用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【北海道】空自 千歳基地の展示機

<編集履歴> 23Feb.2021公開、01Jan.2021見直し更新(第3回目、T-33A(#303)の存在確認)

 

<場所 Place>    〒066-8510 北海道千歳市平和 無番地 航空自衛隊千歳基地

千歳基地|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊

<座標 Location>  42.8128N, 14.6525E 

<訪問日Visit> 10Aug.2008, 07Aug.2016ほか 

<行き方 Access> 

(1) JR千歳駅から正門まで約2km、徒歩約30分。JR南千歳駅から正門まで約2.7㎞、徒歩約45分。

<解説General>

(1) 第2航空団F-15の基地。正門奥に4機の展示機とナイキJミサイルがある。例年7月~8月にかけて航空祭が行われており、その際に撮影できる。(2020,2021年は新型コロナウイルス感染防止のために中止)

【展示機 Displayed aircrafts】

1. F-86D (04-8199) 翼下タンクを付けず、また武装であるロケット弾パックを見せないシンプルな姿であるのは「航空自衛隊基地に展示されたF-86Dの中では」本機のみ。「全F-86D展示機」ということであれば、例えば陸自善通寺駐屯地や日本航空学園山梨キャンパスなどはこのようなシンプルな形態で展示されている。2023年の基地祭前にマークの色直しが行われた。

f:id:Unikun:20210223154207j:plain

写真1  ロケット弾ポッドを見せず、また増槽タンクも無いF-86Dは航空自衛隊展示機の中ではレアな存在だ。(2016年8月7日撮影)

 

2. F-86F-30 (62-7415) F-86Fもタンクやランチャーの無いシンプルな姿で展示されている。本機は翼の上面に境界層板を設けた初期の-30型だ。国内での展示例は少ないのでジックリと眺めておこう。

f:id:Unikun:20210223154415j:plain

写真2 主翼上面(主脚の上あたり)に境界層板があるのが判るだろうか?(2008年8月10日撮影)

 

3. F-104J (46-8574) 台座の上に据え付けられたF-104Jの垂直尾翼右側には203sqn.のマーク、左側は201sqn.のマークとなっているので、両側とも記録に残しておきたい。

f:id:Unikun:20210223155017j:plain

写真3 垂直尾翼の部隊マークが左右で異なるF-104J。(2008年8月10日撮影)

 

4. F-4EJ改 (47-8345) 第302飛行隊は2番目のF-4EJ部隊として千歳で生まれ、那覇百里と移動し、現在はF-35に機種更新して三沢基地に配属されているが、オジロワシマークは変わっていない。この機体も主翼下にパイロンを付けていないシンプルな姿で展示されている。雪害防止の意味合いでもあるのだろうか?2023年の基地祭前にマークの色直しが行われた。

f:id:Unikun:20210223153343j:plain

写真4  第302飛行隊のオジロワシマークを付けたF-4EJ改。(2016年8月7日撮影)

 

5. ナイキJ地対空ミサイル ナイキJを展示している基地も少なくなったように思える。現存するのは千歳、入間、浜松広報館、芦屋くらいか?春日基地にはナイキアジャックスの弾体部分が展示されている。

f:id:Unikun:20210223160424j:plain

写真5 ナイキJ地対空ミサイル。(2008年8月10日撮影)

 

【廃棄された展示機】

1. F-104J (76-8689)

 航空雑誌の基地祭レポートを読む限りでは2002年8月4日以降の基地祭にて展示されてきた機体だが、2020年5月22日付の公告「F-104J展示機の解体および運搬」に基づき解体された。なお2020年11月9日付の千歳基地公式Twitterにて広報館内にF-104Jの計器盤が展示された旨を発信しているが、その写真にて 76-8689の番号が読める。解体された機体の計器盤が展示されたのだろう。

f:id:Unikun:20210118190631j:plain

写真6 せっかくレストアしたF-104J(76-8689)だったが、2020年初夏にスクラップとなった。(2018年7月22日撮影)

 

2. T-33A (71-5303)

 GE-Pro画像によると2015年3月28日から同年9月7日までの間に展示場所から撤去されている。2016年8月7日には翼端タンクを外して基地南端(42.7790, 141.6631)に移動された本機の姿が撮影されている(ヒコーキ雲さんへの投稿写真より)。GE-Pro画像では2017年7月14日~2020年4月14日(最新画像取得日)の画像で機影を確認できる。2022年11月11日時点でもこれまで同様の状態で放置されていることがヒコーキ雲さんに投稿されたが、本機が展示機として復活する可能性は極めて低いと考え、本Blogでは廃棄されたものとして扱い、展示機や残存機のカウントには含めないことにする。

f:id:Unikun:20210223161607j:plain

写真7 2015年に展示場から撤去されたT-33A(71-5303)。2022年11月11日時点でも基地南端付近に放置されているが、本Blogでは廃棄されたものとして扱う。(2008年8月10日撮影)

 

f:id:Unikun:20210223161645j:plain

写真8 基地南端に放置されているT-33A(71-5303)。2017年には隣にT-34A(7-0416)も置かれていたが、見ての通り撮影時には無くなっていた。2022年11月11日時点でもこのような状態で放置されたままとなっている。(2019年2月13日撮影)

 

3. T-34A (71-0416)

 GE-Pro画像によると本機は2011年10月8日以降に展示場所から撤去されているが2013年8月4日の航空祭にてエプロンで展示されている。航空情報誌2013年10月号(No.841)p.23には「今年は(F-104Jに加えて)T-34Aも加わった」との記述があるので、おそらくは2011年秋~2012年内に展示場所から運び出し、1年程度をかけてレストアを行ったのであろう。2016年8月7日の航空祭まで4年間に渡り展示されたが、2017年7月15日のGE-Pro取得画像では前述のT-33Aの隣(42.7790N, 141.6631E)に機体が出現した。続く2017年9月22日取得画像でも機影を確認できるが、2018年8月6日取得画像では機影は無くなっていた。解体されたものと考えている。

f:id:Unikun:20210223161713j:plain

写真9 2011~12年ごろに展示場から撤去されたT-34A。(2008年8月10日撮影)

 

f:id:Unikun:20210223161740j:plain

写真10 基地祭にて政府専用機、F-104Jと並べて展示されたT-34A。後方のF-104Jも2020年6月頃に解体・廃棄されている。(2016年8月7日撮影)

以上