用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【長崎県】空自 福江島分屯基地のF-1

<編集履歴> 24Jul.2023公開、06Aug.2023見直し更新(第2回目、字句表現等見直し)

<場所 Place> 〒853-0607長崎県五島市三井楽町嶽770-1 航空自衛隊福江島分屯基地

福江島分屯基地|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊

<座標 Location> 32.7598N, 128.6689E

<訪問日Visit> 22Jul.2023

<行き方 Access> 

(1) 長崎港よりジェットフォイルで約1時間40分、フェリーなら3時間10分で福江港に到着。福江港から分屯基地ゲートまでは約25kmだ。福江港からは一般バスで三井楽(みいらく)中学校まで行き、そこから約2.5kmの道を登る。バスは1.5~3時間程度に1本の割合で走っている。福江港から三井楽中学校までの所要時間は約50分、料金は1,040円だ(2023年)。

(2) 福岡空港から福江空港まで一日3便、長崎空港から福江空港まで一日2便が飛んでいる。空港から市内まで約4km。三井楽方面への直通バスは無いので、一度市内にでて、上述したバスを利用する。

(3) 基本は福江港周辺や空港からレンタカーで移動する場所だ。

<解説General> 

(1) 五島列島で最大の島である福江島。その北西端の京ノ岳山頂付近に春日基地を親基地とする福江島分屯基地がある。第15警戒隊が駐留するレーダーサイトだ。通用ゲート(正門はもう少し山道を登ったところ)奥に三菱F-1が機首を西北に向けて展示されており、年に一回開催される公開日(開庁記念行事)に見学ができる。また近くにはナイキJの弾頭部分とVADS-1改が展示されている。

(2) 開庁記念行事は6~10月頃に行われることが多いようだが、航空便および船便は季節により運行時間が変わるので、それぞれのHPでよく確認してから訪問計画を立案すること。個人的には2022年夏の公開時に訪問を計画したが、準備不足のために訪問を断念/中止して翌2023年度に訪問している。2022年の方が天気が良かったので幾分悔しい思いをしているが、まぁ2023年度は曇っていたためF-1の両側面をそこそこに撮影できたのでヨシとしよう。

(3) 基地公開イベントの際には基地脇に30台程度の駐車スペースが設けられるが開門時間直後には満杯となり、2kmほど麓にあるグラウンドの駐車場へ誘導される。ここからは20分に1本程度の頻度で無料シャトルバスが運行される。

【展示機 Aircraft】

(1) 三菱F-1 (10-8257) 本機はGE-Proの2011年2月7日取得画像にて機影を確認できるが搬入された時期は不明。2014年9月13日の開庁60周年記念行事に合わせて側面から上面をダークシーブルー、下面をライトブルーに塗り替えた。下手に”なんちゃってF-1迷彩”にされるよりか良いかもしれないなどと個人的には思う。2023年7月22日に行われた開庁69周年行事の際には全身ライトグレイ(T-2のものよりやや青みがかる)となっていた。垂直尾翼の第6飛行隊のマークの黄色が残っていたので2~3年ほど前(すなわち2020年前後)に塗り直されたものと思われる。ヒコーキ雲さんに投稿されている2014年公開時の写真を見ると機体右側にはコクピット見学用の台座が設けられていたが、2023年訪問時には無くなっていた。またキャノピーおよび風防が黒く塗りつぶされていたので、この塗装となった際(上述の通り2020年前後)に役割を終えて撤去されたのだろう。

 機体左側は道路脇になるので比較的撮りやすいが、下がり切ることができないので真横はフルサイズで24mm未満のレンズが必要だ。機体右側は土手と植樹があるためにこちらはさらに下がることができず、真横を撮影するならやはり24mm未満のレンズが必要だ(感覚的には18mm以下が必要と思う)。斜め前からでも機首脇に植えられたソテツの植樹が邪魔になる。右斜め後ろからだと24~35mm程度でほど良く撮れる。

写真1-1, 1-2 展示されているF-1#257号機。キャノピーとウインドシールドは黒く塗りつぶされている。全景真横を撮る場合には24mm未満のレンズが必要だ。機体右側ショットは機首付近にソテツの植樹が入る。広報写真に左前上方から撮影したショットがあるが、これは一般公開時には立入禁止となるエリアから撮影したものだ。(2023年7月22日撮影)

 

<その他>

F-1の機首側にはナイキJの弾頭部が立っている。また機尾側には2021年度に全廃となったVADS-1改が置かれている。2023年4月に搬入されたそうで、訪問時には周囲の鎖はまだ造られておらず、コーンとトラ棒で囲われていた。

写真2 2023年4月に搬入されたというVADS-1改。(2023年7月24日撮影)

 

【余談:開庁祭の様子】

 訪問する人も少ない場所なので2023年7月24日(土)の開庁69周年記念行事の様子を記しておく。

(1) 麓のグランドから基地入口までのシャトルバスには3台を投入。福江港発0700発の一般バス(始発便。次便は0930発だった)で行った私は「三井楽中学校」バス停からグランドまで歩いてもさらに2時間程度の待ち時間があった。ゲートまで歩いても十分余裕のある時間だったが「シャトルバス初便の混雑状況を知りたかった」ので、あえて0930頃からグランド周辺で待機して0945発の初便を利用した。だがシャトルバスを利用した乗客は私だけだった・・・。一応は「10分後の次便発時間まで待ってもイイですよ」と申し出たけれど発車してくれた。ありがとうございました。>関係者の皆様

(2) 0953ごろ入場門前に到着し、10時開門。子供太鼓などのイベント実演者およびその保護者は少し前から適宜入場していたので、開門時間ごろには基地脇の一般来場者用駐車スペース(約30台)はほぼ埋まっていた。

(3) 基地内のF-1のある場所から山頂近くのグランド展示場(脇にヘリパッドあり)までは別なシャトルバスが20分に1本の割合で運行していた。バス発車時間が近づくにつれ、F-1脇にまで人の列が伸びるので幾分撮影しずらい状況になる。バスが発車した直後には待機列が無くなるので、この時が機体だけを撮影するチャンスだ。

(4) F-1などを撮影している最中の午前10時30分ごろにSH-60Kが飛来。どうやら海上自衛隊からの来賓VIPを運んできたようで、直ぐに離陸していった。しまった!と思うが、シャトルバスに乗り、山頂近くのグランドに行かないと撮影することはできない。毎年恒例の事例かどうかは分からないが、VIPがヘリで来基するケースがあることを覚えておこう。

(5) 山頂近くのグランド展示会場では消防車、1t給水車と牽引トラック、軽装甲車、地元の消防車、救急車、パトカー、芦屋基地から持ってきたペトリオットPAC3とPAC3MSEキャニスタを搭載したランチャのみ)が展示されていた。

(6) 芦屋救難隊からUH-60JIIとU-125Aが救難デモを実施。UH-60は先に飛来して機体展示を行う予定だったようだが予定変更。飛来後に要救助者役を降ろして離陸し、ピックアップデモを見せたあと、地上支援の関係者を収容するために再度着陸してからRTB。この間ローターを止めることは無かった。離着陸シーンは全景で200~300mm程度。グランド会場からデモを行うヘリパッド方向は南になるので逆光だ。なおデモ中の見学者は子供を含んで80~130人程度。

写真3 芦屋救難隊のUH-60J。この日は西側から進入してヘリパッド上空で90度回頭、機首を北(会場側)に向けてから着陸した。これでフルサイズ250mm程度。(2023年7月24日撮影)

以上