用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【兵庫県】soraかさいの実物大模型と近隣のSNJ

<編集履歴> 06Jan.2023公開(他2記事を統合して新規公開)、19May.2023見直し更新(第1回目、現地訪問、写真追加)

 

<場所 Place> 兵庫県加西市鶉野町2274-11

soraかさい | トップページ

<訪問日Visit>   06Aug.2021(旧防災倉庫), 02Apr.2023(soraかさい)

<行き方 Access> 

(1) 北条鉄道法華口駅からSNJのある無蓋掩体壕まで直線で約2.4km、道なりで約3km、徒歩約40分。土日祝日のみは無料シャトルバスの運行(先着順、定員28名)がある。2023年1月6日時点でのバス時刻は次の通り;

法華口駅発:10:23、11:23、12:23、13:23、14:43
・soraかさい発:10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00
※満車の場合には乗車できないので諦めて歩くか1時間待つ。

(2) 北条鉄道北条町駅」下車、駅前ロータリーの「アスティアかさいバス停」からコミュニティバス「KASAIねっぴ~号」に乗車して「soraかさいバス停」まで20~30分。
平日4往復、土日祝日5往復

<解説General> 

(1) 「soraかさい」は旧日本海軍航空隊の鶉野(うずらの)飛行場跡地に2022年4月18日にオープンした観光拠点で、館内には紫電改と97式艦上攻撃機の実物大模型が展示されている。また近くには「旧軍機塗装」となった元海上自衛隊のSNJ-5が置かれている。

(2) 鶉野飛行場跡地は戦後は防衛省が管理していたが2016年(平成28年)6月に加西市に払い下げられた。その後は周辺に点在する戦争遺跡(遺構)を元にした町起こし事業が始まり、防空壕や高射砲陣地跡地などを観光拠点化するための整備が進んでいる。この過程でSNJが無蓋掩体壕に展示され、また実物大の紫電改レプリカが作られて加西市防災備蓄倉庫に展示された。しかし、あくまで「防災備蓄倉庫」であったがために一般見学はできず、週末や祝日に機体を「倉庫前」に引き出して展示していた。2022年4月に日常的な展示施設となる「soraかさい」がオープンし、従来からあった紫電改のレプリカやその他の展示物が移設されるとともに、新たに造られた97式艦上攻撃機の実物大模型が展示・公開された。

(3) 周辺の戦争遺跡には最低限の表示などが行われており、2~3時間程度をかけてブラブラ回るにはほどよい状況になっている。「soraかさい」を含めて現在の状態が「最終形態」ではない(と私は考えている)ので、意見等があれば積極的に現地に向けて発信しておこう。もっとも本Blog的には「実物大模型の展示施設」にはあまり興味は無く、関心があるのは近くにある元海上自衛隊のSNJなのだが・・・(笑)。

【展示機Displayed Aircrafts】

(1) 紫電改(実物大模型)

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写真1-1, 1-2, 1-3 上は「soraかさい」ができる前に防災備蓄倉庫に置かれていた時の紫電改の実物大模型(2021年8月6日撮影)。中・下は現在の展示状況(2023年4月2日撮影)。

 

(2) 97式艦上攻撃機(実物大模型) 2022年4月18日の「soraかさい」オープンに合わせて新たに製作されたもの。

写真2-1, 2-2 「soraかさい」に展示された97式艦上攻撃機の実物大模型(2023年4月2日撮影)。

 

(3) SNJ-5(6180、”ツ-7")「soraかさい」から道なりに約800mほど北西に歩いた場所にある無蓋掩体壕(座標 Location: 34.8950N, 34.8645E)には旧海軍機風の緑色に塗られSNJ-5が機首を南南西に向けて置かれている。この機体は以前は海上自衛隊鹿屋基地史料館に置かれていた機体だが、2017年ごろの台風で尾翼・尾輪付近を破損し、廃棄処分となるところを引き取り、2019年9月に移設されたものだ。2021年8月に機体前にあった説明板によると第一航空群より加西市防衛協会に対して「貸与」された形になるようだ。

 Jウイング誌2021年8月号p.54に鹿屋基地史料館展示場から移動した後、処分を待つ本機の写真が掲載されている。なおこの写真には廃棄処分されたようなコメントが記載されているが、これは明らかに間違いだ。翌9月号p.114にて訂正文が掲載されているが、皆様には改めてお詫びして訂正しておく。

 さて2019年9月に無蓋掩体壕に搬入された時点での機体の塗色は黄色塗装のままであった。その後、2019年12月27日時点ではまだ黄色塗装であり、修復した機首部、ラダー、左エルロンなどは無塗装板金の状態であったが、2020年春の展示開始前に緑色旧海軍風塗装とされた。ヒコーキ雲さんには2020年6月7日に撮影された塗色更済の本機の写真が投稿されている。

 垂直尾翼に描かれた「ツ-7」は筑波航空隊の紫電一一甲型に実際に記載された番号だ。紫電紫電改は有名だが、実働中の写真があまり残っていない。その中で「ツ-7」号機はきれいな地上駐機中の写真が残っているために多くの記事や文献等に引用されている。またタミヤやレベルのプラモデルのデカールに採用されているので、「最も有名な番号」といってよいだろう。

 写真を撮影する際には機体後ろの両側の旗竿が少々邪魔な存在だ。これらは2019年12月27日には無かったが、2020年6月7日には設置されていた。さらに機体背後から撮影しようとすると目の前の道路の反対側には廃棄物処分場があり、あまり良い絵にはならない。こちらは業者の起業の方が先なので仕方がないと割り切って諦めよう。機体前には立入禁止の立札と簡単な柵があるが、左翼側からは機体後方に入れるようになっており、さらには左尾翼脇に木製のテーブルと椅子が設けられている。ここで休憩してよいものだかどうだか、少々悩む配置となっていた。

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写真3-1, 3-2 鶉野飛行場跡地近くの無蓋掩体壕跡に展示されたSNJ-5。立入禁止の看板があるが、機体左後方(旗竿の脇)には木製のテーブルと椅子があって、こちらには行けるようになっている。無蓋掩体壕の土壁上の見学コースから機体を見下ろすアングルで撮影できるが、手前の旗竿が邪魔になるほか、道路の反対側の廃棄物処理場が写りこむ。(2021年8月6日撮影)

 

【余談】

 近くを走る北条鉄道はJRよりキハ40-535を購入して2022年3月16日から営業運転を行っている。「鉄分」の多い方は北条鉄道のHPに運行予定も掲載されているので参考にしておこう。

写真4-1 法華口駅を出た直後のキハ40-535を下車したホームから撮影。(2023年4月2日)

以上