用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【東京都】陸自 立川駐屯地の展示機

<編集履歴> 28Oct.2022公開、29Oct.2023見直し更新(第2回目、航空祭訪問、写真追加)

 

<場所 Place> 東京都立川市緑町5番地 陸上自衛隊立川駐屯地

陸上自衛隊 立川駐屯地 公式WEBサイト(GSDF CAMP TACHIKAWA)

<訪問日Visit> 27Oct.2022(外周から眺めたのみ), 29Oct.2023ほか

<行き方 Access> 

(1) JR中央線立川駅北口より駐屯地南東端の正門まで約1.2km、徒歩約15分。

展示機は滑走路の反対側である駐屯地南西端に置いてあり、正門からは約600m離れている。

<解説General> 

(1) 陸上自衛隊東部方面航空隊などが駐屯する。1,200mの滑走路の西側に陸上自衛隊の施設等があり、滑走路の東側には東京消防庁や警視庁の航空部隊が同居している。例年9月~11月にかけて航空祭が開催されている(2020~2022年度は中止)。

(2) 駐屯地南西端に4機の展示機が置かれており、公開イベントの際に間近に見ることができる。なお2023年10月29日に行われた航空祭(創立50周年記念行事)ではL-19Eが再塗装/補修されたうえでエプロンに引き出されて展示されていた。また他の3機も再塗装されていた。

(3) 本駐屯地の展示機は2010年前後には駐屯地正門近く(駐屯地南東部)に置かれていたが、その後、現在の位置(駐屯地南西部)に移転している。過去の写真と比較検討する際にはこの事を頭に入れておこう。

(3) 隣接する国営昭和記念公園(有料エリア内)からでも柵越しに機体を見ることは可能だが、平日は周辺が駐屯地勤務者の駐車場になっていることと、比較的太く密に張った金網があるため、大型カメラ(一眼レフカメラ)での写真撮影には適していない。このため「自分の目で見るだけで良い」「機体番号だけをこの目で確認できれば良い」という人以外にはお薦めしない。スマホや小型のデジカメならば網の目を抜いて撮影可能だ。なお休日には勤務者の駐車車両も少ないので撮影可能となる場合があるが、休日出勤者が機体近くに駐車した場合にはたとえ1台しかなくても機体が隠されて撮影できなくなることもあるので”賭け”だと思って行ってみよう。なお衛星写真を見ると国営昭和記念公園の駐車場(無料エリア)から見えそうな位置にあるが、あと少しというところで見ることができず、見るためには有料エリアに入園しなくてはならない。これらの事から「なんとか見えないものか」とあがいて無駄足を運ぶのはやめて、航空祭に行くか正式に駐屯地見学を申込んで見学した方が絶対によい。

写真1 平日に国営昭和公園(有料エリア)から見た展示機L-19EとLR-1。機体を見られないことはないが、行くのだったら航空祭の時に訪問した方が絶対に良いと思う。(2022年10月27日撮影)

 

【展示機と座標 Aircrafts and Locations】

(1) L-19E (11364, 35.7054N / 139.3995E) 2022年10月時点では国内に6機のL-19が残されているが、陸上自衛隊駐屯地に展示されているのは本機と北宇都宮駐屯地にある機体の2機だけだ。2004年9月12日の公開日には駐屯地南東端の展示エリアに置かれていた。また2023年10月29日の創立50周年記念行事の際には再塗装/補修された機体がエプロンに引き出されて展示されていた。

写真2-1, 2-2, 2-3 創立50周年記念行事の際にはエプロンに展示されていた。(2023年10月29日撮影)

 

(2)  LR-1 (22003, 35.7054N / 139.3995E) 2003年10月26日の公開日には駐屯地南東端の展示エリアに置かれていた。2023年10月29日の航空祭前に再塗装されたものと思われる。

写真3-1, 3-2 創立50周年記念行事の前に再塗装されたようだ。(2023年10月29日撮影)

 

(3) OH-6D (31173, 35.7057N / 139.3996E) 先代展示機であるOH-6J(31098)と置換・設置された。機内には銘板が残されている。2015年9月の公開日には確認されている。2023年10月29日の航空祭前に再塗装されたものと思われる。

写真4-1, 4-2 創立50周年記念行事の前に再塗装されたようだ。(2023年10月29日撮影)

 

(4) UH-1H (41733, 35.7057N / 139.3996E) 2014年9月以降に展示されたUH-1Hの最終号機。機内の銘板は外されているが、計器盤にラジオコールの機番が残る。立川駐屯地においては四代目のUH-1H展示機となる機体だ(初代~三代目については後述)。2023年10月29日の航空祭前に再塗装されたものと思われる。

写真5-1 創立50周年記念行事の前に再塗装されたようだ。(2023年10月29日撮影)

 

【その他】

(1) OH-6D (31172) 航空野整備隊の教材機として使われている機体だが、立川周辺のショッピングモールなどで行われる防災イベントなどで出張展示されることがよくある(2021年7月4日、2022年7月16日、2022年9月23日ほか)。立川駐屯地のHPではイベント予定としては公表しないくらいに小さな地域イベントなので、近隣のショッピングモール等のイベント情報や地方協力本部のイベント情報に注目していよう。本機も機内には銘板が残されている。

写真6-1,6-2 創立50周年記念行事の前に再塗装されたようだ。(2023年10月29日撮影)

 

【展示後に撤去・廃棄・移転された機体】

(1) OH-6J (31098) 2002年11月17日から2011年10月23日の公開日に確認されている。2015年9月の公開日にはすでにOH-6D(31173、現在の展示機)と置換されていた。

 

(2) OH-6D (31154) 1992年3月事故機を修復して展示。2008年10月26日公開日に確認されている。以降2012年11月まで存在していたが、現在の31173号機と置換され撤去された(注:2009年前後の数年間は上記のOH-6J(31098)と本機の2機が展示されていた)。

 

(3) UH-1H (41647) 2002年11月17日の公開日に確認されたが、2009年10月25日の公開日にはすでに撤去されていた。恐らくは立川駐屯地における初代UH-1H展示機。

 

(4) UH-1H (41700) 2009年10月25日の公開日に展示機として存在していたが、おそらくは2010年度中に静岡県富士山樹空の森(2011年4月開園、35.2973, 138.8688)へと移設された。立川駐屯地における二代目のUH-1H展示機。

 

(5) UH-1H (41709) 2011年10月23日の公開日に確認されたが、2014年9月公開日にはすでに撤去されていた。立川駐屯地における三代目のUH-1H展示機。

 

(6) ドルニエDo28A-1 (JA5115) 1996年7月14日には立川駐屯地内にバラバラのままで置かれていたがレストア作業が行われ、同年9月には完成した。その後、しばらくは駐屯地内に展示されていたが、1999年2月28日ごろから石川県航空プラザに移設するための解体作業が行われ3月7日には搬出された。小松市から展示機保存会代表者に宛てた感謝状によると機体は3月15日に到着し、21,22日に再組立てが行われたという。立川駐屯地搬出から小松搬入まで1週間かかっているのは業務日程上、不自然だと思われる(一週間もトラックの上に機体を寝かしておくようなことは、通常はしない)。恐らくどこかで当時の作業日程の記録が間違っているのだろう。(日時記録はヒコーキ雲さん掲載のものより引用)

 

(7) セスナ195(JA3069) 1967年5月31日登録抹消。1967年に大阪府富田林市のPLランドで展示、1988年ごろから立川氏歴史民俗資料館に展示、1994年11月13日立川航空祭に展示され、以後は基地内に保管展示。2015年11月ヤフオクに出品後不明。

 

(8) 2016年10月1日の航空祭においては立飛が保有するR-HM (JA3094)とR-53 (JA3070)が展示されているが、その日限りの出品展示物であるため、ここでは取り上げない。

以上