<編集履歴> 24.Oct.2023公開、27Dec.2023見直し更新(第2回目、情報追加)
<場所 Place> 〒870-0397 大分県大分市一木1727 学校法人文理学園日本文理大学
<座標 Location> 33.2313N, 131.7225E
<訪問日Visit> 22Oct.2023
<行き方 Access>
(1) JR日豊本線大在(おおざい)駅から道なりに約2.1km、徒歩約30分。授業のある日には1時間に2本程度の無料送迎バスが駅前から発着している。学園祭開催時には時間あたり3本くらいまで増便される。
(2) 車で訪問する場合には正門前に駐車場がある。
<解説General>
(1) JR大分駅から直線で東に約11kmほどのところにある、工学部航空宇宙工学科のある私立大学。例年10月中旬ごろに学園祭「一木祭」を開催しており、この時に教材機を見ることができる。
(2) 教材機は格納庫内にあるが、周辺の屋外にセスナスカイワゴン、SNJ、ビーチC18が置かれている。特にSNJとC18は開放エリアから見ると校舎裏手に置かれているので忘れないように訪問しよう。
(3) 訪問時点で航空宇宙工学科に在籍する学生は1学年40名程度とのこと。F-86FとF-104はまず教材としては使用せず、むしろ構造理解のためにはMU300の与圧試験供試体を利用しているとのことであった。
(4) 訪問したのは学園祭2日目、日曜日の午後のこと。子供連れでの見学者が多く、F-104Jはコクピット公開、OH-6Jは機内公開、B-747は順番待ちの状態であり、人を入れない写真の好きな私は1カットを撮影するのに20分近く待つこともあった。他の学園祭でも同様だが、機体を撮るなら土曜日の午前中、開場直後の訪問がよいだろう。
【展示機 Aircraft】
(1) F-104J (46-8567, 33.2311N/131.7722E) 1980年3月に用廃となった機体。2005年公開時にはレドームを外していたが2018年公開時にはレドームを装着し”完全体”になっていた。第202飛行隊マークを描いた機体は新田原基地展示機の片側と本機のみが国内に存在するが、貸与に際してラダーのみは第204飛行隊所属機のものと交換したようで、ラダー部のマークカラーが第204飛行隊の青/黄色のものになっている。水平尾翼下部後端の後方レーダー監視装置(アンテナ)は外されているが、コクピットにはレーダースコープが残されている貴重な機体だ。コクピットのラジオコール(当時は手書き)もキチンと残っており、当時の姿をよく残している。
写真1-1, 1-2 新田原基地にあった第202飛行隊マークを描いているが、ラダー部を見るとココだけ青黄色の第204飛行隊マーク塗装になっている。横全景を撮影するには24mm未満の超広角レンズが必要だ。(2023年10月22日撮影)
(2) F-86F (62-7437, 33.2311N/131.7722E) 1980年10月に用廃となったとヒコーキ雲さんでは紹介しているが、航空情報別冊「F-86F SABRE SPECIAL」(1983)では1980年12月用廃となっている。用廃後の1981年3月には別府市のリンドバーグ病院に展示されていた。なお前述した航空情報ではリンドバーグ病院の位置が福岡県になっている。本機のノーズナンバーは437だが、機体左側ウインドシールド脇には"62-7473"、キャノピーフレームには”92-7880”と記されている。コクピットは開いているが、覗き込むことはできず、ラジオコールは確認していないが、本Blogではノーズナンバーを正しいものとして"62-7437"としておく。両主翼は外されて脇に置かれている。2018年までは背景に見える事務室部分が2階建てとなっていて上からも見学できたが、コロナで公開中止されている間に2階部分が撤去されてしまい、俯瞰写真は撮影できなくなってしまった。
写真2-1, 2-2, 2-3 機体各所に書かれたS/Nがそれぞれ異なっているF-86F。(2023年10月22日撮影)
(3) OH-6J (31103, 33.2311N/131.7722E) 学園祭時には機内公開していた。日曜の午後に訪問して人が入らない状態の写真を撮影するのは非常に困難な機体。機内に銘板が残されており、31103号機であることを確認できた。
写真3-1, 3-2 どうというコトの無いOH-6Jだが、日曜の午後にこのように人のいない写真を撮るのは非常に困難だ。機体の脇で何分待っただろうか・・・・(苦笑)。(2023年10月22日撮影)
(4) SNJ-6 (6182, 33.2317N/131.7724E) 1963年に用廃となり、1965年1月には下総の3MSSで教材機として使われていた。その後は築城市理研病院、別府市のリンドバーグ病院にて展示されたのちに、本学にやってきたという経緯を持つ機体。2005年11月にはこの場所に置かれていたことを示す写真がヒコーキ雲さんに投稿されている。本Blogでは2023年10月に訪問するまでは「すでに廃棄されたもの」として扱っていた機体。ボロボロだったが2022年に卒業生がキレイに再塗装してくれたとのこと。ありがとうございます。>関係者の皆様
写真4-1, 4-2 垂直尾翼と左水平尾翼の一部は透明プラスチックとなっており、内部作動部の構造が分かるようになっている。(2023年10月22日撮影)
(5) Cessna 185 (JA3165, 33.2310N/131.7727E) 見ての通り”ゲタ履き機”だ。国内にある”ゲタ履き機”は本機と、宮崎空港近くに置かれているセスナP206Eロバートソン (JA3552と推定)の2機のみだ。
写真5-1, 5-2 日本国内にてフロート付の民間機を見ることが出来るのは、本学と宮崎空港近くの展示機の2か所だけだ。(2023年10月22日撮影)
(6) Beech C18S (JA5033, 33.2318N/131.7723E)) 校舎裏手にSNJと共に置かれている。公開エリアの裏手になるため、忘れずに訪問しよう。
写真6-1, 6-2(2023年10月22日撮影)
(7) Beech G50 (JA5051, 33.2311N/131.7722E) 普段は格納庫の中にあるG50。この日は表に出してコクピットを公開していた。
写真7-1, 7-2(2023年10月22日撮影)
(8) エルクーペ 415C (N93586, 33.2311N/131.7722E) 1955年頃に輸入されたがJAナンバーでの登録はない。別府市の富士見病院(現別府中央病院)で展示された後、同市のセスナ薬局餅ヶ浜店にて1994年から2021年6月末の閉店時まで展示されていた機体で、閉店後に本学に寄贈された(注)。銘板は取り外してオーナーが所有しているとのこと。国内では恐らく1機しか残されていない貴重な機体だ(詳細未調査)。
本学においては”新顔”だが、国内登録日を基準とした場合には、本学展示機中で最も古い機体だ(前述のとおり、本機は国内登録されていないので、”1955年頃”という輸入日基準で考える)。2番目に古い機体は海上自衛隊のSNJで1956年4月に”中古機”を供与されたもの(したがって"製造日基準"の場合にはSNJが最も古い機体ということになる)。3番目はBeech C18S でJA5033の登録は1956年11月だ。
注:セスナ薬局は、上述したF-86F(487号機)を展示していたリンドバーグ病院の処方箋を扱っていた。企業としての薬局の経緯や機体を本学に寄贈したとの一言がHPに記載されている。(2023年10月28日参照)セスナ薬局
写真8-1 エルクーペ415Cって知っとるけ?2021年に寄贈された、本学に展示された機体の中では新顔だ。(2023年10月22日撮影)
【その他】
(1) MU300与圧試験供試体(33.2311N/131.7722E) ギロチン破断テストの跡やセンサを取り付けた跡などが残る。機体構造を知るための教材として利用されているとのこと。
写真(2023年10月22日撮影)
(2) B-747コクピットトレーナー (33.2311N/131.7722E)
見学客が多く、人の写りこんだ写真を好まない私は撮影していない。
【余談】
(1) 訪問前日はソウルエアショーを見物。深夜便で羽田空港に戻ってベンチで仮眠したのち、始発の電車で成田空港に移動し、LCC始発便で大分に移動した。これでも本学に到着したのは午後1時過ぎ。帰りの便のために滞在2時間半ほどで退場したが、キャンパス内では(機体周辺から人がいなくなるのを待っていたために)トイレに行く余裕すらなく、また「自衛隊車両展示(恐らく軽機動装甲車あたり)」もあったが、これを見ることも無く本学を後にしたのであった。
なおソウルから福岡に行けば?と思う方がおられるだろうが、夕方までソウルショーを見て(土曜日一日しか行かない)、翌日に(出来るだけ安い費用で)本学を訪問するというと、この選択肢しかなかったのだな。一部、撮りたいカットが撮れなかったものもあるが、ソウルエアショーも本学教材機も撮ることができて満足です。
(2) 某社では2023年秋の時点で用廃機ガイドブック(仮称)を制作中。その締め切りに間に合うかどうかというタイミングで行われた2023年の学園祭の訪問。あわよくば写真の1枚でも冊子にブチ込めるのではないか?と考え、学校関係者と事前に写真投稿の可否について問い合わせを行っていました。私自身は「単なるヒコーキマニアのオッサンで、撮影した写真を雑誌社に読者投稿するだけ。その採否権限は無い。」と言う立場ですが、色々とご配慮くださいました学校関係者の皆様には心より御礼申し上げます。
ちなみに発刊予定のガイドブックとはこんなものらしい。
以上