用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【東京都】陸自 りっくんランドと朝霞駐屯地

<編集履歴> 11Apr.2023公開、02Dec.2023見直し更新(第2回目、再訪により見直し実施)

<場所 Place> 〒178-8501 東京都練馬区大泉学園町 陸上自衛隊

広報センター:陸上自衛隊広報センター りっくんランド

朝霞駐屯地朝霞駐屯地ホームページ

<訪問日Visit> 26Mar.2023, 09Apr.2023, 01Dec.2023ほか

<行き方 Access> 

(1) 東武東上線東京メトロ有楽町線副都心線)「和光駅」で下車し、約1.5kmを歩く(約20分)。

(2) 西武池袋線大泉学園駅」北口から「朝霞駅行」西武バスに乗車して「南大通り」下車。約900mを歩く(約15分)。

<解説General>

(1) 陸上自衛隊朝霞駐屯地の広大な敷地の95%は埼玉県(和光市朝霞市新座市)にあるが、わずか5%ほどの面積しかない「東京都練馬区」の区画に正門と主たる建物があるので住所は「東京都練馬区大泉学園町」となっている。GoogleMapの境界線を見ると陸上総隊司令部の建物の北半分は埼玉県、南半分は東京都にあるようだ。そしてりっくんランドの電話番号は「東京03」の市外局番だが、朝霞駐屯地の市外局番は「048」(埼玉県さいたま市周辺番号)、りっくんランドへのカーナビ設定は「埼玉県朝霞市栄町4-6」付近に設定するようにとHPでは指示している。「埼玉県民にはそこら辺の草でも食わせておけ!」(魔夜峰央「翔んで埼玉」より)などと不用意に発言すると上級国民である東京都民からクレームがついて大問題となるので現地での言動には十分注意しようw。個人的には都道府県別分類にて「東京都」とするのにはいく分の抵抗があるので、タイトルは【東京都】とするもカテゴリー分類は「東京都」と「埼玉県」の両方に振り振り分けておく。

(2) 冒頭からお笑いネタとなったが、ここには陸上総隊司令部及び東部方面総監部が所在しており、陸上自衛隊の指揮中枢機能を持つ重要な駐屯地だ。駐屯地の西側には訓練場があり、3年に一度は観閲式がここで行われている。陸上自衛隊の広報センター「りっくんランド」も駐屯地の北の一角に設置されている。

(3) りっくんランドの開館時間は午前・午後の入れ替え制で0930-1145、1315-1645となっている。駐車場はこれに合わせて0900-1145、1300-1645で利用できる。入場は閉館の15分前までで入場料は無料。月、火曜と年末年始は休館日だ。休館日が祝日の場合には翌平日が振り替え休日となる。詳細はHPで確認しよう。館内および屋外にはAH-1S、UH-1H、各種車両や装備等が展示されている。

(4) 朝霞駐屯地内にはCH-47JとUH-1Hが置かれており、このうちCH-47Jは道路から眺めることができる。

(5) 観閲式の際には観閲飛行をおこなう固定翼機は会場を北から南に抜けていく。会場外からでも場所を選べば、そこそこに編隊を撮影することができる。

【展示機と座標Aircrafts and Locations】

(1) AH-1S (73401) 国内唯一のAH-1Sの用廃展示機で、かつAH-1E型相当の導入初号機だ。現在使用中のAH-1SはAH-1F型相当の機体なので排気口の形状などが異なっているぞ・・・と見るべきところは多い。平日でもコクピット(ガナー席のみ)を公開することもある(コロナ以後は開館日には常に公開しているのかもしれない)。機体右側方をほぼ真横で撮影するためにはフルサイズで18mm程度未満の超広角レンズが必要だ。

写真1-1,1-2,1-3 館内に展示されているAH-1S。土日祝日はかなり混雑するので可能ならば平日に訪問しよう。(1-1: 2023年3月26日、1-2: 2019年8月11日、1-3: 2023年12月1日撮影)

 

写真1-4 AH-1Sのガナー席。土日祝日には、かなりの人数が並ぶのでマニアックな活動は必要最小限にして素早く次の子供たちに譲ろう。ただし後ろに並ぶのが募集年齢を超えたオッサンだけの場合には、少しは時間を取っても良いかなとは思う。(2023年3月26日撮影)

 

(2) UH-1H (41672) 屋外展示機。機体右側は建物、左側には展示車両があり、側面写真は撮りづらい。コロナ以後は開館時間内には常にキャビン開放を行っているようだ。

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写真2-1, 2-2 屋外に展示されているUH-1H。ラジオコール、銘板ともに残るが、毎回撮影するのを忘れてくる。(2-1: 2019年8月11日、2-2: 2023年12月1日撮影)

 

(3) UH-1H (41722) GE-Pro画像では2012年10月28日取得画像では確認できず、2014年1月19日取得画像以降に確認できる。駐屯地内部に置かれていて、国道沿いの外周からは建物の隙間からキャビン上部とテイルフィンのみが見える。テイルロータが「良い位置」にあり、記入された4桁S/Nを見事に隠しているので外部からS/Nの確認はできない。例年4月初旬の観桜公開時に北グランドエリアが公開された場合であって、かつ本機と開放エリアの間に資材や車両等が置かれていない時には中望遠レンズ程度で全景を撮影できる。2024年3月31日に撮影された画像がXに投稿されている。

陸上自衛隊 UH-1Hの展示機 - 用廃機ハンターが行く!

 

(4) CH-47J (52901) 駐屯地と訓練場の間を南北に走る南大通りの東側(駐屯地側)に機首をほぼ南に向けて置かれている。ここは自衛隊の各種荷物等の積載訓練を行う場所の一角とのこと。S/Nが示す通りCH-47Jの初号機であり、ラストフライト時にここまで飛んできて部品やローターブレードを取り外されたのち、車両積載訓練用に使われているそうだ。機体は道路脇にあるのでいつでも見ることができるが、機体と道路の間にコンクリート製の船舶積載訓練設備があるために機体後半が隠されてしまう。真横からでもなんとか機体は見えるが桜の開花時期を過ぎると今度は葉桜で大部分が隠されてしまう。それでも機体を撮りたい向きは晩秋から早春までの間、桜が落葉している時期に訪問するとよいだろう。上述の通り道路から見て東側にあり、機首を南に向けているので午後に訪問すると順光となる。

写真3 道路沿いにある車両搭載訓練に使われているCH-47J。機体後部に船舶への荷物搭載訓練用の設備が重なるが桜の季節にはそこそこの写真が撮れそうだ。(2023年4月9日撮影)

 

【その他の展示物Others】

(1) FFOS (007) 「遠隔操縦観測システム」を構成するうちの偵察機部分(無人ヘリコプターを用いた監視装置部分)。システム一式は操縦装置、偵察機、偵察情報の受信装置などから構成されているが、通常(マニアの間では)この「偵察機部分」を指す場合には開発時仮称であるFlying Forward Observation System(飛行式前線観測装置)の略称FFOSが用いられている。りっくんランド開館当時は館内に展示されていたが2016年頃に屋外に移設された。

写真4 近距離の偵察や弾着観測用として開発されたラジコンヘリコプターFFOS。(2023年3月26日撮影)

 

(2) 16式機動戦闘車、10式戦車、90式戦車74式戦車89式装甲戦闘車、87式自走高射機関砲、94式水際地雷敷設装置、75式155mm自走榴弾砲、74式105mm自走榴弾砲、中距離多目的誘導弾(車体部分)96式装輪装甲車、AAV7などが屋内・屋外に置かれている。試作車両や運用試験に使用された初期Lot.の「ちょっと変わった原型装備」が多いのが特徴か。

写真5-1, 5-2 以前は館内に置かれていた90式戦車(試作車)だが、16式機動戦闘車が入ったので表に出されてしまった。春は桜、晩秋には黄色いイチョウを背景にした絵を撮ることができる。(5-1: 2023年3月26日、5-2: 2023年12月1日撮影)

 

【余談】

(1) 東京メトロの一日乗車券(600円)を利用すると、りっくんランドのほかに、消防博物館東京消防庁本庁に展示されたヘリコプター、靖国神社ゼロ戦などを巡ることができる。他の展示物をジックリと見たいという方には不向きだが、遊びのつもりで一日、用廃機ハンティングはいかがだろうか。

以上