<編集履歴> 04Nov.2019公開、16Feb.2022見直し更新(第8回目、体裁見直し、写真追加)
かつて桃園国際空港の二本の滑走路の間に航空科学館があったが、新誘導路建設工事のために2014年3月31日に閉館となった。ここでは当時の様子を記録として紹介する。
<場所 Place> 桃園国際空港敷地内
<座標 Location> 25.0726N, 121.2264E
<訪問日Visit> 6Aug.2006, 21Dec.2008, 15Aug.2011ほか
写真1 展望塔から見た展示機の一部。窓ガラスが汚くて機体の輪郭もハッキリしないような原画を、アレコレとかなりいぢくり見られるよう修正している。最近の画像ソフトは大したもんだと思う。(2008年12月21日撮影)
<解説General>
(1) この航空博物館は中華民国交通部民間航空局により設立され、1981年10月31日に「中正航空科学館」としてオープンした。2006年から2008年の間に名称を「航空科学館」と変更している。第三ターミナル建設および新誘導路建設計画により2014年3月31日をもって閉鎖された。展示機は同年から翌2015年にかけて隣接する桃園空軍基地(こちらも現在は閉鎖)に運ばれて5年ほど屋外に放置されていたが、2021年1月頃に約半数の機体は各所に移転された(詳細後述)。残り約半数は現在行方不明となっている。博物館の跡地は現在では二本の滑走路を繋ぐ誘導路になっており、当時の面影は全く残っていない。
(2) 以下の展示機リストのうち*を付けた機体はGE-Proによると2015年4月16日取得画像では桃園基地内の一角(25.0536N, 121.2493E)に集められていたが、2021年2月21日取得画像を見ると機影は全てなくなっていた。2020年7月19日取得画像では全機が存在しており、報道情報などから2021年1~2月にかけて各地に移設されたものと思われる。
【展示機 Aircrafts】
(1) C-47A* (B-259 / 42-93674) 民間航空局飛行点検機塗装となっており、”B-126”と記載されていたが、これは偽の番号。胴体には「民”用”航空局」と書かれていた。2021年1月以降に台湾中部の朝陽科技大學科学に移設されている。
写真2 胴体には”民用航空局”と書かれていた。(2011年8月15日撮影)
(2) F-86F* (6098 / 51-2894) 機体右側のキャノピー下に3個の撃墜マークを描いていた。垂直尾翼には”F-86898”と書かれていた。2022年2月時点での現状は不明だ。
写真3,4 2008年および2011年に訪問した際には機体左側には撃墜マークは記されていなかった。2008年訪問時には機体右側を撮影していないが、2011年訪問時には機体右側に3個の撃墜マークが描かれていた。(上:2008年12月21日撮影、下:2011年8月15日撮影)
(3) F-5A* (1224 / 66-9183) 2014年の博物館閉館当時、F-5Eはまだバリバリの現役であり、デコイとなった用廃機は存在していたものの展示機となった機体は少なかった。このためこのF-5Aは台湾内で見られる貴重なF-5系列の展示機であった。2022年2月時点での現状は不明だ。
写真5,6(上:2006年8月6日撮影、下:2011年8月15日撮影)
(4) F-104A* (4254 / 56-0846) 台湾内に残るA型は恐らく5機。これは貴重な1機だが、博物館閉館後の保管状況は好ましくなかったようだ。2021年頃に中華民國空軍軍官學校に移設された。
写真7,8 チップタンクを付けずに展示されていたF-104A。2007年頃には”中正航空科学館”は”航空科学館”に改称された。(上:2008年12月21日撮影、下:2006年8月6日撮影)
(5) F-100A* (0207 / 53-1550) 2022年2月時点での現状は不明だ。
写真9,10(上:2006年8月6日撮影、下:2011年8月15日撮影)
(6) RF-101A* (5660 / 54-1505) 2021年頃に中華民國空軍軍官學校に移設された。
写真11,12(上:2008年12月21日撮影、下:2011年8月15日撮影)
(7) T-33A* (3338 / 57-0532) 迷彩塗装だった。2021年頃に中華民國空軍軍官學校に移設された。
写真13 "中正航空科学館"時代に撮影したT-33A。(2006年8月6日撮影)
写真14 展示スペースの都合か、両翼端の燃料タンクは外され、両主翼下に置かれていた。また2010年頃の再塗装の際に機首の4桁番号がかなり小さくなってしまった。(2011年8月15日撮影)
(8) T-28A* (2833 / 51-3664) 1990年年代になってから展示された。2021年頃に中華民國空軍軍官學校に移設された。
写真15,16 (上:2011年8月15日撮影、下:2008年12月21日撮影)
(9) T-CH-1* (0702 / 63-3002) この中興号は欣欣水泥森活園に移設された。
写真17,18 (上:2006年8月6日撮影、下:2008年12月21日撮影)
(10) S-2A (2001 / Bu.33057) 屋内にあったS-2Aの機首部。閉館後は岡山の航空教育展示館に移設された。写真の左隅には(まず分からないと思う程度だが)T-33Aのコクピットトレーナーの後ろ半分が写っているが、こちらも航空教育展示館に移設されている。
写真19(2008年12月21日撮影)
(11) S-2A* (2103 / Bu.133057) 1990年代末期頃より展示されていた。2021年頃に中華民國空軍軍官學校に移設された。
写真20, 21 (上:2006年8月6日撮影、下:2008年12月21日撮影)
(12) HU-16B* (1024 / 49-089) アルバトロス飛行艇。2021年頃に中華民國空軍軍官學校に移設された。
写真22 HU-16アルバトロスは救難任務に使用されていた。(2008年12月21日撮影)
(13) PL-1B (5386) 屋内に展示されていた。2022年2月時点での現状は不明だ。
写真23 屋内に展示されていたPL-1B。背景に見学者が写っているが、現在(2022年)ならこのような写真は撮影せずに見学者がいなくなるのを待つか、他の場所を見学して時間をつぶすことを基本としている。この時はたしか搭乗便の出発時間まであまり時間がなく、それでも全てを見ようと文字通り「走りながら」見学・撮影していたと記憶している。(2008年12月21日撮影)
(14) OH-13H / Bell 47G (1108 / 58-5328) 陸軍機で屋内展示されていた。2022年2月時点での現状は不明だ。
写真24 (2008年12月21日撮影)
(15) セスナ182 (N756FY) ”華僑精神號”と機体に記した太平洋横断を行った機体。屋内展示機であったが、現在は臺北城市科技大學に移設されている。
写真25 ”華僑精神號”。(2008年12月21日撮影)
以上