用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【徳島県】海自 徳島航空基地の展示機

<編集履歴> 03Oct.2022公開、18Dec.2022見直し更新(第2回目、消火訓練機の話を追加)

 

<場所 Place> 〒771-0292 徳島県板野郡松茂町住吉字住吉開拓38

海上自衛隊 徳島教育航空群

海上自衛隊 徳島教育航空群

<訪問日Visit>   1993年頃、01Oct.2022, 17Dec.2022

<行き方 Access> 

(1) JR徳島駅より徳島バスの徳島-鳴門線(バイパス経由)に乗車し「笹木野」下車(約25分、430円)。ここから道なりに約1.5km、徒歩20分ほどで正門だ。

<解説General> 

(1) 徳島空港の滑走路を挟んだ反対側にある海上自衛隊の教育訓練基地でTC-90が配備されている。陸上自衛隊第14飛行隊の格納庫もあり、UH-1Jも日常的に見ることができる。また航空自衛隊のU-4は隣接する新明和工業(株)徳島分工場で定期点検修理(IRAN)を行っている。用廃展示機は基地正門内側すぐにTC-90、基地内にS2F-1とS-62Jがあるほか、広報館内にB-65の機首部分が置かれている。また新明和の工場脇にある消防拠点には訓練用にTC-90が置かれている。例年10月ごろに基地公開行事がある(2020年と2021年は新型コロナウイルス感染予防の観点から開催中止)。

(2) かつては徳島駅前から基地正門まで行くバス路線があったが、2022年10月1日のダイヤ改正より廃線となった。

【展示機と座標 Aircrafts and Locations】

1. S-62J (8926, 34.1305N / 134.5990E) 南南西を向けて置かれている。海上自衛隊のS-62救難ヘリコプターは国内に2機残されており、もう一機は千葉県松戸市ユーカリ交通公園にある。白濁した右下側の窓ガラス(アクリルだが・・・)を通して、かろうじて銘板を読むことができた。航空自衛隊の機体を含めて銘板に記された機種名は「S-62」であり、サブタイプである”S-62J”の「J」は銘板には記されていない。この機体と次に紹介するS2F-1は外周の金網越しに200-300mm程度のレンズがあれば、そこそこに撮影できる。良い条件で撮影可能な金網の前だけは地面が踏み固められて草が生えていなかったので、多くの方が同じことを考え、同じような行動をしているのだろう。基地祭で無い場合であっても訪問前に広報担当に電話して調整しておけば案内してもらえると思うが、個人コレクションで数枚撮影するために、わざわざ担当者の手間をとらせることはないだろうと考える。

写真1-1, 1-2 ほぼ南を向けて置かれている。このため一般公開時には午前と午後に現地に行くと、左右をそれぞれを順光で撮影できる。(2022年10月1日撮影)

 

2. S2F-1 (4150, Bu.144700, 34.1305N / 134.5988E) S-62の隣に南南西を向けて置かれている。全機展示機(丸々一機が展示されているもの)としては2機が残るうちの貴重な1機だ。もう1機は鹿屋航空基地史料館前にある。このほかに1機の機首部分のみが河口湖自動車博物館にある。もともと上面ガルグレイ、下面は白の塗装であるが、2022年の基地公開の際には全体がほぼ真っ白になるほど退色が進んでいた。前述した通り、この機体も基地外周から200-300mm程度のレンズで金網越しに撮影できる。

写真2-1, 2-2, 2-3 S-62の隣に置かれているS2F-1。こちらも午前早くと午後遅くに訪問して機体両側を順光で撮影しておきたい。正面を撮影したものは基地外周から300mm程度で撮影したもの。(2022年10月1日撮影)

 

3. TC-90 (6810, LJ-976. 34.1294N / 134.5964E) 正門のすぐ内側に機首を南南東に向けて置かれている。徳島航空基地としては二代目の展示機で、初代展示機(6802号機)は2022年12月時点では消火訓練機として使われている。2022年10月1日の公開時の状況は朝8時ごろには機体に向かって右側の木の影が機首にかかり、午後3時過ぎの退場時には機体に向かって左側の木の影が機体全体にかかっていた。快晴時に撮影する際には木の位置と太陽の位置関係に注意しよう。基地外周から撮影する場合には道路と金網の間に水路があるため、どうしても金網自体が写りこんでしまう。もっとも本当にゲートの直ぐ内側にある機体なので、警備担当者の目の前で金網越しに撮影するようなことはせずに、その場で頼んで撮らせてもらおう。

写真3-1, 3-2, 3-3 10月の朝9時ごろに撮影したTC-90。(2022年10月1日撮影)

 

4. B-65 (6702, LC-146, 旧N9504Y) ”体験搭乗”用として広報館内に機首部分のみが置かれている。基地公開行事中には多くの人が見学・写真撮影に訪れるので人を入れないで撮影するのは非常に困難だ。計器盤には「6702」のラジオコールが残る。

写真4 広報館内にあるB-65の機首部分(2022年10月1日撮影)

 

5. TC-90 (6802 / LJ-598, 34.1307N / 134.6044E) 新明和の工場脇に旧管制塔と消防拠点があり、ここに消火・救助訓練に使用する主翼とエンジンを外したTC-90が機首を北北東に向けて置かれている。徳島航空基地における初代のTC-90展示機であり、2005年10月1日の公開時には正門奥に置かれていた。2013年9月23日公開時には現在の場所で訓練機となっていたが、この時には垂直尾翼のラダーもキレイに取り付けられていた。駐屯地の正門から道なりに約1.1km、徒歩15分だ。右側面は側道から金網越しに標準ズームレンズ程度で撮影可能だが、反対側は畑(訪問時はサツマイモ畑)でフェンス脇に近づくことはできない。余談だが2022年10月1日訪問時(快晴)に撮影するのを忘れたため、同年12月17日に小雨の降る中で再訪して撮影してきた。そこまでするかと自分でも思うが、「いつまでも あると思うな 用廃機」。撮りたいと思ったら、即、行動しよう(笑)。

写真5-1, 5-2 消火訓練用のTC-90。ラダーは外されている。機体右側は道路から金網越しに標準ズームで撮影したもの。機体左側はサツマイモ畑を間に挟み、農道からフルサイズで600mm程度で撮影。(2022年12月18日撮影)

 

航空祭

 滑走路(11-29)方向は一日中順光。2022年10月1日の航空祭に約30年ぶりで再訪したが展示機・来場者共に少なく、のんびりとした雰囲気の航空祭だ。展示機を綺麗な光線具合でジックリと撮影したい方におススメする。

写真6 当たり前と言えば当たり前のことだが複数のTC-90を一画面に収めたショットを撮れるのは徳島航空祭だけだ。記録として一枚は残しておきたい。この写真に写る機体のプロペラブレードの枚数がそれぞれ異なることに注目。(2022年10月1日撮影)

 

【余談】

 徳島空港の滑走路西端から直線で600mほどのところにあるクリニック沙羅の敷地内にはブルーエンジェルス塗装のA-4Eが展示されている。機会があれば訪問してみよう。

【徳島県】クリニック沙羅のA-4E - 用廃機ハンターが行く!

以上