用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【ハノイ】フュティエップ池に沈んだB-52

<編集履歴> 22Apr.2019公開、15Jan.2022見直し更新(第4回目、写真追加)

<場所 Place>       フュティエップ池、Ho Huu Tiep

<座標Location>       21.0379N, 105.8270E

<機体> B-52D(56-0608, 99BW/307SW)の中後部胴体部分

<訪問日 Visit> 30Sep.2018

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写真1 池の中に沈むB-52の残骸を18-55mmの標準ズームレンズにて。(2018年9月30日撮影)

 

 <行き方 Access>

(1) ハノイ市内にあり、市バスあるいはタクシーを利用。 

<解説General> 

(1) B52戦勝博物館の北東約300mにある50m四方程度の小さな池に撃墜されたB52の一部が沈んでいる。残骸は小さすぎてGoogle Mapの衛星写真では確認できない。池のほとりにある解説版には「1972年12月27日23:05に第285ミサイル連隊が撃墜したB-52G」と書かれているが、米軍側の記録ではこの日に撃墜されたB-52G は存在しない(注1)。この機体は「12月19日に撃墜されたB-52D(56-0608, 99BW/307SW)」というのが定説だ。すなわちB52戦勝博物館に展示された残骸と同じ機体だ。なるほどB52戦勝博物館に展示されている機体残骸には(この池に沈んでいる)後部胴体部分が存在しない。

(2) GoogleMap上ではB52戦勝博物館の東北東200m付近にもHo Huu Tiepが存在するが、こちらの名称は間違いと思われる。本Blogの緯度経度情報を元に位置を確認して欲しい。

(3) 市内各所からのバスが近くまで来ているが、池の周囲に通ずる道は細く迷いやすい。事前にGoogleMapの該当エリアを印刷したり画像情報として保管する場合には、なるべく細い道が写るような縮尺倍率で保管しておこう。

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写真2 反対側から見た残骸。(2018年9月30日撮影)

 

注1: ベトナム戦争関連の観光名所にある説明板の記述内容は考証が十分でないものが多い。例えばHCM市の統一会堂に展示されているF-5A戦闘機の説明版には機種を「F-5"E"」と記載してある。このため機体に詳しくない一般旅行者が現地で撮影した説明板の写真を見て旅行記を書く際に機種を誤って記載することが非常に多い。また現地を知らずして記事を書こうとして「F-5AとF-5Eの二機が存在する」などという誤った情報を発信する場合もある。一方でベトナム戦争中の事案については「さんざん調べた結果、本件については"分からない"ということが分った」というケースも多い。ベトナム戦争遺物の説明を書く際には「**によれば」と情報の出所を記すことを心掛け、万一間違っていた場合には引用元にその責任を押し付けるような文面にしておくとよいだろう。

以上