用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

陸上自衛隊 固定翼機の展示状況

<編集履歴> 14Dec.2019公開、05Feb.2021見直し更新(第9回目、L-19, LR-1およびT-34Aを分離、独立記事とした)、06Feb.2021見直し修正(第10回目、V-22について追記、LR-2の写真追加)

 

 主にヘリコプターを運用する陸上自衛隊だが、若干数の小型~中型の固定翼機を連絡機として使用してきた。これらの機体の展示状況を確認してみよう。なお本項はJARG発行のJapanese MilitaryAircraft Serials 2000およびインターネット航空雑誌ヒコーキ雲さんからの情報を抜粋してまとめたものです。原典との間で解釈が異なる場合には、その理由を明記していない限りは当方の解釈ミス・転記ミス・勘違いや誤記と考え、参照元が正しいものとしてください。 

【L-5】

 L-5A/B/C/E/Gの各型合わせて35機が供与され1953-1958年の間に使用された。現存する機体は所沢航空発祥記念館のL-5E(535025)のみだ。なお本機にはL-5GのS/Nである535025が記入されており、その正確なS/Nは不明とされている。

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写真1 所沢航空発祥記念館に唯一残るL-5。(2018年8月22日撮影)

 

【L-16】現存する機体はない。

【L-19】 別稿に移動: 陸上自衛隊のL-19展示機 - 用廃機ハンターが行く!

【L-21】

 S/Nより62機が供与されたものと考える。1953-1965年に使用された。現存するのは所沢航空発祥記念館の一機のみ。そのS/Nは12032、c/n 18-2773。なお旧S/NはH-1032だった。

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写真2 所沢航空発祥記念館のL-21。こちらも現存するのは本機のみ。(2018年8月22日撮影)

 

【KAL-1】 現存する機体はない。 

【KAL-2】

 川崎重工で製造された1機(S/N: 20001、元航空自衛隊の40-1555)が1954-1966年に使用された。現在は所沢航空発祥記念館で展示されている。

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 写真3 国内に1機のみ存在するKAL-2。左側にはT-34が見える。(2018年8月22日撮影)

 

【LMおよびLM-2】 LMのうち3機をLM-2に改造した。現存する機体はない。 

T-34】別稿に移動:陸上自衛隊 T-34Aの展示機 - 用廃機ハンターが行く!

【TL-1】

 81001/81002の二機を運用したが、海上自衛隊に移管してKM-2の6293/6264となった。このため陸上自衛隊機としては存在してない。以後の動向は別項「海上自衛隊固定翼機の現状」を参照のこと。

【LR-1】別稿に移動:陸上自衛隊 LR-1の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

【LR-2】 

 現在、陸上自衛隊が運用する唯一の固定翼機。23051-23058の8機を調達したが、2017年5月15日に23057号機が函館空港に着陸する直前に北斗市山中に墜落、抹消となった。用廃展示機は発生していない。なお23050という架空の番号をつけた整備訓練用に購入した中古のビーチキングエア350が霞ヶ浦駐屯地の格納庫内に存在しており、2001年4月25日の公開時にその姿を見ることができたが、現在も存在するのかどうかは不明だ。

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写真4 墜落・抹消となったLR-2の23057号機。(2015年9月19日立川駐屯地防災航空祭にて)

V-22

 合計17機を導入予定の最新鋭ティルトローター機。2021年2月6日時点で木更津駐屯地に2機が暫定配備されている。当然ながら用廃機は発生していない。用廃になるのは2050年ごろだろうか・・・。

【その他】

 習志野演習場(35.7103, 140.0616)には対テロ制圧訓練用(機内突入訓練用)のB-767胴体部分がある。この胴体については2016-18年頃の調達情報に若干の情報が掲載されているので、興味ある方はジックリと探して見てください。

以上