用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【香川県】陸自 善通寺駐屯地の展示機

<編集履歴> 18Dec.2022公開、10Apr.2023見直し更新(第3回目、再訪、写真更新)

<場所 Place> 香川県善通寺市南町2-1-1 善通寺駐屯地

陸上自衛隊第14旅団

<訪問日Visit> 16Dec.2022, 31Mar.2023

<座標 Location>  34.2205N, 133.7818E

<行き方 Access> 

(1) JR土讃線善通寺駅から道なりに約1.6km、徒歩約20分。

<解説General> 

(1) 第14旅団司令部、第15即応機動連隊など四国内の部隊の中枢部門が駐屯する駐屯地。敷地内に乃木大将が勤務したこともある旧司令部(通称”乃木館”)が残っており、水曜日および年末年始を除く平日0900-1200、1300-1600は見学できる。入場は無料で個人で訪問する際には「特に予約の必要は無い」。2022年12月23日時点ではネット上のいくつかの観光案内サイトには「予約が必要」と言う話と「予約は不要」という話が入り乱れて存在しているので繰り返すが、「個人で訪問する際には予約なしで見学できる」(広報担当者に直接確認済)。ただし一般論として遠方から訪問する場合には、念のために事前に一報を入れて開館していることを確認した方がベターであろう。

 なお大型バスを利用して来訪するような団体(15~20名程度を超えるような場合)での見学の場合には事前に駐屯地広報班(Tel. 0877-62-2311、内線2311)に連絡を入れ、他の見学団体との調整を図って欲しいとのことだ。

 年末年始は例年12月25日前後から1月10日ごろまでは休館だ。2022年度の場合には12月26日から1月6日(金)まで休館、7~9日は「通常の非公開日」なので実質的には「10日から一般公開」再開となる。年末年始の帰省や休暇などを利用して訪問を考える場合にはやはり事前に広報班あてに連絡を入れて確認しよう。

乃木館 - 陸上自衛隊第14旅団

(2) 乃木館の前庭にF-86D、V-107A、UH-1H、OH-6Jの4機が展示されている。また74式戦車などの車両が5両展示されている。これらは北東を向けて置かれているので午前中に訪問すると機体右側を順光で撮影できる。夏季であれば15時ごろからは機体左側が順光となるハズだ。ただし機体や車両の間隔が狭いため、両端にある機体を除いて「真横」写真は超広角レンズが無いと撮影できない。

(3) 展示機・展示車両は2022年12月から2023年3月末までの間に塗り直されていた。

【展示機 Aircrafts】

(1)F-86D (04-8191) 陸上自衛隊駐屯地に展示されているF-86Dは全国に2機存在するが、これはそのうちの1機。もう1機は滋賀県の大津駐屯地にある。ロケット弾ポッドは収納されており、増槽タンクも無いスッキリとした姿だ。乃木館側の高所からやや見下ろす形で右側面を撮影することができる。機体左側にはコクピット見学用のタラップがあるが、キャノピーの劣化が激しく計器盤やラジオコールなどを十分に確認することはできなかった。2004年11月21日には設置されていたことを示す写真がヒコーキ雲さんに掲載されているが、F-86Dの引退時期から1970年ごろにはすでに広報用展示機としてここにあったものと考えている。

写真1-1, 1-2 銀塗装が色褪せて白化したのか、あえてライトグレイの塗装をしたものが褪色したのか、とにかく「白地」に見えるF-86D。(2022年12月16日撮影)

 

(2) V-107A (KV107II-4, 51735) 機体に描かれたS/Nは全て消えている。コクピット内にあるはずの銘板や計器盤のラジオコールは確認できなかったため、現時点で本機が「51735号機」である証拠は残されていない。機内には「MODEL KV107II」(KVと107IIの間にハイフン無し)という川崎重工のプレートとIRAN記録のプレートが確認できた。2004年11月21日には設置されていたことを示す写真がヒコーキ雲さんに掲載されている。

写真2-1, 2-2 S/Nは全て消えているV-107A。(2022年12月16日撮影)

 

(3) UH-1H (41683) 機体に描かれたS/Nは全て消えているが操縦席の計器盤に「JG41683」のラジオコールが残る。機内にあるはずの銘板はみつけることができなかった。機体前にある説明版には「UH-1”J”」と記されているが、これは明らかに間違っている。先代の展示機であるUH-1B (41522)と置換されて2012年11月9日には設置されていたことを示す写真がヒコーキ雲さんに掲載されている。

写真3-1, 3-2 こちらも全てのS/Nが消えているUH-1Hだが、操縦席の計器盤に "JG41683"のラジオコールが残っている。説明板には「UH-1”J”」と書かれているので鵜呑みにしないように注意しよう。(2022年12月16日撮影)

 

(4) OH-6J (31110) 機体に描かれたS/Nは全て消えているが機内には「JG31110」と打刻した銘板が残る。機体前にある説明版には「OH-6”D”」と記されているが、これは明らかに間違っている。OH-6のスキッドは機体側に付いたスキッド支柱外筒部分と橇の部分から伸びたスキッド支柱内筒部分からなり、中にショックアブソーバーとしてスプリングが内蔵されている。本機はこの部分が壊れているようで右側が縮んでしまい、機体が右に傾いている。桜のシーズンには脇に植えてある桜と絡めたショットを撮ることができそうだ。2004年11月21日には設置されていたことを示す写真がヒコーキ雲さんに掲載されている。

写真4-1, 4-2 桜の樹があるために左側面は撮りづらいOH-6J。説明板には「OH-6”D”」と書かれているが、見ての通りJ型だ。機内には「JG31110」と打刻した銘板が残っていた。胴体から伸びるスキッド支柱の長さが左右で異なるのでやや右に傾いている。(上:2023年3月31日、下:2022年12月16日撮影)

 

【展示後廃棄】

(1) UH-1B (41522) 2004年11月21日には存在していたが、2012年11月9日には現在の展示機であるUH-1H (41683)に置換されていた。

 

【展示車両等】

60式装甲車、61式戦車74式戦車、74式自走105mm榴弾砲、75式130mm自走多連装ロケット発射機の5両が展示されている。訪問時にはこれら車両群の脇で訓練が行われており、休憩する隊員等が車両の周囲にいて絵にならなかったので、ほとんど撮影していない(注:訓練中だから撮影しなかったというワケではない)。

写真5 展示車両と展示機群。(2022年12月16日撮影)

以上