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【台湾】台湾空軍 S-2シリーズの展示機

<編集履歴> 10Feb.2021公開、14Mar.2023見直し更新(第2回目、体裁見直し)

 

 台湾空軍ではアメリカ海軍を退役した10機のS-2Aを購入、これらは高雄港に1967年2月に到着し同年3月31日に正式配備された。対潜部隊の編成はこれに先立つ1966年10月1日なので、史実を語る際には注意するように。1976年に16機のS-2Eを購入し、9機のS-2Aと交換した。1979年に追加で18機のS-2Eを購入、1986年にはさらに7機のS-2Gを追加購入した。1980年代後半になりS-2E/Gの延命を図るためにノースロップグラマン社にてターボプロップ化する計画(天山計画)が進められ最初に2機のS-2GがS-2Tへ改装された。初号機の初飛行は1988年7月とされる。空軍では当初保有していた32機全てをS-2Tへと改装する予定であったが、最終的には27機が改装された。S-2Tは2017年12月1日に最終飛行を行い全機が引退した。S-2の運用は空軍から海軍に移管され、また空軍に戻すというややこしい歴史を有している。詳細は面倒なので略。本機の引退後は対潜任務はP-3Tへと引き継がれている。
 108年度三軍陳展装備列表には教材用として教育機関に引き渡された2機が登録されているのみだが、台湾内にはA型が3機(機首部分のみの1機を含む)、E型が2機、T型が6機(リスト掲載の2機を含む)の合計11機が展示されている。なお岡山の空軍技術校内にS-2T(2503)があるという情報がある(Bob OgdenのS/N本第2版)が、その存在は確認されていない。

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写真1 新竹基地内のS-2T。(2017年11月25日撮影) 


<展示機>
(1) S-2A (2001) 航空教育展示館、機首部分のみ。元桃園空港航空館内展示物

(2) S-2A (2102) 航空教育展示館、Bu.133051

(3) S-2A (2103) 旧桃園大園基地内、元航空科学館展示機、Bu.133057 

(4) S-2E (2125) 新竹基地、Bu.153559

(5) S-2E (2128) 軍史館軍機展示場、Bu.152359 

(6) S-2T (2204) 屏東南基地

(7) S-2T (2205) 高雄市華德高級工業家事職業學校、108年度三軍陳展装備列表に記載

(8) S-2T (2206) 航空教育展示館、Bu.153561、S/N 2216が正しいものと思われる

(9) S-2T (2211) 台南市、安平定情碼頭 德陽艦園區(毎日0900-1900)

(10) S-2T (2214) 新竹基地

(11) S-2T (2226) 台中市朝陽科技大學、108年度三軍陳展装備列表に記載

※S-2T (2503) 空軍技術学校(22.7978N, 120.2801Eと言われるが機影は確認できない、またネット上で写真を見つけていない)

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写真2 岡山の空軍軍史館前の軍機展示場にあるS-2E。(2017年11月26日撮影)

 

【余談】

S-2Aの4桁番号は2001, 2101-2105, 2108-2110, 2113となっている。2104-2107, 2111, 2112が欠番となっているが、その理由は不明だ(サラリと調べて判らなかった)。

以上