用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【北海道】空自 千歳基地の展示機

<編集履歴> 23Feb.2021公開、17Nov.2025見直し更新(第6回目、見直し実施)

 

<場所 Place>    〒066-8510 北海道千歳市平和 無番地 航空自衛隊千歳基地

千歳基地|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊

<座標 Location>  42.8128N /141.6525E 

<訪問日Visit> 10Aug.2008, 07Aug.2016ほか 

<行き方 Access> 

(1) JR千歳駅から正門まで約2km、徒歩約30分。JR南千歳駅から正門まで約2.7㎞、徒歩約45分。

<解説General>

(1) 第2航空団F-15の基地。正門奥に4機の展示機とナイキJミサイルがある。例年7月~8月にかけて航空祭が行われており、その際に撮影できる。(2020,2021年は新型コロナウイルス感染防止のために中止)

【展示機 Displayed aircrafts】

1. F-86D (04-8199)

 千歳基地には1961年6月10日に小牧基地からF-86Dの第103飛行隊が移動してきており、航空自衛隊全てのF-86Dが運用終了となった1968年10月1日まで、北の空を護っていた。この機体は1960年に米軍から供与され、F-86Dの一斉運用終了日までは第103飛行隊に所属していた。翼下タンクを付けず、また本機種の特徴的かつ唯一の武装であるロケット弾パックを見せないシンプルな姿で展示されている。垂直尾翼には現役時代同様の、第2航空団の"2"を示す「白フチのついたスカイブルーの2本の帯」が描かれている。2023年の基地祭前に垂直尾翼に描かれたマークの色直しが行われている。

・参考:全国のF-86Dの展示機一覧はこちら;

航空自衛隊 F-86Dの展示機 - 用廃機ハンターが行く!

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写真1  ロケット弾パックを見せず、また増槽タンクも無い本機は全国のF-86D展示機の中でも比較的レアな存在だ。往時の第103飛行隊のマークを尾翼に描く。(2016年8月7日撮影)

 

2. F-86F-30 (62-7415)

 航空自衛隊千歳基地にはかつて第3, 4, 6飛行隊のF-86Fが北の護りに就いていた。展示機は翼の上面に境界層板を設けたF-86F-30というの初期のタイプで、1959年に用廃となっている。航空自衛隊で使用されたF-86Fは2024年末時点で35機程度が残されているが、境界層板を付けた初期型のF-86Fはこのうちの5機だけだ。「レア機」と言っても良い機体なので、訪問時にはジックリと眺めておこう。

・参考記事;F-86F 主翼の境界層板 - 用廃機ハンターが行く!

 機首と垂直尾翼には1951-1963年に千歳基地に置かれていた第3飛行隊(その後、三沢基地へ移動)のマークに似せた赤い帯が描かれている。当時のものとは帯の位置や太さが少々異なっているのが残念だ。タンクもミサイルランチャーも無いシンプルな姿で展示されている。

・参考:各地にあるF-86F展示機の一覧はこちら;

航空自衛隊 F-86Fの展示機 - 用廃機ハンターが行く!

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写真2 主翼上面(主脚の上あたり)に境界層板があるのが判るだろうか?(2008年8月10日撮影)

 

3. F-104J (46-8574)

 千歳基地では1962年9月10日からF-104Jの配備が始まり、第201飛行隊と第203飛行隊を編成して約20年間に渡り運用した。台座の上に据え付けられた展示機の垂直尾翼右側には203sqn.のマーク、左側は201sqn.のマークとなっているので、両側とも記録に残しておきたい。また、かつては20mmバルカン砲口がカバーで塞がれていたが、2014年に台座から降ろして整備/再塗装を行った時からカバーが外されている。

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写真3 垂直尾翼の部隊マークが左右で異なるF-104J。(2008年8月10日撮影)

 

4. F-4EJ改 (47-8345)

 千歳基地では1974年に2番目のF-4EJ飛行隊として第302飛行隊が新編された。飛行隊マークは北海道で見られる"尾白鷲"をモチーフとし、翼が”三”、尾羽が”0”、足が”二”を表してる。今では航空総隊隷下の飛行隊(ざっくりいうと戦闘機などの”作戦機”の部隊)では、飛行隊マークの大きさは「原則として」日の丸より小さくするように内規で定められていますが、このマークが制定されたのは内規が定められる以前のこと。このため第302飛行隊では日の丸よりも大きなサイズの"オジロワシ”マークを尾翼に描いていた。ちなみに内規が制定された時には「F-86とF-104部隊を除く」という除外規定もあったため、F-86やF-104部隊では巣直尾翼の幅全体に渡るようなマークが最後まで残されていた。

 第302飛行隊は1985年に那覇基地に移動。さらに2009年には百里基地に移動して、2019年にF-4EJ改の運用を終えたが、同年三沢基地に発足した"新生"第302飛行隊のF-35Aにもオジロワシマークは(サイズは小さくなりましたが)引き継がれている。

さて、ファントムは今でいうマルチロールな機体のはしりで、ミサイルや爆弾など多くの種類の武器を搭載することができるのだが、展示機は増槽タンクも主翼内舷のパイロンもない、機体だけのシンプルな形態で展示されている。雪害防止の意味合いがあるのか、それとも単に管理がメンドウだったからか?ちなみに新田原基地と那覇基地にある展示機も”スッピン”状態で展示されている。

 2023年の基地祭前にマークの色直しが行われた。

・参考:全国のF-4ファントムIIの展示機一覧はこちら;

航空自衛隊 F-4ファントムIIの展示機 - 用廃機ハンターが行く!

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写真4  第302飛行隊のオジロワシマークを付けたF-4EJ改。何もない胴体/主翼下面が寂しいね。(2016年8月7日撮影)

 

5. ナイキJ地対空ミサイル

 ナイキJの訓練弾が展示されている。ナイキミサイルの概要やトリビアなどは別記事を参照願います。

航空自衛隊 ナイキJ 地対空ミサイルの展示場所 - 用廃機ハンターが行く!

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写真5 ナイキJ地対空ミサイル。(2008年8月10日撮影)

 

【展示後に廃棄された機体】

1. F-104J (76-8689)

 航空雑誌の基地祭レポートを読む限りでは、2002年8月4日以降の基地祭にて展示されてきた機体だが、2020年5月22日付の公告「F-104J展示機の解体および運搬」に基づき解体された。なお2020年11月9日付の千歳基地公式Twitterにて広報館内にF-104Jの計器盤が展示された旨を発信しているが、その写真にて 76-8689の番号が読める。解体された機体の計器盤が展示されたのだろう。

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写真6 せっかくレストアしたF-104J(76-8689)だったが、2020年初夏にスクラップとなった。(2018年7月22日撮影)

 

2. T-33A (71-5303)

 GE-Pro画像によると2015年3月28日から同年9月7日までの間に展示場所から撤去されている。2016年8月7日には翼端タンクを外して基地南端(42.7790, 141.6631)に移動された本機の姿が撮影されている(ヒコーキ雲さんへの投稿写真より)。GE-Pro画像では2017年7月14日~2020年4月14日(最新画像取得日)の画像で機影を確認できる。2022年11月11日時点でもこれまで同様の状態で放置されていることがヒコーキ雲さんに投稿されたが、本機が展示機として復活する可能性は極めて低いと考え、本Blogでは廃棄されたものとして扱い、展示機や残存機のカウントには含めないことにする。

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写真7-1,7-2 2015年に展示場から撤去されたT-33A(71-5303)。2017年には隣にT-34A(7-0416)も置かれていたが、2019年2月には無くなっていた。2022年11月11日時点でも基地南端付近に放置されているが、本Blogでは廃棄されたものとして扱う。(7-1: 2008年8月10日、7-2: 2019年2月13日撮影)

 

3. T-34A (71-0416)

 GE-Pro画像によると本機は2011年10月8日以降に展示場所から撤去されているが2013年8月4日の航空祭にてエプロンで展示されている。航空情報誌2013年10月号(No.841)p.23には「今年は(F-104Jに加えて)T-34Aも加わった」との記述があるので、おそらくは2011年秋~2012年内に展示場所から運び出し、1年程度をかけてレストアを行ったのであろう。2016年8月7日の航空祭まで4年間に渡り展示されたが、2017年7月15日のGE-Pro取得画像では前述のT-33Aの隣(42.7790N, 141.6631E)に機体が出現した。続く2017年9月22日取得画像でも機影を確認できるが、2018年8月6日取得画像では機影は無くなっていた。解体されたものと考えている。

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写真8-1, 8-2 このT-34A (71-0416)は2011~12年ごろに展示場から撤去され、レストア後には基地祭で展示されていたが、2017~18年頃に解体/廃棄された。(8-1: 2008年8月10日、8-2: 2016年8月7日撮影)

以上