用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【慶尚南道】サチョンエアショ―(サンチョンポ大橋公園会場)撮影ガイド

<編集履歴> 08Nov.2023公開

 

【はじめに】

 「サチョン(泗川)エアショー」は2023年から「偶数年はサチョン基地にて」、「奇数年は空軍基地ではなく、その他のどこか」で開催されることになった。そして奇数年には原則としてブラックイーグルス以外に軍は関与しない方針だそうな。こうなると奇数年に現地を訪問しようと考える方は、まず居ないものと思ってはいる(そもそもブラックイーグルスは月に2回くらいは各地の上空でフライトを行っているので、本記事で紹介するサンチョンポ(三千浦)まで、わざわざやってくる理由は無い)。

 「サチョンエアショー2023」は2023年11月4日(土)-5日(日)にサチョン市南部にあるサンチョンポ デキョ コンウォン(三千浦大橋公園)で開催された。私自身は5日に訪問したので、その際の様子を「撮影ガイド」として記しておく。次回(2025年)もここで開催されるかどうかは分からないが、次にこの場所で行われる際の参考となれば幸いだ。

 なお、偶数年(2024年以降)にサチョン基地で行われる(予定の)エアショーでの撮影ガイドはこちらを参照のこと。

【慶尚南同】サチョン(泗川)エアショー撮影ガイド - 用廃機ハンターが行く!

写真1 大橋を渡った小島にある水族館からフルサイズで230mm程度で編隊が目いっぱいになる。晴れていれば順光で背中側を狙えるぞ。(2023年11月5日撮影) 

 

【アクセス】

<サンチョンポバスターミナルまで>

(1) ソウルから1.5時間に1本程度の割合で、ジンジュ(晋州)、サチョンを経由してくるバスの便がある。ソウル市内のバスターミナルやバスの種類よるが、おおむね3.5万W~5.0万W程度、所要4.5~6.0時間程度。

(2) プサン(釜山)から1.5~2.0時間に1本程度の割合で、サチョン経由のバスの便がある。バスの種類によるがおおむね2.7万W~4.5万W程度、所要3.5時間程度。

(3) ジンジュ市外バスターミナル-ジンジュ高速バスターミナルーサチョンバスターミナルーサンチョンポを結ぶ都市間バスがある。快速(直行バス)と各駅停車(慢行バス)があるが、おおむね9千W程度。ジンジュ市外バスターミナルからサンチョンポターミナルまでは、すんなり行けば60分ジャストだが、朝夕の渋滞に巻き込まれると110分はかかる。

<サンチョンポバスターミナルから大橋公園まで>

(1) バスターミナル前(道路を渡った反対側)から、公園の先まで行く便/大橋を渡る便/大橋の直前まで行くバスを合わせると時間2~3本の便がある。料金は1,500W程度だが、それぞれのバスの運行時間は1時間に1本程度以下。バス路線番号や発車時刻は頻繁に変わるだろうから、各自で必要時に調べよう。タクシーを利用することを強くお勧めしておくぞ。ちなみに大橋公園まではバスターミナルから約2.2km、歩いても30分程度だ。(私は往復とも歩いた)

<大橋公園から水族館>

(1) 上述の通り、バスターミナルから大橋を渡った先の小島にある水族館脇までは市内バスで行けるが、運行間隔は1時間に1本以下だ。大橋公園もしくは水族館まではタクシーの利用をお薦めする。

(2) 大橋公園から水族館までは無料シャトルバスがある。運行間隔は土日祭日は15分に一本程度で、水族館のサイトにて乗降場所の詳細と運行間隔などは確認できる。エアショー開催時には大橋公園側の乗降場所が変わるので注意する(ハングルで注意書きがある)。なお、ブラックイーグルスの演技の前後1時間程度は大橋公園周辺が大渋滞となり、バスは全く動かなくなる。歩いても1.5km程度なので歩こう(大橋道路の両端に歩道がある)。

 

【撮影ポイント】

2023年11月5日のブラックイーグルスのショーは11時からと15時からの2回、フルショーが予定されていた。しかし、午前の部は視程が悪く2回の編隊パスのみで終了。午後は視程はやや良くなったものの黒い雲が上空にあり、フラットショーが行われた(ただしソロのスロー/ファストでは単機ループを披露)。この限定された条件下での撮影状況を以下に記す。なお、私自身は橋を渡った小島にある水族館の周辺で「裏から」演技を見ているので、実際の課目の進入方向(メイン会場から見た咆哮)とは逆の向きを記すことになるので注意願いたい。

(1) メイン会場/大橋公園 (34.9321N / 128.0519E)

イイ感じに見えるがここは終日逆光となる。特に午後のショーではほぼ真正面に太陽が来る。公園のステージ前に設けられた臨時席(4~500席)に座って見る観客が多いが、その両端やロープウエイの駐車場付近にはまばらにしか人はいない。

写真2 メイン会場から見た大橋と水族館方面(右手の観覧車があるあたり)。ブラックイーグルスはアーチ橋のかかる小島(立入禁止)付近の上空から手前側を通過する。(2023年11月5日撮影)

 

(2) メイン会場の南西にある防波堤付近(34.9280N / 128.0561E)

午後の光は左手斜め前からとなる(ハズ)で、メイン会場よりかは幾分マシ。景色は良いのだけれど、やはり光線具合がねぇ~。

写真3 防波堤先端付近から見た大橋と水族館方面(左手の島の上に建物があるあたり)。ブラックイーグルスは中央左の橋げた付近の上空を通過しているハズ。(2023年11月5日撮影)

 

(3) 水族館の観覧車前の展望台 (34.9273N / 128.0467E)

水族館のある小島に渡ると演技が”裏”となるが、順光で撮影できる。水族館の観覧車前の展望台からメイン会場を正面に見ると、左手側から正面にかけての視界は良いが、右手からの進入の際にはロープウェイのロープがかかる。

写真4  観覧車の前にある展望台から撮影すると右側から進入する編隊はロープウェイのロープが被る。作例は250mm程度で撮影したもの。(2023年11月5日撮影)

 

(4) 水族館の第二駐車場、トイレ上の展望台 (34.9253N / 128.0457E)

道路脇の駐車場内、トイレの上に設けられた展望台。右手から正面までの視界は良好だが、左手からの進入の際にはロープウェイや観覧車が重なる。また建物や植樹などがあるので、スニークパスなどの「超低空」課目はスモークの一部しか見えない。さらに背後からの進入(会場から見ると正面からの進入)課目は土産物屋の建物の屋根が下側にかかる。

写真5-1、5-2 第二駐車場のトイレの上の展望台から撮影すると左から進入してきた機体はロープウエイに被る。観覧車と絡むことも多く、ピントが瞬時に手前の構造物に合焦してしまうこともあるので気を付けよう。(2023年11月5日撮影)

 

(6) 隣の小島の漁港 (34.9245N / 128.0401E付近)

 600mm程度以上のレンズで観覧車を絡めたショットが期待できそうだが、位置と高度は運次第。作例写真は無い。

 

【2023年11月5日訪問時の周辺状況】

(1) 「サチョンエアショー2023」というものの、韓国空軍アクロチーム”ブラックイーグルス”が午前と午後の2回、展示飛行(ただしフルショー)を行うだけで、これ以外にヒコーキは無い。会場には軍のリクルートブースがあり、資料配布などやっていた。

 

(2) メイン会場となった三千浦大橋公園の全景を写真6に示す。中央付近のステージ(ロープウェイの支持柱の根元にある白色のドーム状の部分)前に4-500席程度を設けてある。ロープウエイの支持柱周辺には30団体程度のブースの入ったテントが張られている。韓国にミリタリーグッズ(お土産)を扱う習慣はあまりなく(徴兵制なので、普通に街中で「必需品」は入手できる)、「物産展/飲食店」ばかりだ。ブラックイーグルスグッズを扱う店が一店だけ入っていた。ロープウエイ発着場が高台にあり(画面の右端から1/3付近)、その周辺に数百台分の駐車場があるが、ブラックイーグルスのフライト前後には周辺は大渋滞となる。でも会場の両脇の岸壁や私の居た対岸の水族館周辺はスカスカだ。恐らく会場周辺の観客数は2~3000人程度(家族連れが大半なので5~600世帯分程度)だろう。山頂までロープウエイが伸びている。600mm程度以上を担いで山頂に登ると面白い絵が撮れそうだ・・・が、前述の通り、完全な逆光だ。

写真6 大橋の上から見たメイン会場周辺。ロープウェイは山頂まで伸びている。(2023年11月5日撮影)

 

(3) 天気について。前日朝ごろでの天気予報は一日中「雨」であったが、取りあえずロケハンに行ってみようと計画を立てていた。当日朝の天気予報では雨から曇へと幾分状況は好転しているが、現地に行くとヘイズ(シーフォグか?)が酷い。午前のフライト時間頃には雲の切れ間から青空が見えるも視程がどうにも悪い。これはキャンセルかな~と思っていた。時間になると上空のかなりの高度で編隊が2回旋回を行って状況偵察したのち、アプローチを長くとって右からカラースモークを引いて1回、やや時間をおいて左からホワイトスモークを引いて1回、それぞれ編隊パスをしただけで終わってしまった。
 午後は幾分視程が回復したものの、暗い雲が上空にある。そんな中でもフラットショーながらフルショーを見せてくれました。作例写真の通り、大橋の脇にはロープウエイが走っているので、演技高度はあまり下げられないハズだが、ラインアブレストターン(フラットショーオリジナル課目)直後に見せるスニークパスの低いこと!ただし撮影の立ち位置が悪く、スモークの上端の一部が見えるのみだった(イタリアで低空飛行をやって、ロープウエイのガイドロープを切断してキャビンを落下させ、20数人殺したアメリカ海軍のEA-6Bの事件を思い出しました)。 
 午後の演技が終わって30分後に雨が降り出しました。ギリギリの条件でのショーだったようです。

 

(4) 午前の演技(前述の通り2回のパスのみで終了)を終えてから午後の演技までの間に3.5時間ほど間が空く。この間に5kmほど離れた場所にある韓国ポリテク航空大学の展示機を見に行くことができないだろうか?タクシーを拾えれば、なんとかなるだろうかと思っていたが甘かった。メイン会場周辺は大渋滞で全く動いていない。徒歩で往復することはできるけれど、少々冒険のタイムススケジュールだ。お昼も食べたいし・・・と考え、結局、韓国ポリテク航空大学の訪問は諦めることにした。

※韓国ポリテク航空大学の展示機情報はこちら;

【慶尚南道】韓国ポリテク航空大学(サチョン市サンチョンポ) - 用廃機ハンターが行く!

 

(5) 公園敷地内にコンビニやら食堂がある。ただし、どこも満員だ!500mほど町に戻った辺りにある地元スーパーで菓子パンを購入することになりました。なお周辺には海鮮料理店が多くあるが、当日はどこも盛況だった。2023年訪問時に値段表を見たところ、マトモに刺身や焼貝などの料理を頼むと一人分3.5万~5万W程度が飛んでいく。通常は二人分から注文を受付けるので、私のように単身で現地に行くと、二人分を頼むしかないのだな(これは焼肉店でも同様)。一人料理(海鮮チゲのようなもの)も1.5万W程度からあったけれど、とにかく混んでいたので、今回は諦めました。

 

【その他】

近所にはKAI航空宇宙博物館や道路脇にT-37Cが展示されている場所がある。機会があれば足を延ばしてみよう。

【慶尚南道】サチョン(泗川)市のKAI 航空宇宙博物館 - 用廃機ハンターが行く!

【慶尚南道】サチョン(泗川)市サチョン基地前のT-37C - 用廃機ハンターが行く!

 

Black Eagles display at Samcheonpo, Sacheon-si, S-Korea on 5th Nov., 2023.

以上