用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【岐阜県】中日本航空専門学校の展示機・教材機

<編集履歴> 12Jan.2024公開、20Jan.2024見直し更新(第3回目、見直し)

 

<場所 Place> 〒501-3924岐阜県関市迫間 1577 中日本航空専門学校

中日本航空専門学校

<座標 Location>  35.4524N, 136.9344E

<訪問日Visit>  未訪問 

<行き方 Access> 

(1) JR高山本線「坂祝」駅から道なりに約6km

(2) 長良川鉄道「関富岡」駅から道なりに約5.5km

(3) JR鵜沼駅名鉄新鵜沼駅から道なりに約11km

※ 公共交通機関によるアクセスは無いに等しく、基本は車で訪問する場所だ。

<解説General>

(1) 国内最大級の航空専門学校。固定翼機16機、回転翼機12機の合計28機の教材機を保有するが、この機数は国内Topとのこと(2024年1月12日閲覧HPほかより)。また事務棟のある7号館北側に3機の展示機がある。例年10月頃に学園祭(航専祭)が開催されており、展示機および教材機の一部はこの際に見学できるかと思う(未訪問のため、確証無し)。学園祭は直近では2023年10月21日(土)に開催されている(注:コロナ禍が過ぎた2024年以降は、”直近の学園祭開催日”の都度の見直しは行わないつもりです。あくまでご参考情報まで)。

(2) かつて屋外展示機は敷地南西部に置かれていたが、2014年から2017年の間に敷地北東部へと移設されている。

【展示機Displayed Aircrafts】

(1) F-104J (76-8710) 航空自衛隊F-104Jの最終号機で1984年1月25日に第203飛行隊(千歳基地)所属機として用廃になったとされる(ヒコーキ雲さんより)。この日付はおそらく部品等を取外すために岐阜基地(第二補給処)に飛来した年月日なのだろう。軍用系用廃機ハンターとしては記録に残しておきたい機体の一つだ。

 

(2) 三菱シコルスキーS-62A (JA9005, cn. M-62001) 1982年7月6日付で登録抹消。映画「戦国自衛隊」(1979年)に出演した機体。機内のどこかに薬師丸ひろ子ほか出演者のサインがあったそうな。映画出演後に用廃となり、本校の教材機となったが、大きすぎて実習ではあまり用いられることは無かったという。何時の頃からは不明だが、コクピットは計器盤ごと機器類が無くなっていたが、2018年度になってから本校の展示航空機管理グループの手により修復されている。

 

(3) 富士FA-200-180 (JA3538, cn. FA-200-90) 1994年6月20日付で登録抹消されているが、この時点で既に敷地の一角に置かれていたようだ。2013年12月末には旧展示場所に展示されていた。

 

【教材機(固定翼機)Fixed wing aircrafts for training】

 16機存在するという教材機のうち、ホームビルト機を含めて18機を確認済。整備実習用教材機、構造理解のためのホームビルト機、および講義・説明用の機体はそれぞれ別カウントとなっているのだろうか。引き続き確認中。

(1) ビーチクラフトE33 (JA3430, cn. CD-1186) 1993年04月23日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機

(2) ビーチクラフトE33 (JA3432, cn. CD-1188) 1993年04月23日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機で宮崎高専の教材機となった後に本校に引き取られた。現在は倉庫内に保管されている。
(3) ビーチクラフトE33 (JA3433, cn. CD-1189) 1995年12月12日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機

(4) ビーチクラフトE33 (JA3434, cn. CD-1206) 1993年04月23日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機

(5) ビーチクラフトE33 (JA3435 c/n CD-1191)。1993年4月に航空大学校から個人オーナー所有機となり、その後、数回所有者が変わったあと、2004年11月27日に不時着事故を起こして2006年11月13日付で登録抹消。本校の教材となった。事故の影響からか、胴体はスケルトン改修され構造教育用として5号館内に置かれている。

(6) ビーチクラフトE33 (JA3439, cn. CD-1195) 1992年12月21日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機

(7) ビーチクラフトE33 (JA3441, cn. CD-1197) 1992年12月21日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機 

(8) ビーチクラフトE33 (JA3445, cn. CD-1219) 1992年12月21日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機 

(9) ビーチクラフトE33 (JA3449, cn. CD-1223) 1992年12月21日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機 

(10) ビーチクラフトE33 (JA3450, cn. CD-1224) 1993年04月23日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機

(11) ビーチクラフトE33 (JA3451, cn. CD-1225) 1993年04月23日付で登録抹消。元は航空大学校の練習機

(12) セスナ310 (N5077N, cn. 38702) 2000年10月11日付でN-Number登録抹消し、アメリカから日本へ輸出。

(13) ビーチボナンザA36※ (N400WW, cn. E-2360) 2019年07月03日付でN-Number登録抹消し、アメリカから日本へ輸出。ソロイ社製造プレートのcn. 571-016。

(14) ビーチボナンザA36 ※(N450TT, cn. E-2178) 2014年12月01日付でN-Number登録抹消し、アメリカから日本へ輸出。ソロイ社製造プレートのcn. 771-026。

(15) ビーチボナンザA36 ※(N738JB, cn. E-3018) 2016年08月08日付でN-Number登録抹消し、アメリカから日本へ輸出。ソロイ社製造プレートのcn. 871-020。

(16) ビーチボナンザA36※ (N6UG, cn. E-2171) 2016年07月08日付でN-Number登録抹消し、日本へ輸出。ソロイ社製造プレートは無い。

<※注記>

 本校が保有する4機のボナンザは米国ソロイ・コンバージョン社によってタービン化改造された機だ。かつて日本にも同社によってタービン化されたベル47GとヒラーUH-12Eがあり、これらの登録型式は”ベル47GAソロイ”、”ヒラーUH-12ETソロイ/E4Tソロイ”となっていた。これらの前例から本校の機体は”ビーチクラフトA36ソロイ”とすることを提案されている。本件に関しては、現時点での私の知見が追い付かないため、判断保留としている。状況を確認し、判断したら、どのように記載するか定めるつもりです。(2024年1月20日記)

(17) RV-4 (S/Nなし) 組立て実習用小型ホームビルト機

(18) 型式等不明 組立て実習用小型ホームビルト機

 

【教材機(ヘリコプター)Helicopters for training】

12機存在するというヘリコプターのうち12機を確認済。

(1) ベル206B (JA9157, cn. 1998) 1997年11月18日付で登録抹消された兵庫県警”ひよどり。公式X上の配信(2023年6月15日付)より現存を確認した。

(2) ベル206B (JA9158, cn. 2202) 2000年4月7日付で登録抹消された警視庁航空隊”はやぶさ”。公式youtube映像(2023年初頭頃に投稿)にて現存を確認した。

(3) ベル206B (JA9178, cn. 2205) 2000年4月7日付で登録抹消されたのち、教材。

(4) ベル206B (JA9179, cn. 2209) 2000年4月7日付で登録抹消された愛知県警”あかつき”。公式X上の配信(2023年2月24日付)より現存を確認した。

(5) ベル206B (JA9180, cn. 2211) 1999年4月9日付で登録抹消された熊本県警”おおあそ”。公式youtube映像(2023年初頭頃に投稿)にて現存を確認した。

(6) ベル206B (JA9205, cn. 2411) 2000年5月30日付で登録抹消された埼玉県警”むさし”。2023年7月23日のオープンキャンパス時の画像にて存在を確認。

(7) ベル206B (JA9206, cn. 2414) 2001年8月10日付で登録抹消された大阪府警”ちはや”。2022年11月18日撮影というFlyTeamさんへの投稿写真が存在する。

(8) 川崎ベル47G-2 (JA7491, cn.277) 格納庫内に置かれた教材機

(9) 川崎ヒューズ369HS (JA9209, cn. 6648)

(10) アエロスパシアルAS355F1 (C-GVIQ, cn. 5126) 機体には"N355SP"と書かれているが、これは偽番号であり、学生教育の一環として記載したもの

(11) OH-6D (31162 cn. 6463) 車両実習場の片隅に置かれている。

(12) OH-6D (31168 cn. 6472) 車両実習場の片隅に置かれている。

 

【教材使用後、廃棄もしくは譲渡】

(1) セスナ172K (JA3458, cn. 17257744) 1993年12月21日付で登録抹消、元は中日本航空機。屋内展示機となっていたが廃棄された。

(2) 富士LM-1 (JA3098, cn. LM1-1) 1970年9月26日付で登録抹消。元は富士重工有機でcn.が示す通りLM-1の初号機。屋内教材となっていたが廃棄された。

(3) 川崎ベル47G-2 (JA7045) 廃棄

(5) 川崎ヒューズ369HS (JA9204, cn.6647) 1992年12月15日付で登録抹消。教材として使われた後に日本ヘリコプター歴史協会へ譲渡された。(その後、2023年秋に科博廣澤航空博物館へ)

(4) 川崎ヒューズ369HS(JA9099,cn. 6627)中日新聞社で取材用に使われ、1988年1月21日付で登録抹消。本校では2008年3月まで教材として使用したのち、ヤマザキマザック(株)工作機械博物館へ寄贈。 

 

【余談】

(1) 中日本航空専門学校のHPを見て所在地(住所)を探そうとすると見つからない。wikipediaGoogle Mapで探せば、すぐに見つかるのだが、本家のHPに記載が無いのはどういうことか?連絡先としてメールアドレスは記載されているし、学校資料請求の場合などにはネット上の指定様式に入力して送信する形式となっているため、実務上の不便さはないが、「キャンパスがどこに存在するのか」という最も基本となる情報がHP上には無いのだな。アチラコチラを探した挙句、オープンキャンパス情報のページの中で、車で来訪される方への案内部分に住所の記載があるのをみつけた。また入試情報の試験会場にも記載があった。個人的にはHPのTopページの最下段や、学校概要の部分に住所を表記してもいいのではないかと思う。(2024年1月12日閲覧情報に基づく感想)

(2) 2022年秋に屋外展示機の見学可否を問い合わせたところ、広報担当者殿からは「来るなら事前に連絡してね!」という条件付きで了解を得られていた。しかし、その後、何回か近くまで行く用事があったのだが、どうしても訪問する時間を作ることができず、結果として2023年11月に発行した「日本で見られる保存機・展示機」(イカロス出版)にはF-104J最終号機の写真を掲載することができなかった。これだけは今でも心残りだ。近いうちに(数年以内に)なんとか時間を作って行きますよ!と、宣言しておこう。その際にはどうか宜しくお願いいたしますね!>関係される皆様

以上