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【台湾】台湾空軍 中興號の展示機

<編集履歴> 10Feb.2021公開、13Mar.2023見直し更新(第1回目、体裁見直し)

 

  T-CH-1中興號は1973年11月23日に初飛行し、1981年までに52機(試作XT-CH-1A(0701)およびXT-CH-1B(0702)を含む)が生産された。空軍の練習機として1985年にT-34Cが導入されたことによって岡山基地での飛行教育任務を終えた機体(30機といわれる)は台南基地に移管され、その一部は1984~85年にかけて海洋偵察型R-CH-1や軽攻撃型A-CH-1に改造された。A-CH-1は1992年に退役、R-CH-1も1998年7月1日に退役した。

 詳細はこちらへ(他力本願モード全開)中興號教練機 - 维基百科,自由的百科全书

 本Blogでは中興號の名を持つこれら三機種の展示状況についてまとめてみよう。
 民国108年度(2019年度)三軍陳展装備列表を見ると「中興號」は「溪湖鎮軍機公園」の一機しか登録されていない。この機体はR-CH-1であり、かつ展示されているのは溪湖鎮軍機公園から2kmほど離れたお宮の裏手に置いてある。これも詳細は別稿記事を見ていただくとして、ここでは国防部が作成した登録上のリストと現物が一致しない例がある、ということだけを覚えておけばよいだろう。 

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写真1  岡山基地近くの兆湘國民小學にあるT-CH-1。(2017年11月26日撮影)

 

 【展示機Aircrafts】

 さて現在、台湾内に残る中興號は以下の9機だ。このうち2機は偵察型のR-CH-1だが、一機はカメラベイを胴体下に設けたタイプ、もう一機は翼下にカメラポッドを搭載したタイプなので両機とも記録するよう努力してほしい。

(1) T-CH-1 (0701 / 62-3001) 台中、漢翔航空工業(AIDC)

(2) T-CH-1 (0702 / 63-3002) 旧桃園大園基地内、旧航空科学館展示機

(3) T-CH-1 (0711 / 65-3011) 台南基地

(4) T-CH-1 (0720 / 67-3020) 岡山の兆湘國民小學

(5) T-CH-1 (0741 / 69-3041) 桃園の国防大学理工学院

(6) T-CH-1 (0742 / 69-3042) 岡山の航空教育展示館

(7) T-CH-1 (0744 / 70-3044) 台中の成功嶺軍史公園

(8) R-CH-1 (0749 / 70-3049) 溪湖鎮軍機公園近隣のお宮(霖肇宮)の裏手に展示。胴体下にカメラベイを設けKS-67Aカメラを搭載したタイプ。108年度三軍陳展装備列表に中興號として記載

(9) R-CH-1 (0752 / 70-3052) 花蓮基地、翼下にKS-600カメラポッドを搭載したタイプ

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写真2  かつて桃園国際空港の航空科学館(閉館・解体済)に展示されていた練習機塗装のT-CH-1。(2008年12月21日撮影)

 

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写真3 花蓮基地のR-CH-1(0752 / 70-3052)は両翼下にKS-600偵察ポッドを取り付けた機体だ。写真はCCK基地公開時に展示された現役時代の同機。(1997年8月14日撮影)

 

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写真4 渓湖の霖肇宮にあるR-CH-1(0749 / 70-3049)の胴体下面のカメラベイ。右が機首方向だ。(2009年8月13日撮影)

 

※参考記事:

【彰化縣】渓湖軍機公園とその周辺 - 用廃機ハンターが行く!

以上