用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【石川県】石川県立航空プラザ

<場所 Place> 〒923-0995 石川県小松市安宅新町丙92番地 石川県立航空プラザ

航空プラザ 航空プラザ 施設マネジメント事業|小松市まちづくり市民財団

<座標Location> 36.4042N, 136.4108E

<訪問日Visit>  17May.2014, 18 Sep.2018, 05Oct.2021ほか

<行き方 Access> 

(1) 小松空港から道なりに約550m、徒歩7分

(2) JR小松駅から小松空港まではバスで12分、運行頻度は20~50分に一本程度だ。なお2時間に1本程度の割合で航空プラザ行のバスもある。バス時刻は航空便の発着に合わせて変更されるので最新の時刻表で確認すること。

 <解説General>

(1) 日本海側にある唯一の航空博物館で1995年11月27日にオープンした。年末年始(12/29~1/3)除き、年中無休。開館時間は0900-1700、入場無料。 

(2) 屋外に2機、屋内に15機(ハンググライダーなど軽量機5機を含む)の合計17機が展示されている。屋内展示は見て回る分には問題ないが、照明がやや暗く、また屋外からの光が強いために綺麗な写真を撮ろうとすると撮影条件はやや厳しい。機体間隔はやや密なので「超広角」系のレンズがあれば持参するとよい。

(3) 管制関連施設、シミュレーター、各種の模型等もあって展示物は充実している。その一方で航空機展示場の四割程度は「子供のための屋内遊技場」となっており、施設の運用方法については疑問を感じる。 

【展示機 Display Aircrafts】

自衛隊機>

(1) F-104J (46-8539) 空自の無償貸付機。屋内保存されている数少ない機体のうちの一機だ。ちなみに国内には約40機のF-104J/DJが全機展示(一機丸々の展示)となっているが、「日常的」に「一般人が見学可能」な「屋内展示」のF-104J/DJは浜松広報館、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館、そして本機の3機しか存在しない。

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写真1 日常的に見学可能な屋内展示のF-104Jは国内に3機しかない。(2018年9月18日撮影)

 

(2) T-2 (99-5163) 空自の無償貸付機。ブルーインパルスでの運用を終えた後、数年間はブルーインパルス塗装のままで垂直尾翼岐阜基地のADTWマークを入れて使用されていた機体。展示に際してADTWマークを消し、”6”のポジションナンバーを入れた。

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写真2 T-2B.I.は最終訓練時に存在していた全7機が各地に展示されている。(2012年9月22日撮影)

 

(3) T-3 (11-5538) 左主脚カバーに展示作業を行ったスタッフの名前が残されている。Jウイング誌2021年8月号別冊「全国保存機・展示機ガイド」を制作した時には締切までに確認できなかったが、本機も空自の無償貸付機だ。冊子をお手持ちであればp.30の記載を修正しておいていただきたい。

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写真3 左主脚カバーに展示作業に携わったスタッフの名前が残るT-3。(2018年9月18日撮影)

 

(4) T-33A (71-5321) 空自の無償貸付機。引退時には入間基地で使用されていたが、展示に際してAPW(あるいはADTW)のマークを記入した。しかし当時の第6航空団司令の一声でマークを第6航空団第303飛行隊(右側)と第306飛行隊(左側)のものに変更したという逸話が残る。1980年頃から1988年頃に岐阜基地に所属していた頃には胴体下に得体の知れないレドーム状のものを装着していた。岐阜基地で撮影する方は多かったと思うが、岐阜基地に離着陸する本機の写真はこれまで1枚しか見たことがない。また岐阜基地祭では何度か本機が展示されているが、このレドームの細部を撮影した写真が公開されたことは無いように思う。横田基地に飛来するC-141A/Bのように「当たり前」の機体だったので、誰も撮影しなかったのだろうか?なお現在の機体のお腹の辺りを見ても、レドームを取り付けた跡は判らない。このレドーム状のものが何であるか、お話しいただける方がおられましたら、本コメント欄かヒコーキ雲さんに投稿をしていただければ幸いです。国内航空史の隙間を埋められれば幸いに思う次第です。

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写真4 左右で部隊マークが異なるT-33A。(2018年9月18日撮影)

 

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写真5 1980年6月ごろから1988年8月頃の321号機の胴体下面にはレドームのようなものが設置されていた。主翼下面にパイロンがあることも注目すべき点だ。(1984年11月2日入間基地にて撮影)

 

(5) KM-2 (6288) 海上自衛隊の練習機。かつては屋内展示だったが2010年ごろに遊具を設置するのと引き換えに屋外展示となった。

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写真6 KM-2。(2014年5月17日撮影)

 

(6) HSS-2B (8101) 海上自衛隊の対潜哨戒ヘリコプター。テイルローターは外されている。

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写真7(2018年9月18日撮影)

 

(7) OH-6J (31093) 陸上自衛隊

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写真8 OH-6Jの後ろに見えるTH-55Jは2019年3月に撤去された。(2018年9月18日撮影)

 

<民間機>

(1) ドルニエDo28A-1 (JA5115) 東京の立川駐屯地でレストア作業が行われ、しばらく展示されたのちに航空プラザに移設された。

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写真9(2018年9月18日撮影)

 

(2) ビーチクラフトE33 (JA3442)

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写真10(2018年9月18日撮影)

 

(3) ピラタスPC-6/B2-H2 (JA8221) 南極観測で活躍した機体

(4) ピッツS-2B (JA11AR) 元エアロック所属機

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写真11 エントランスホールにあるピッツとジャイロコプター(2021年10月5日撮影)

 

(5) ベル47G-2 (JA7316)

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 写真12 隅に追いやられていたベル47G-2。(2018年9月18日撮影)

 

<軽量機など>

(1) 人力飛行機「ゼフィルス・ベータ」号。1997年11月16日に女性パイロットによる国に最長飛行距離(当時、1,004m)を記録した機体。天井から吊り下げ展示

(2) ホームビルト機Evans VP-1 Volksplane

(3) 小型軽量機 天井から吊り下げ展示 

(4) ハンググライダー 天井から吊り下げ展示

(5) ジャイロコプター エントランスホールにピッツと並べて展示

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写真13 ホームビルト機Evans VP-1 VolksplaneとピラタスPC-6。(2018年9月18日撮影)

 

<その他>

(1) F-2B機首部のモックアップ。(X)F-2開発時に製作されたもの。このほかに燃料タンクとASM-2のモックアップが展示されている。F-2Aのモックアップは通常機塗装を施して浜松広報館にて展示されている。

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写真14 F-2B機首部、燃料タンクおよびASM-2のモックアップ。(2021年10月5日撮影)

 

(2) 高機動システム実証機。X-2開発の際に空力的な運動の状態を確認するために製作されたラジコン機。正式には機尾にある銘板から「高運動飛行制御システム(その5)の研究試作」で2007年3月に三菱重工で製造されたスケールモデルの004号機ということになる。

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写真15 高運動飛行制御システム(その5)の研究試作で作られたスケールモデル。(2021年10月5日撮影)

 

(3) 旧政府専用機(B-747-400, 20-1102)の貴賓室。この展示は2022年6月までの公開予定なので、見学はお早めに。

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写真16 旧政府専用機(B-747-400, 20-1102)の貴賓室。(2021年10月5日撮影)

 

<展示後撤去>

(1) TH-55J (61324) アスベスト対策のため、2019年3月に陸上自衛隊に返却(廃棄)

 

【余談】

 2000年代半ばごろに屋内遊技場を設置したころから航空機展示場(博物館)としての運営方針が揺らいできたように感じている。「(航空プラザは)航空機展示場ではなく、多目的ホールに航空機を展示しただけだ」という話が聞こえてきたのもこの頃からだったように思う。ファントムの展示機会を逃した今、自衛隊機の展示は航空自衛隊の用廃UH-60J以外に「小松にゆかりのある機体」の搬入は望めず、当面は大きな進展は期待できそうにない。展示機のバリエーションを見るに、せいぜい”固定翼の”グライダーを展示することくらいだろうか。もちろん「ヤル気」があれば、様々な展示は可能なのだが。「日本海側唯一の航空博物館」としての発展を期待していたが、この辺で終わりかなぁというやや冷めた目で見ている。

 

以上

編集履歴

12Apr.2021 公開

20Oct.2021 見直し更新(第4回目、F-104, T-2, T-33が無償貸付機であることを追記)