用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

T-400等のIRAN

<編集履歴> 25Sep.2023公開

 

最初にお断り。

本文内容はまだ自分自身でも確認中のトコロが沢山あります。

ですが問題提起程度にはまとまったかな?と思うので公開して、あとはいつものように数カ月かけて「マトモ」な内容に仕上げていくつもりです。あしからず。

 

 別記事でEC-1やYS-11EAが令和6年度(2024年度)末までに引退することを書いたけれど、その際にYS-11の直近の機体定期修理の契約状況を調べてみた。また、ついでなので他の固定翼航空機の契約状況も調べてみた。

・参考:機体定期修理の契約の調べ方はコチラへ

調達情報を読もう - 用廃機ハンターが行く!

(概要: 防衛装備庁のHP>調達・公募情報>中央調達>公表情報>契約に係る情報の公表>月別契約情報/随意契約(基準以上)と進み、Excelシートから必要な項目を抽出する)

 

【結果】

年度ごとの「機体定期修理」の契約機数を記す。契約機数が不明ながらも契約がある場合には〇、「点検整備」の名称で契約が見つからなかった場合には-を記す。

機種名/令和元/令和2/令和3/令和4/令和5

T-7/8機/10機/10機/10機/〇

T-4/29機/29機/37機/〇/〇

T-400/-/-/-/-/-

YS-11/-/1機/1機/1機/1機

(以下、F-2F-15P-3Cなど自衛隊保有する固定翼機について一通り調べてみたが、その結果を記載するのは省略する)

こうやって確認するとF-35A、C-2、E-767、U-680A、T-400、U-4、C-130Rについては「機体定期修理」の名目での契約が無いことが分かった(見落としていなければのハナシ。後日、再度確認する予定)。

 このうちC-130Rについては日本飛行機(株)との間で「C-130Rの機体維持業務」の契約をしている。その内容は2017年度から2022年度までの6年間の機体部品等供給及び在庫管理、機体定期修理並びに技術活動を行うというものだ(契約日 2017年12月21日、契約金額 11,463,703,200 円)。2023年4月にも契約更新があった・・・ハズ(要確認)。

このような内容の契約を「成果保証契約(Performance-based logistics, PBL)」という。

 またU-4については「U-4のC整備等に関する補給処整備」「U-4維持管理(機体)のための会社技術利用(04国)」「U-4型航空機の修理等に関する現地補給処整備」などという名目で新明和工業と契約が締結されているので、その契約の中で機体定期修理が行われているのではないかと思っている(要確認)。なお点検修理は新明和の徳島事業所で行われている。(蛇足ながらここではU-36AのPARも行っていたが2023年8月に終了した。仕事減っちゃったねぇ!)

上記YS-11の定期修理状況の確認時に”発覚”したT-400の整備に関する契約の有無はまだ確認していない。

 

 さて航空マニアは工場に部隊から機体が飛来してきて工場に入ることを「IRANに入った」というが、本来IRAN (Inspection and Repairing As Necessary)は航空自衛隊陸上自衛隊で使われる言葉であり、海上自衛隊ではPAR (Progressive Aircraft Rework)という。間違えるとイヤ~な顔をされるので注意しよう。

 ここで「なんちゃら契約」に基づいて実施する大規模な整備の場合には、どうやら”IRAN”だの”PAR”という用語は「使わない」ようだ。機種によっては「以前はIRANを行っていたけれど、”IRAN”は(契約上)全て終了した。バンザ~イ!祝!IRAN終了!!、今後は”なんちゃら契約(略称***(***の略称は契約ごとに異なる。一例としてPBL))”に基づく整備を行う(ただし実施する内容は同じ)。」というコトになるみたいだ。

 

 今年に入ってから、とある機種にて、この「IRANは終わった」という前半部分だけが私の耳に入ってきており、「えっ?とある機種は3年後に用廃か?!」と驚いたのが調査の発端だ。

 調べた結果は上述の通り「今後は”なんちゃら契約”に基づく整備を行う(ただし内容的には同じ)。」という後半部分が存在していて、「まだまだ当分の間は用廃機は生じない」とのこと、”らしい”。

 また”なんちゃら契約”のうち航空自衛隊の機体の維持管理に関わる契約は防衛装備庁の中央調達のページではなく、第二補給処の契約情報の中にあるようだ。

 今後は上述した中で「みたいだ」「らしい」「ようだ」と書いた部分の真偽・詳細を確認していくつもりです。分かりましたら本記事を改訂していきますネ。

写真 浜松広報館で特別展示されたT-400。T-400は"IRAN"を行っていない。だけど以前と同様に三菱小牧の工場に入っては定期修理を受けている。(2022年3月20日撮影)

 

以上