用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【慶尚南道】ジンジュ-サチョン間の大通り脇にあるT-37C

<編集履歴> 17Jul.2019サチョン周辺の機体紹介記事として公開、16Nov.2023見直し更新(第6回目、見直し実施)

 

<場所 Place> ジンジュ(晋州)ーサチョン(泗川)を結ぶ晋州大路の脇、高速道路の高架橋の約750m北。その高速道路の北を並行して走る道路2号線の高架橋の約150m北。

<座標 Location> 35.1447N, 128.1017E

<訪問日Visit> 28Oct.2018 and 06Nov.2023

<行き方 Access>

(1) 晋州市内バスNo.110, 111, 121, 123, 132, 133, 140, 160が機体前の前のカジュワイジュダンチ(加佐移住団地/가좌이주단지)のバス停に停車する。No.121と123は晋州市外バスターミナル前を通過する。バスターミナルからの所要時間は早朝なら15分程度だが、平日7時半ごろからは通勤ラッシュとなり、サチョン方向への車列は全くといってよいほどに動かない。晋州市内からはバス停で二つ手前のキョンサンククリプデハッキョ カジュワ キャンポス ジョンムン(慶尚国立大学校加佐キャンパス正門/경상국립대학교가좌캠퍼스정문)で下車し、約1kmを歩いた方が確実に早く到着する。また、このバス停を通過するバスの本数は多く、最初から歩くつもりで慶尚国立大学校加佐キャンパス正門まで行った方が早く到着するかもしれない。

・本Blog内の参考記事:

【慶尚南道】慶尚国立大学校の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

(2) 晋州市外バスターミナルもしくは晋州高速バスターミナルからサチョン・サンチョンボ(三千浦)行の都市間連絡バスに乗車し、15-25分程度。左手に機体が見えたら下車する。高速道路との交差が見えたら下車と考えても良い。次のバス停まで行ったとしても、約500mを戻れば良い。

(3) サチョン市外バスターミナルから晋州市外バスターミナル行路線バス、あるいはタクシーを利用して数分。高速道路との交差あたりが目印。

【ジンジュ/サチョンまでのアクセス】

(1) ソウル南部ターミナルからサチョンを経由してサンチョンボに行く市外バスが一時間に一本程度、一日に20数本運行されている、所用4~4.5時間程度だ。

(2) ソウル南部ターミナルから晋州までの市外バスが一日。に20本程度運行されている。所要4時間程度。到着後にターミナル脇(屋外)よりサチョン方面(サンチョンポ行)の普通バスに乗り40分程度。なおサンチョンボ行のバスは晋州市街バスターミナルが始発で、晋州高速バスターミナルを経由する。

(3) ソウルから晋州までの高速バスが1.5時間に一本程度ある。晋州高速バスターミナル到着後にターミナル前を通過するサチョン方面(サンチョンポ行)の普通バスに乗り、30分程度。

(3) 釜山西部バスターミナル(沙上)とサチョンを結ぶ市外バスが一日に22本程度。サチョン下車。朝夕や日曜日夕方の行楽帰りの渋滞に巻き込まれなれなければ所要1.5時間程度で料金は8,500‐11,000W程度 。渋滞にハマると2倍くらいの時間がかかることは覚悟しておく必要がある。

<解説General> 

晋州市は2006年6月18日に1,000万ウォンの事業費をかけた本機の設置事業を完了した。2006年6月19日付の報道各紙の電子版ニュースを読むと、どうやら四川基地/空港周辺の騒音対策として加佐移住団地を造成し、基地周辺の住民を移住させたようだ。そして団地造成の目的を対外的に知らせ、住民と行政(基地側)の和解のシンボルとして本機を展示することになった、という流れらしい(ただし、訪問時に機体の脇にあった説明板には韓国空軍におけるT-37運用の概略と機体サイズ程度しか記載されておらず、本機の展示目的は見当たらなかった)。なお2018年訪問時の説明板には「本機は2005年7月28日に空軍より寄贈された」旨の一文が記されていた。前述の設置事業完了までに11カ月ほどの開きがある。空軍からの寄贈日、現地搬入/設置日、設置事業完了日はそれぞれ異なるので、日付を述べる際には注意していただきたい。なお航空ファン誌上で大路氏も述べているが、「和解のシンボル」として騒音の元凶となった機体を展示するかぁ?と思うのは日本人の心情だろうか?また「総事業費1,000万ウォン」というと、すごくすごい金額のように聞こえるが日本円にすると100万円程度だ。機体の脚の下の土台の作成、ステンレスの柵の設置、周囲の芝生を考えれば、そこそこ妥当な金額でしかないように思う。

【展示機 Aircraft】

(1) T-37C (60885) 機体はメタリックな銀地に塗られている。あまり下がって撮影することができないので、フルサイズで18-24mm相当のレンズが必要だ。機体右側は高さ6m程度の石垣の壁となっており、身軽な姿であればよじ登り、見下ろす形で機体を執ることがことができる。私が訪問した際は2回とも雨上がりで滑りやすい状態だったのでそこまでトライはしていない。

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写真1-1, 1-2 フルサイズ24mm程度で撮影したT-37C。機体両側とも、これ以上は下がって撮ることはできない。(1-1: 2018年10月28日、1-2: 2023年11月6日撮影)

 

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写真2 サチョンに向かうバスの車窓より撮影したもの。機体が見えてから直ちに停車ボタンを押すと約500m先で停まる。(2018年10月28日撮影)

 

【文献(日本語)】

(1) 「韓国の展示機ガイド第3回 KAI航空宇宙博物館と韓国南東部の展示機編」大路聡、航空ファン2008年9月号No.669, p78-79(本展示機に関する本邦初の紹介文献だ)

(2)「「一泊二日で訪ねる」KAI航空宇宙博物館と近郊の展示機」大路聡、航空ファン2019年10月号No.802, p.77

 

【余談:サチョン市周辺の紹介】

 釜山の西約90kmの街サチョン(泗川)にはサチョン基地があり、KAIの工場と民間空港が隣接している。サチョン基地は韓国空軍の訓練基地であり、かつてはT-33AやT-37Cが飛び回っていたが、現在ではKT-1部隊が所属している。空港脇(基地正門前)にはブラックイーグルス塗装を施された3機のT-37Cが並んでいるほか、隣の晋州市との間には本記事で紹介したT-37Cが1機展示されている。KAI工場敷地の一角には航空宇宙博物館があり、アジアで唯一のB-29が展示されている。民間航空便ソウル金浦空港との間に一日3往復ほどの定期便がある。西暦偶数年の10月末にはサチョンエアショーが開催される。

・本Blog内の関連記事;

【慶尚南道】サチョン(泗川)市サチョン基地前のT-37C - 用廃機ハンターが行く!

【慶尚南道】サチョン(泗川)市のKAI 航空宇宙博物館 - 用廃機ハンターが行く!

【慶尚南道】慶尚国立大学校の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

以上