用廃機ハンターが行く!

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【雑談】親子で読もう!空宙博おすすめ本

<編集履歴> 19Jan.2024公開

 

 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館では2月19日(月)までの間、ミニ企画展「親子で読もう!空宙博おすすめ本」を開催しています。

詳細はこちら;

空宙博ミニ企画展「親子で読もう!空宙博おすすめ本」|【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館公式ウェブサイト

 

 さて私は日本国内の航空博物館における図書コーナーの在り方について、「資料/史料はきちんと収集し、研究者に対して公開する仕組みを整えるべし」、「一般書は(博物館が主導して)観客に対して広く紹介するべし」という考え方を持っています。上手く考えをまとめきれていはいないけれど、詳細はこちらの記事を読んでくださいませ;

【雑談】航空博物館の図書スペースについて - 用廃機ハンターが行く!

 

 その考え方からすると、これは「とても良い企画」だと思う次第。

 願わくば、この企画終了後で良いから、「おすすめ本(2023年度版)」を博物館のHPで公開してもらえないかな、と思います。

 本の良否はその時々の時勢を反映していたり、新たな見識が加わることで、流行り・廃れがありますね。10年、20年後に、親から読み聞かせてもらった子が、自分自身で何を選んで読み続け、そして自分の子どもに対して何を読み聞かせてあげられるようになるのでしょうか。同じ内容の本となるか、全く異なる視点から書かれた本を推奨するか。そんなことを比較するときの資料になるのじゃないかと思うのです。

 

【雑談の余談】

(1) では自分の記憶に残る航空本は?と考えてみた。パッと思い浮かぶのは「最後の30秒」(山名正夫著、朝日新聞社1971)、「マッハの恐怖」(柳田邦夫、フジ出版社1972)、「マッハを撮る」航空ジャーナル1979年7月臨時増刊号・・・。そのほか、「大空のサムライ」(坂井三郎、初版は光人社(1972))を始めとする戦記物は多いけれど、ほとんどの物は1970年代刊行かぁ。子供の頃にイロイロと知りたくて、出てくる単語の意味も分からないまま、必死こいて読んだ本はよく覚えているモンだなぁ。最近では「〇〇さんの書いた本や記事は、やっぱりツッコミが鋭いね」などと思うことは多いけれど、「本のタイトルは?」と聞かれると思い出せないコトも多くなりましたw(そしてGoogleに単語を入れて、検索して確かめる)。

 

(2) 「親子で読める本」というと、ヒコーキとは関係なく、「絵本の読み聞かせ」が頭に浮かぶ。絵本でヒコーキを扱ったものは、どれだけあるのだろうか?そこで「絵本」+「飛行機/ヒコーキ/航空機/ヘリコプター」などの単語で検索してみると、そこそこの量の本が引っ掛かってくる。ただ、鉄道や自動車(車両)、船舶の話に比べると数は少なく、ヒコーキは国内では馴染みのないモノだということが、改めて認識できる。逆を言えば、絵本の分野は、まだまだ作画して発行する余地を残しているといえるだろう。

 ここで個人的興味にて「面白そうな話題」を列挙すると、空中消火、救難(山岳・海洋)/ドクターヘリ、スタント/アクロバット、ブッシュパイロット、不妊化ウリミバエ放虫、送電線点検、ニュース報道、災害状況確認あたりだろうか。それぞれの活動分野を10ページ程度の「絵本」にまとめるのであれば、そこそこできそうな気がする。

 ただし、”馴染みのない分野”なので、販売するという点からは極めて弱い。そもそも論として、少子化が進む現在では、子どもの絵本市場自体が小さくなっているうえ、「本を読む」という文化が廃れてきている世代の親が、自分の子どもに対して「本を読み聞かせるか?」という問題もある。もともと(若い世代で)収入が低いと本の購入費は少なくなる傾向があるし、「本を読む」習慣がないと「無料で借りられる図書館を利用する」という発想も出てこないぞ。

 ヒコーキ分野の絵本を作ろうと考えた場合、出版社などが他の儲けられる部門(鉄道や車両など)とワンセットシリーズとして、「赤字覚悟で、航空分野の普及を目的」として出版する必要がありそうだ。

 石田徹也の「飛べなくなった人」の絵などは、ヒコーキを知ってこそ、哀愁をもって笑えると思うのだけれどなぁ。親子で「面白い絵だね」という程度でサラリと流すだけでも見ておくと、その後の感性に広がりを持たせることができるようになるかも・・・しれない。

飛べなくなった人A man who has lost the adility to fly|石田徹也ishida tetsuya

以上