用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

海上自衛隊 その他の固定翼機の展示機

<編集履歴> ??Aug.2018Mixiに公開、21Feb.2019はてなBlogに移設して公開、01Oct.2023見直し更新(第26回目、U-36Aの初号機用廃)

 

 海上自衛隊で使用されてきた固定翼機のうち、「小型機~中型機」に分類される大きさの訓練機、連絡機およびその他の固定翼機のについて展示状況をまとめてみよう。

なお「固定翼訓練機」という分類にすると、引退したYS-11Tや現行の第205飛行隊(下総)のP-3Cが含まれるが、これは「大型機」の「輸送機」や「哨戒機」の項で取り上げることにする。またここではアルファベット順に機種を並べて紹介するが、B-65、JRB-4(SNB)、KM-2、SNJ、T-34Aは別記事としてまとめたのでそちらを見ていただきたい。

<別記事参照>

【B-65】海上自衛隊 B-65の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

【JRB-4】海上自衛隊 JRB-4の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

【 KM-2】海上自衛隊 KM-2の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

【SNJ-5/-6】海上自衛隊 SNJの展示機 - 用廃機ハンターが行く!

 【T-34A】海上自衛隊 T-34Aの展示機 - 用廃機ハンターが行く!

 

<上記以外の各機種の展示機>

【 C-90シリーズ】

 現在も連絡機LC-90(9301-9306)、練習機TC-90(6801-継続購入中)を運用している。かつては国土地理院から地図作製のための航空写真撮影機UC-90(9102)も運用していたが、本機は2010年に退役し、廃棄された。訓練部隊のある徳島航空基地にTC-90が1機展示されているほか、消火訓練用としても1機が存在している。

(1) 6802 徳島航空基地にて胴体部分を消火訓練に使用中(34.1307N, 134.6044E)。GE-Pro画像によると2009年11月18日撮影分以降に機影が確認できる。

(2) 6810 徳島航空基地の正門、ゲートを入ってすぐのところに展示されている。

写真1-1 徳島航空基地正門にあるTC-90用廃展示機(2022年10月1日撮影)

 

【T-5】

 1989年から運用されている現行の初等練習機。2015年3月までに66機が調達され生産を終了した。初期に納入された機体のうちほぼ半数はすでに用途廃止となり、そのうちの1機が小月基地に展示されている。また基地史料館内には6316号機の垂直尾翼が置かれている。展示するのに手ごろな大きさであるため、今後は展示機が増える可能性が高い。なお機体番号を消した機体(6313号機)の胴体部分が福岡県博多区立花寺の大川金属(株)に飾られていたが、GE-Pro画像を確認すると2014年11月14日以降、2015年12月7日までの間に撤去されていた。

(1) 6334 小月基地に2015年10月より展示

写真2 2018年に特別塗装を施された小月航空基地のT-5(6334)用廃展示機。(2022年10月30撮影)

 

【U-36A】

 翼下に曳航標的を装着して海自艦艇に対して射撃訓練の支援を行ったり、翼端に設けたポッドから対艦ミサイルのシーカーを模擬したり、電子戦を仕掛けるなどの電子戦支援を行う訓練支援機。1985年から6機(9201-9206)導入したが、2機(9202、9203)を事故で失っている。2000年半ば頃までは胴体下に黒いレドームを設けていたが、機器更新により撤去されている。2022年(令和4年)12月16日に閣議決定された「防衛力整備計画」より、概ね2027年度まで退役させることが明記された。2023年8月22日にはPAR最終号機(9206号機)が新明和徳島工場から引き渡されて納入されている。U-36Aの定期修理は1989年から始まり今回(最終回)で41回目を迎えたという(防衛省近畿中部防衛局の公式Xより)。これにより3年後の27年度中には全機が退役することがほぼ確定となった。展示機は存在しない。2023年10月1日の木更津航空祭に展示機を持ってきたクルーの話では9201号機はこの時点で既に用廃となっているとのこと(Xへの投稿より)。

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写真3 U-36AとP-3C。(2017年10月7日下総基地にて撮影)

 以上