ヘリコプター隊AH-1S運用終了。AH-64DとOH-1からなる第1戦闘ヘリコプター隊に改編。

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写真1 B-747-400政府専用機。(2019年2月14日千歳基地

 

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写真2  第302飛行隊のF-4EJ改。(2009年11月3日入間基地)

 

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写真3 OH-6D。(2017年3月5日小牧基地

 

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写真4 YS-11FCとU-125の編隊飛行。(2019年11月3日入間基地)

 

・・・追っかけ撮影された皆様、お疲れさまでした。

 

自衛隊の用廃機展望】

さて今後の用廃機の発生は・・・?という目で自衛隊保有機種を眺めてみましょう。

その1. 絶滅危惧種の筆頭は海上自衛隊のSH-60JおよびUH-60J!

 海上自衛隊のSH-60JとUH-60Jは順調(?)に数を減らしつつあります。SH-60Jの保有数は令和2年(2020年)防衛白書の資料編表5によると18機。厚木、小松島、大村にそれぞれ数機が配備されていますが、護衛艦に搭載されるので航海中は見ることもできません。SH-60Kの配備ペースから2025年前後には全機引退となるものと予想します。(注:館山基地最後のSH-60J(2303)は配置換えとなり、2021年4月1日に長崎県大村基地第22航空群に向けて飛び立っていった。第21航空群公式Twitterより)

 またUH-60Jは2024年度内に全機退役じゃないかと予想していますが、こちらも館山や大村に行かないと見ることができませんね。

 いずれの機種も配備基地の一般公開時が撮影のチャンスですが、今年(2021年度)の基地公開は望み薄。いよいよ見る機会は限られそうです。SH-60Jは数機が展示機や教材機として残されていますが、UH-60Jが用廃後に展示機となる可能性は低いと思います。US-1A以降には新機種展示のない鹿屋あたりで展示してくれるかしらん?

海上自衛隊 H-60系統の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

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写真5 館山基地の一角に放置されたSH-60JとUH-60Jの用廃機。(2020年11月25日)

 

その2. 航空自衛隊のC-1

 C-1については輸送型が2025年度くらいまで、FTBとEC-1が2027年度くらいまでの運用と予想しています。入間に行けばいつでも見られたC-1ですが、2019年ごろからの私自身のC-1遭遇確率(撮影に行った回数に対して動いている機体を見られた回数の割合)は50%を切る状態、つまり撮影に行っても2回に1回は見られない状態になっています。C-1の全機展示は美保基地での例があるものの、維持管理は実務上も費用面でも極めて困難なことが考えられるので、用廃後に新たな展示機となる可能性は低いものと予想します(可能なのは岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に01号機を展示することと、浜松広報館が動くことくらいでしょうか)。このため出来るだけ動いている姿を残しておきたいですね。C-1の用廃機発生の予想 - 用廃機ハンターが行く!

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写真6 撮れるうちに様々なアングルで撮りたいC-1。(2021年2月3日入間基地)

 

その3. 陸上自衛隊AH-1S

 2020年度はコロナの影響で駐屯地祭・基地祭がほぼ全滅となったおかげで全く目にしていませんネ。2019年度末(2020年3月末)には52機を保有防衛白書より)し、5個対戦車ヘリコプター隊および教育・研究開発用として少数機が明野と霞ヶ浦に配備されていましたが、2021年3月17日付で目達駐屯地(佐賀県)の第3対戦車ヘリコプター隊が閉隊、翌18日にAH-64DとOH-1からなる第1戦闘ヘリコプター隊が発足させるという形で改編が行われ、九州からはAH-1Sが姿を消しました。私自身は本州のAH-1S部隊を先に縮小・閉隊させて目達原と帯広の部隊は最後まで残すだろうと予想していたのだけれど、最初から予想を外しちゃいました。ま、素人予測はこんなモンです。

 2020年度末時点でのAH-1S保有機数は7~9月ごろに発行される防衛白書の資料に掲載されるでしょうけれど、4個対戦車ヘリコプター隊と航空学校(本校と霞ヶ浦、それに飛行教導隊の機体で4~6教程度)で45機程度ではないでしょうか。1個対戦車ヘリコプター隊への配備機数は10機未満です。新規対戦車ヘリコプターの導入が行われないので今後5年以内には部隊廃止・機体集約配備がさらに進められることでしょう。小さな駐屯地祭やイベントでもAH-1Sが展示されると判れば、可能な限りはその撮影チャンスを活かしたい機種です。

 AH-1Sの展示機は「りっくんランド」に展示されているE型相当の1機しかありません。「攻撃(戦闘)」に特化した機体なので「”広報”展示機」とするには「やりにくい」という事情があるのでしょうかね?(では”戦闘機”の展示はどうなのよ、という意見もあるが、戦闘機は速度・機動性などの”航空機”としての性能を追求した形なので少しばかり視点が異なるかと思う。あくまで個人的見解です。念のため) 

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写真7 AH-1Sは5年後の2026年ごろが見納めか?(2016年10月1日立川駐屯地

 

その4. ひっそりと引退するか?陸自のCH-47J

 陸上自衛隊ではCH-47Jは初期型が姿を消すかもしれません。もともとあまり情報がない機種のうえ、2020年度は駐屯地祭(特に木更津)が行われなかったので、いよいよ現在の状況が判りませんね。恐らくは34機導入したうちの三分の一程度、すなわち10機程度しか残存していないのではないでしょうか。5年以内には恐らくは姿を消すことでしょう。航空雑誌などで取り上げるでしょうか?(期待)

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写真8 いつの間にか姿を消すような気がしている初期型のCH-47J。(2009年1月11日習志野演習場)

 

その5. 上記以外

 むこう5年程度(2026年度末ごろまで)のことを考えると、航空自衛隊では全機種が引退する機体は無さそうですね。製造から最も年を重ねたYS-11EA/EBはスタンドオフ電子戦機の開発が終了したり、RC-2ㇸの置換が進められるまで(2027年ごろまで)使用されることでしょう。E-2CやC-130Hは導入から40年が近づいてますが、当分は現役だと思います(いずれも初期の機体の用廃はあり得るが、機種全廃はないという意味。以下の機種についても同様です)。

 陸上自衛隊のUH-1Jの減耗が始まっているものの当面は各航空隊の主力として活躍。ごく少数しか配備されていないAH-64DやOH-1をどうするのか?という陸自航空部隊運用の在り方について話が進められるかもしれませんが、5年以内に運用打ち切りとはならないものと考えています。

 海上自衛隊ではP-3Cが数を減らしつつありますが、5年後でも飛んでいる機体はあるでしょう。5年を過ぎると訓練支援機U-36Aや練習機T-5の後継機種の話が出てきそうですね。

 

 ・・・と、いうことで、今後5年間程度(2026年度末ごろまで)は2019年末ごろから2021年3月にかけて見られたような”引退機追っかけフィーバー”は生じないと思っています。もちろん各種の自然災害や中国のおかしな動きなどが無ければ、という前提ではありますが。 

 通常の運用で用廃となった機体の解体・処分については本Blogでは特にフォローはしません。解体公告などはネットで確認できることを別項にて紹介していますので、あとは興味のある方ご自身でやってくださいというスタンスでいます。

 本Blogでは展示されていたヘリコプターが無くなったとか、新しい機体に更新されたとかいう話を地道に追いかけていくつもりです。

 

 さて現在、国内には約600機の自衛隊展示機があります。

【まとめ】国内自衛隊機展示機の総数 - 用廃機ハンターが行く!

 自衛隊では高価な新規装備が増えつつあるので予算はそちらに取られてしまい、従来の展示機の維持管理費は削減される傾向にあるのではないだろうかと「漠然と」考えています。ただし予算額の減少などの具体的な根拠があって話をしているのではありません。念のため。

 自治体の管理する公園や私企業の敷地内などに置かれた展示機についても、コロナ対応予算の増加(企業経営補助を含む)と経済活動低下&労働人口減による税収不足のダブルパンチで維持管理費は削減されそうだと、これまた漠然と考えています。このため5年もしたら10%くらい(60機くらい)の展示機は無くなるのではないでしょうか。

 

以上

編集履歴

11Apr.2021 公開

13Jun.2021 見直し更新(第3回目、字句表現等を見直し)