<編集履歴> 30Jan.2019公開、12Sep.2023見直し更新(第6回目、見直し実施)
【概要と特徴】
日本の東京23区や琵琶湖、あるいは淡路島と同じ程度の面積の国だが、大きな軍事力を保有している国。国土が狭いのでアメリカ、オーストラリア、フランスなどに訓練基地を設けており、例えばM-346ジェット練習機はフランスのCazaux空軍基地でのみ運用されていて「シンガポール国内では絶対に見られない」ことが特徴といえば特徴。
【主な展示場】
1. 一般公開の施設
シンガポール国内で機体が見学のために公開されているのは次の二か所のみだ。
(1) パヤレバー空軍基地の一角にある空軍博物館(国内最大の航空機展示場所)。
(2) シンガポールディスカバリーせンター(SDC)周辺。具体的にはSDC建物脇のA-4S、同じ敷地内にあるArmy Museum内のUH-1H、SDCからの見学ツアーで訪問するSAFTIMI内のTA-4Sの3機だ。ただしArmyMuseumはコロナで客足が遠のいた2020年初めごろから2023年9月時点でも休館が続いている。館内にあったUH-1Hは改装のため屋外に出されたまま(改装工事も中断されたためか)路上で放置されており、朽ち始めている。SAFTIMIのTA-4Sはツアーバス内から遠方にチラリと見えるだけだ。
Singapore Discovery Center周辺の展示機 - 用廃機ハンターが行く!
※セントーサ島のキッザニアには2016年頃からカタール航空塗装のB-737が展示されていたが、2020年6月半ばごろにコロナの影響で客足が無くなったことからキッザニア自体が閉鎖された。2021年秋ごろまでは機体を見ることができたようだが、いつ撤去されてもおかしくはない状況にある。私自身はここに訪問したことは無い。
2. 教育訓練施設
いくつかの専門学校などの教育訓練施設に教育実習用の機体が存在する。これらは比較的容易に見学することができる。ただしコロナ対応後は入場時のチェックが厳しくなっているため、アポなしで入れるかどうかは不明だ(2021年12月26日追記)。
(1) Singapore PolytechnicのA-4SU
【教材機】Singapore Polytechnic - 用廃機ハンターが行く!
(2) TEMASEC PolytechnicのA-4SU
【教材機】Temasek Polytechnic - 用廃機ハンターが行く!
(3) Ngee Ann Polytechnic のA-4SU
【教材機】Ngee Ann Polytechnic - 用廃機ハンターが行く!
(4) Institute of Technical EducationのAng Mo KioキャンパスのB-737、A-4SUなど
【教材機】Institute of Technical Education - 用廃機ハンターが行く!
※ 2005年に空軍から引退したA-4SUのうち4機が上記1)~3)の教育機関と南洋理工大学の合計4か所に貸与されたが、南洋理工大学の機体は2014年以前に空軍に返却された。この機体が本校に貸与されて教材機となっている。
(5) その他、数ヶ所の工学系専門学校の航空部門に整備実習用の小型機が存在する。
3. 次の場所に用廃機が置かれているが、通常は撮影不可。
(1) Tengah 基地ゲートガードのA-4 (1.3743N, 103.7131E)
(2) Changi基地のHU-16 アルバトロス(1.3703N, 103.9824E)
(3) Paya Lebar基地整備訓練棟内の各種の保存機(基地公開日のみ撮影可)
(4) Seleter基地およびSembawang基地のどこかにUH-1があったが、現存するかどうか不明。また近くまで行けるかどうかも不明。
4. 次の場所にはかつて用廃機が存在したが、現存しない。
(1) Changi基地内空軍博物館はパヤレバー基地に現在の空軍博物館が新設された際に展示物の大部分を移設したのち、閉鎖された。
(2) 南洋理工大学のA-4SUは空軍に返却後、ITE Central Collegeにて教材機となる。(前述)
(3) Singapore Science Centerの小型機とヘリコプタ―は2010年頃に撤去された。2020年2月19日の時点で代替機展示の有無不明。
(4) 1996年頃のシンガポールディスカバリーせンター(SDC)には現在のA-4Sの他にホーカーハンターFGA.74 とUH-1Bも置かれていたが、これら2機は2000年頃には撤去されていた。
【航空ショー】
(1) 2年に一度、西暦偶数年の2月中旬ごろに国際空港脇でSingapore Airshowが開催される。一般公開は土日の二日間だ。(2022年2月のショーはコロナ対応のため一般公開日は設定されていない)
【撮影ガイド】シンガポールエアショー - 用廃機ハンターが行く!
(2) 毎年の恒例行事として建国記念日(8月10~15日前後)にはNational Day Paradeが行われる。建国記念日およびその予行日にはマリーナ上空を軍用機の編隊が通過するほか、市内では軍用車両等の行進が行われる。6月ごろからは国防省(MINDEF)のHPで詳細を公表し始めるのでチェックしておこう。日本からの航空券が最も高くなるシーズンのイベントなので"経済的に"行きづらい。
(3) 不定期にPayaLebar空軍基地が一般公開される。2000年以降では2001, 2003, 2006, 2008, 2011, 2016, 2023年に公開されている。ただしSingapore Airshowへの統合がウワサされており、今後は開催されない可能性が高い。なお主力航空基地であるTengah空軍基地では1970-80年代頃に公開行事を行っているが、その後は一般公開行事を行っていない。
【撮影ガイド】Paya Lebar基地一般公開 - 用廃機ハンターが行く!
【スポッティング】
原則禁止。ネット上に外撮り写真もあるが周辺国に比べて掲載頻度は低く、撮影は困難なものと思われる。
【参考文献(日本語)】
「シンガポールの展示機2010」大路聡、航空ファン2010年9月号p.86-89
「スーパースカイホークが展示」山本晋介、Jウイング、2014年7月号p.81
「シンガポールの展示機 スカイホークの現状」山本晋介、航空情報2015年9月号p.67
「最新 シンガポール空軍博物館と各地の展示機」大路聡、航空ファン2023年1月号
【参考サイト】
(1) 各展示場所や教育施設についてHPあり。
(2) その他はairliners.netおよびSpottingmode.comを参照する。
【その他】
(1) 海軍Changi基地内にはNavy Museumがある。ゲートで申請すると入れてもらえるが、館内にはヘリコプタの模型があるだけだ。
以上