用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【千葉県】陸自 習志野駐屯地の訓練機

<編集履歴> 06Aug.2023公開、07May.2024見直し更新(第3回目、見直し実施)

 

<場所 Place> 〒274-0077 千葉県船橋市薬円台3-20-1陸上自衛隊習志野駐屯地

陸上自衛隊 第1空挺団 | 第1空挺団は、陸上自衛隊唯一の落下傘部隊です。

<訪問日Visit> 05Aug.2023 

<行き方 Access> 

(1) JR総武線津田沼駅北口からバスで30分、「自衛隊前」下車目前。

(2) 新京成電鉄薬園台駅から徒歩15分程度。

 写真1 搭乗/降下訓練に使われる訓練機。(2023年8月5日撮影)

 

<解説General>

(1) 第一空挺団の所在する駐屯地。隣接して習志野演習場があり。1月10日前後に「降下訓練始め」が行われて演習の様子が一般開放されるが、この時には駐屯地は公開されない。駐屯地は春に観桜を兼ねた開庁記念行事があり、また夏祭り(花火大会)がある。この時が駐屯地内の展示機を撮影するチャンスだ。

(2) 駐屯地内には空挺降下の際の動作訓練に使われるCH-47J、UH-1H(キャビン部のみ)、C-1の強度試験機(01号機)があるが、広報展示機(全機展示機)は置かれていない。

(3) 津田沼駅からは大した距離では無いが、メチャクチャ渋滞するのでバスでも30分かかる。

(4) 夏祭りの場合、開門前に並ぶ方々の目的は「花火大会の場所取り」だ。機体撮影ではないので、機体目当てで行く場合には、それほどあわてて入場する必要はない。ただし、東西を向いているヘリコプターは午後3時ごろには側面にあたる光の具合が悪くなるので、早めに行くに越したことはない。一方で北を向くC-1は午後3時を過ぎた頃の方が機首側に光がまわるようになる。

【訓練機 Aircrafts for drop traing】

(1) CH-47J (52904/HGPIII, 35.7093N/140.0540E) 2012年2月22日に撮影された写真がヒコーキ雲さんに投稿されている。コクピットの計器は計器盤ごと外されている。ロータもエンジンも外されている。機体の色は明るいグレーのように見えるがジックリと眺めると黒色模様の跡が薄く残っている。設置されてから約10年間、一度も再塗装されることもなく、褪色してこうなったのだろう。Xへの投稿写真によると、2024年4月7日の公開時には全体がOD色一色に再塗装されていた。ノーズに”04”という数字が残されていたが、テイルマウントのS/Nは確認できなかった。

写真2-1, 2-2 習志野駐屯地内に置かれているCH-47J。褪色して”ライトグレー”一色に見える。(2023年8月5日撮影)

 

(2) UH-1H (41644, 35.7093N/140.0542E)CH-47Jの機首付近に2機あるキャビン部だけの「訓練台」のうちのCH-47Jに近い方の機体でMRおよびエンジンマウント無し、テイルブーム無しのキャビンのみ。銘板は無かったがコクピット内のラジオコールはJG-1644、コクピットドアのS/Nは41644、キャビンドアには44と白書きされているが、ノーズナンバーは”21”になっている。ノーズパネルのみを隣に置いてある41721号機のものと交換したのだろう。2012年2月22日に屋内に置かれている写真がヒコーキ雲さんに投稿されている。この時すでにテイルブームは無かったがノーズパネルに”44”、コクピット脇のS/Nは41644と読める。いつノーズパネルが721号機のものとなり、表に出されたのかは不明だ。Xへの投稿写真によると、2024年4月7日の公開時には全体がOD色一色に再塗装されていた。S/Nは塗りつぶされたのか、投稿写真からは確認はできなかった。

写真3-1, 3-2 ノーズパネルに”21”と描かれている41644号機。(2023年8月5日撮影)

 

(3) UH-1H (41721、35.7093N/140.0542E) 2017年には屋内で使用されていた画像がネット上に残るが、2023年4月2日には屋外のCH-47Jの前に「訓練台」として置かれていた。屋外に2機あるキャビンだけの「訓練台」のうちの東側(CH-47Jから遠い方)の機体。銘板は無かったがコクピット内のラジオコールはJG-1721、コクピットドアのS/Nは41721だが、ノーズナンバーは”44”になっている。ノーズパネルのみを隣に置いてある41644号機のものと交換したのだろう。Xへの投稿写真によると、2024年4月7日の公開時には全体がOD色一色に再塗装されていた。S/Nは塗りつぶされたのか、投稿写真からは確認はできなかった。

写真4-1 ノーズパネルに”44”と描かれている41721号機。前方からの写真は光線具合が大変悪かったので撮ってはいるけれど掲載はしない。いつか曇天時に訪問したら再度撮影したいと思う。(2023年8月5日撮影)

 

(4) C-1強度試験機(01号機、35.7083N/140.0543E)強度試験用に作られた01号機の胴体部が搭乗・降下の訓練に用いられている。なおC-1からの空挺降下訓練がほぼなくなった2022年以降はこれを用いて訓練する意味はなくなっている。ただし、整列・搭乗・落下傘のコードをワイヤーにかける動作・ドアからの飛び降りる際の動作は、C-130もC-2もあまり変わらない(違うと言えば違うが・・・)ので、今後も初期訓練用の機材として使い続ける可能性も捨てきれない。2024年4月7日の公開時にもまだ存在していた。

写真5-1, 5-2, 5-3 C-1の開発時に製作した強度試験機(01号機)。02号機は松戸駐屯地に置かれていたが2021年3月29日に撤去された。(2023年8月5日撮影)

 

(5) B-767 (S/N?、35.7102N/140.0725E) 演習場の一角に置かれている。両主翼は無く、機首から垂直尾翼前まで(もしくは垂直/水平尾翼のない胴体後部まで)の胴体部分のみだ。公告が出されていたので話題になった機体で、その納期は2018年2月15日とされていた(落札価格は税抜き約3.6億円)。その後、内装と設置で別途公告を出していて、その仕様書から内部は客席37列のB-767-200と同様の内装になっているものと思われる(ただしフォローはしていないので、2019年以降に改装されているかもしれない)。状況からテロ(ハイジャック)対応訓練に用いられているものと考えている。

 

【その他の展示物】

(1) 94式37mm(速射)砲 (35.7106N/140.0540E) 資料館脇に展示されている。 

(2) 105mm りゅう弾砲  (35.7106N/140.0540E) 庁舎脇に展示されている。

 

【降下訓練始め】

 毎年1月10日前後の日曜日に行われる。一般見学エリアは演習場入口から約1.7km離れた35.7073N/140.0725E付近で無料シャトルバスが結んでいる。演習場近くのグランドから離発着するヘリコプターや、上空を通過して空挺部隊を降下させる機体を撮るだけなら、演習場-見学エリア間で撮れるが、演習が始まると道路の一部は封鎖され、シャトルバス運行も無くなることがあるので注意しよう。空を見上げて機体からの降下を撮るだけなら演習場周辺の外周からでも撮影できる。

写真6 演習場入口と見学エリアの中間点付近で撮影してみた。(2023年1月8日撮影)

 

【余談】

 習志野駐屯地といえば、これ。訓練用タワー。塔の先端までパラシュートを引き揚げ、降下させる訓練に使う。「カズレーザーが興奮しながら解説してくれるヤツでしょ?!」とは小学生くらいの男の子の弁。そう来るか!と思わず苦笑する。

4つのパラシュートが高度差をつけて開いているところを逆光で撮ってみたいと思うが、そういうチャンスは一般人である自分には無いだろうなぁ。2024年度~2026年度末ごろまでに、新たな降下訓練塔に建て替えるとのウワサがある。

写真7 習志野駐屯地のシンボル。(2023年8月5日撮影)

以上