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【慶尚南道】サチョン(泗川)エアショー撮影ガイド

<編集履歴> 04Jun2019公開、08Nov.2023見直し更新(第8回目、タイトル変更)

【注意】

 本記事は次回のショー案内ではなく、ここ数年の状況をまとめたものです。訪問される方は当該年の特設HPを参照して最新情報を確認ください。なお私自身は2018年10月と2019年10月に訪問しています。

【概要】

 偶数年の10月最終週末ごろにサチョン(泗川)基地の一角で行われている基地祭規模のエアショー。日本から弾丸ツアーで行くことも可能だ。普段は撮れない韓国軍機をゲットできる貴重な機会をモノにしようじゃないか。

<注意>

 2023年からは偶数年は基地の一角で、奇数年は規模を縮小して「サチョン市のどこか」で実施することになった。空軍が全面的に協力するエアショーは奇数年にはADEXソウルエアショー、偶数年は南部でのサチョンエアショーということなのだろう。また4日間の開催は流石に長すぎると思ってはいたが、今後「2日間開催」が定着するのかもしれない。2023年11月4日(土)-5日(日)には三千浦の大橋公園にて、ブラックイーグルスのリモートショーのみが実施されている。その時の様子はこちらの記事を参照ください;

【慶尚南道】サチョンエアショ―(サンチョンポ大橋公園会場)撮影ガイド - 用廃機ハンターが行く!

 

【歴史】

 2004年から2018年までは「サチョンエアエキスポ」の名称で開催されていた。その第一回は開催時にはライトプレーンと軽飛行機が展示の主体だったようだ。近年では韓国陸海空軍機などの軍用機が約20機種のべ30機程度が参加するほか、体験搭乗用の小型民間機も10機程度参加するイベントとなっている。また2016年以降には敷地内にあるKAIの工場から出荷前の外国ユーザー向けのT-50が展示されている。2018年には米軍オーサン基地所属のA-10Cが参加した。2019年10月からはイベント名称を「20**サチョンエアショー」に変更しているが、2019年向けの開催準備期間中に名称変更を行ったものらしく、招待した曲技チームのサイトや約1年前からのイベント紹介サイトの一部などには「エアエキスポ」の名称が残されている。

上述の通り、2022年までは木曜から日曜日までの4日間開催だったものが、2023年には空軍は実質参加せず(ブラックイーグルスのみ)、かつ土日のみの2日間開催へと期間短縮が行われた。また同時に偶数年は空港で空軍が参加して開催し、奇数年は規模を縮小することが伝えられている。今後も日程や開催場所の変更が有り得るので、訪問を考える方は日程と開催場所をしっかりと確認してから出かけよう。

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写真1 2016年以降にはKAIから輸出前の機体が展示されている。2016、2017、2018年にはイラク向けT-50IQが展示された。(2018年10月撮影)

 

【名称】

(1)「20**サチョンエアショー」という。

(2) 2004年第1回から2018年第15回までは「慶南泗川航空宇宙エキスポ(キョンナム サチョン ハンコン ウチュ エキスポ)」と称していた。なおメインタイトルとしてSacheon Air Show with ROKAFに相当するハングルを用いていたことがある。

(3) 現地では「サチョンエアショー」で通じる。なおハングル語では長音が無いので発音は「エアショっ」となる。

 

【開催時期、時間、入場料】

(1) 開催日は偶数年10月の最終週末の木曜日から日曜日の四日間もしくは二日間。

※2023年は11月4日(土)、5日(日)の二日間、場所を三千浦(サンチョンポ)の大橋公園に移して開催

(2) 時間は午前9時から16時まで(2019年開催時)。

(3) 入場料は無料。

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写真2  展示機の多くはコクピットを開放している。見学用梯子の無い側しかマトモには撮れない。(2018年10月撮影)

 

【開催場所】

(1) 偶数年の会場は慶尚南道のサチョン基地・空港の滑走路を挟んだ反対側だ。基地内なので徒歩での入場はできない。

(2) 奇数年の開催場所は固定していない。2023年はサンチョンポ(三千浦)の大橋公園で行われる予定だ。 

 

【現地周辺のアクセス】

(1) 偶数年開催の基地内会場へは次の路線の無料シャトルバスが設定されることだろう。

1) サチョン市外バスターミナル(以下、バスターミナルをBTと略)と会場を結ぶ路線(一系統程度)

2) 周辺数ヶ所の駐車場と会場を結ぶ路線(二系統程度)。開催年ごとにルートが若干変更されるので、特設HPで訪問時に利用可能な路線と停留所を確認すること。

 

【周辺都市などからサチョンへのアクセス】

(1) ソウルの金浦空港からサチョン空港までは一日2~3便あるが、空港前からのシャトルバスは無い。空路やって来た場合には基地ゲート前(ブラックイーグルス塗装のT-37Cが3機並んで展示されているところ)まで行き、やって来たシャトルバスに頼み込んで乗せてもらう。もしくは基地沿いの大通りをさらに400mほど進むと歩道橋があり、その下がシャトルバスの乗降場所となっているので、ここを利用する。なお退場時に空港に行く場合にはバス乗車時に空港にいくのでゲートで降ろしてほしい旨をハングルで運転手に告げる。英語や日本語は通じないので、事前に依頼事項を翻訳ソフトなどを使って紙に書いておき、これを見せると良いだろう。

(注:私自身は現時点では音声変換アプリは信用していない。「空港」「下車(または停車)」「正門」などの単語を書いて見せてボディランゲージでやり取りする方が、まだ正確だと思っている)

(2) ソウル南部ターミナルからサチョンBTを経由して巨済島に行くバスが一日24本程度ある。所用4時間程度だが、渋滞にハマると1~2時間程度遅れることがある。特に週末は行楽帰りの渋滞が各地で発生し、バス発着に大きな乱れが生ずるので、十分余裕を見て利用すること。

(3) 釜山西部BT(沙上)とサチョン市外BTを結ぶバスが午前6時から概ね45分おきに午後8時頃まで一日22往復ほど走っている。所要1.5時間で運賃は8,500W(一般)~11,000W(優等)。釜山空港からなら待ち時間無しで会場まで3時間程度だ。釜山に宿を取って日帰りすることも可能だ。なお2022年10月22日(土)の午前便はほぼ満席となり、土曜日早朝にバスチケットを購入しようとした訪問者は早くて11時発のものしか入手できなかったという(会場到着は14時ごろ)。彼はサチョン到着後、直ちに帰路の便を購入したので19時ごろ発車する便のチケットを入手できたという。認知度が高まるにつれ、今後も韓国国内各地からの訪問者が増えていくものと予想する。

(4) 晋州(チンジュ)市外BTとサチョンBTを経由してサンチョンポ(三千浦)を結ぶ直行バスと各駅停車のバスが20~30分に一本の割合で走っている。各駅停車のバスは晋州高速BTを経由してサチョンに向かう。

(5) ソウル高速BTより晋州高速BTに行き、サチョンへのローカルバスに乗り換えることも可能だ。ちなみ晋州市外BTと晋州高速BTの間はローカルバスで10分程度。市外バスと高速バスは登録先機関が異なるので名称が異なるが、実質的な運行形態、所要時間、運賃は同じと考えてよい。ローカルバスへの乗換えを考えると上記(4)の晋州市外BTを利用する方が使い易いと思われる。

(6) ソウルや釜山から晋州まで鉄道で来て、ローカルバスに乗換えてサチョンに行くことも可能だが、本数が少ないうえ、駅からローカルバスのバス停までやや離れていて判りづらいので、ここでは取り上げない。(サチョンへはKTXの便もある。)

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写真3  CSARデモの一部。滑走路反対側は基地なので撮影禁止。・・・なのだが誰もが撮影している。基地部分は公開しなけりゃイイのだろうと解釈。(2018年10月撮影)

 

【内容】

(1) 地上展示:韓国陸海空軍機、KAI協賛展示、消防・警察ヘリ、民間小型機など

(2) 飛行展示:韓国空軍機、Black Eagles(週末二日は一日2回)、CSARデモ

(3) 体験搭乗:事前応募の当選者のみ。空軍輸送機(CN235もしくはC130)、空軍ヘリコプター(CH47)および民間軽飛行機(各種)により一日に二回ほど行われる。

(4) その他: 軍関連の展示館、地元物産館、土産物店、軽食や飲料の屋台や特設のテント食堂などがある。

 

【航空機撮影状況】

(1) R/W 06/24の北西側が会場なので午後2時頃までは滑走路側は逆光となる。滑走路に直交する形で配置された地上展示機は午前10時半頃にはトップライトとなる。地上展示は午後13時半ごろから機体西側面に光が回り始める。すなわち午前10時半ごろから13時半頃までは撮影には向かない。飛行展示は15時過ぎになってようやく光が回り込む程度だ。

(2) 滑走路反対側は軍事基地のため撮影禁止との立札があるが、皆さん撮影されている。撮影した写真の基地部分はカットして自身のサイトに掲載したり、基地部分の写った写真や映像の投稿は控えるなど、あまり刺激しない方が「なぁなぁ」で撮れる状態を維持できることだろう。(注:台湾の基地祭が外国人事前登録制となったのは日本人(中国人説もあり)が基地内の様子を中国誌に投稿したことが発端だといわれる。公になれば対応しなくてはならない事柄もあるが、逆を言えば公にならなければ目をつむってくれることもある。そのあたりは”長く、うまく”おつきあいできるようにしたいと考えます。)

(3) コクピット公開する地上展示が多いため撮影アングルは限定される。

(4) 航空博物館から午前のフライトは順光で撮影できるがやや遠く、編隊で400~600mm程度のレンズが欲しい。

(5) 市外バスターミナル前の大通りを基地方面に真っすぐ約1.7kmほど進んだ川にかかる橋の付近から編隊を300mm程度で狙える。ショーセンターの反対側に近く、午前のフライト時にはおススメの場所だ。

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写真4 滑走路方向は午後2時頃までは逆光となる。

 

【その他】

 (1) ショー期間中にKAI工場の裏手にあるサチョン航空宇宙博物館に行く場合には会場から博物館近くの駐車場行のシャトルバスを利用して行くことができる。2019年の場合、KAI工場裏手の駐車場(A1バス停)から徒歩5分、その他の駐車場近くのバス停からでもおおむね1km程度であった。

(2) KAIからの輸出機の展示実績は次の通り。

 2016年 : T-50IQ  IQF5003 / S/N不明

 2017年 : T-50IQ  IQF5024/ S/N不明 

 2018年 : T-50IQ  IQFNo.不明 / 17-0019

 2019年 : T-50TH タイ空軍No.不明 / 20-0010 

 ※ 2022-2023年頃にはアルゼンチン向けの機体が展示される可能性があると予想

  する。

(3) 2022年10月のショーではKF-21が展示された。

 

【宿泊】

(1) サチョンの市外バスターミナル近くにはホテルやモーテルが少ない(とはいえ、旧道周辺に10軒以上はある)ので部屋が無ければ晋州に宿を取るとよい。2023年秋の一泊料金は4.5万~7.5万ウォン程度。

(2) 晋州市外バスターミナル周辺にモーテルが数軒ある。予約は不要で直接窓口に行って空室を確認する。一泊4.5万~6.0万W程度だ。また500mほど北東に行った辺りにもモーテル街があるが、バスターミナル周辺に比べるとやや高い気がする(4.5~7.5万ウォン程度)。合計で15軒近くあり、中には日本で予約できる所もある。一般のホテルは市内数か所にある。

(3) アクセスの項で述べたが釜山西部バスターミナルからサチョンバスターミナルまでは1.5時間。釜山市内に宿を取れば、宿から会場まで3時間程度なので、通えないことはない。

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写真5 順光でタキシングを狙えるポイントがあるかどうかは、その年の会場レイアウト次第。2018年にこの写真を撮影したポイントは2019年には設置されなかった。 

以上