<編集履歴> 09Dec.2021公開、13Dec.2021見直し更新(第3回目、MiG-15の話とJ6/MiG-17中国の話を分離独立)
中国各地にあるMiG-15について少し書いておこう。原則としてウンチクは書かずに「知りたければググれ!」を基本としている本Blogだが、なかなか自分の好みにあった使い勝手のよいサイトが見つからない。仕方がないので自分でまとめてみた。主に中国の百度百科の解説から抜き書きしたメモ書き程度の内容だが、お役に立てれば幸いだ。これを見て記事を書こうなどと思ったライターさんは必ず百度百科をもう一度見て数値(年月日や生産機など)を確認してくださいね。
【機種名の表記方法】
本Blogにおける中国語の機種名表記のルールについては別項を参照ください。
【中国】基礎編 機種名表記について - 用廃機ハンターが行く!
【MiG-15シリーズ】
中国では単座のMiG-15および改良型のMiG-15bisと複座のUTI-MiG-15が使用された。全機がソ連から輸入・移管されたMiG-15シリーズの総数は不明だが、時々のイベントごとの機数が知られている。細かいことは百度百科を参照のこと。
【MiG-15】
MiG-15の初期型で1950年10月13日に上海に駐留していたソ連空軍より38機のMiG-15が移管されたのを皮切りに1950~1951年の間654機が輸入された。最終的に何機が輸入されたのかは不明。
写真1 主翼下面のアンテナと機首左下の機銃取付部の形状からMiG-15bisと判断。No.32の機体キャノピー上方にペリスコープが無いが、2015年夏ごろ以降の写真を見ると付いている。(中国航空博物館、2011年11月5日撮影)
【MiG-15bis】
MiG-15のエンジン更新型。中国には1952年~1955年の間に1,460機が輸入されている。MiG-15との外観上の明確な識別点が少ないので識別は困難だが、概ね次の4点に該当したらbisだ。
1) 左翼先端下面と右翼付け根下面の脚より前にπ型の電波高度計用(と言われる)アンテナがある。(ただし展示機では腐食して欠損している場合がある)
2) 左主翼上面内側の境界層隔板の中央部に切り欠きがある。(MiG-15の後期生産型にも切り欠きがある)
3) 機首左側下方の23mm砲銃身の取付部の膨らみが前脚ドアあたりまでしかなく、その後方2か所に膨らみがある。(取付部の膨らみが前脚ドアの後方まで伸びていて膨らみが無ければただのMiG-15かMiG-15bisの初期型)
4) 見比べた場合、bisのスピードブレーキの方が面積が大きい。(ただしbisの初期型はMiG-15と同様の面積0.5m^2のもの)
写真2、3 上はMiG-15の機関砲取付部、下はMiG-15bisのものだ。取付部の長さと後方の膨らみの有無に注目しよう。(中国航空博物館、2011年11月5日撮影)
【UTI-MiG-15】
MiG-15の複座型練習機。1951年にソ連より360機のMiG-15と12機のUTI-MiG-15の合計372機が寄贈された。1951~1958年間に357機のUTI-MiG-15を輸入したというが、最終的に何機を輸入したのかは不明。
写真4 MiG-15の複座型。(中国航空博物館、2011年11月5日撮影)
【余談】
MiG-15シリーズとJ-5(MiG-17)シリーズの見分け方の解説はこちらへ。
【中国の展示機】MiG15シリーズとJ-5(MiG-17)シリーズの見分け方 - 用廃機ハンターが行く!
【参考】
世界の傑作機No.97「MiG-15”ファゴット”, MiG-17"フレスコ"」(2020年アンコール版)
百度百科の「米格-15战斗机」、「歼-5」および「歼教-5」(2021年12月10日閲覧)
以上