<編集履歴> 29Jan.2019公開、15Sep.2023見直し更新(第11回目、見直し実施)
<場所 Place> シンガポール空軍博物館
https://www.mindef.gov.sg/web/portal/rsaf/about-the-rsaf/air-force-museum
<座標 Location> 1.3467N, 103.8992E
<訪問日 Visit> 30Aug.2008, 07Feb.2010, 03Oct.2015, 28Feb.2019, 14Feb.2020, 08-09Sep.2023.
写真1 展示されたE-2C。後方にはポールの上に飾られたハンターやスカイホークが見える。(2015年10月3日11時30分ごろ撮影)
<行き方 Access>
(1) MRTの Eunos 駅から平日はSBS94のバスを利用する。土曜日は運行しているが、日曜祝日は運休するので注意する(なお日曜日と月曜日は博物館の休館日なので注意!)。
(2) MRTのEunos 駅から一般バスでAirport Rd.の入口まで行き、1km程度を歩く。バス停名称はEunos駅から行く場合にはAft. Airport Rd.(エアポート通り後)、Eunos駅に向かう場合にはBef. Airport Rd.(エアポート通り前)となるので注意。Paya Lebar基地公開の際に最も早く基地から最寄り駅(Eunos)に到着する手段となるので頭に入れておこう。
(3) MRTのEunos 駅からタクシーを利用する。
(4) MRT南北線Toa Payoh駅前のバスインターチェンジ(バスターミナルね)からSBS 90を利用。こちらは日祝日でも運行している。このバス路線は途中のMRT北東線Potong Pasir駅と環状線Tai Seng駅の近くを通過する。駅からバス停までは300-500mほど離れているが、必要に応じて利用を考えると良いだろう。
<解説General>
(1) パヤレバー空軍基地の一角に設けられた博物館で18機程度の実機(無人機を含む)が展示されているシンガポール国内最大の航空機展示場所。開館時間は火~土曜日の09:00~16:00で入場は無料。休館日は日曜日、月曜日と祝日。またクリスマスイブ、大晦日および旧正月の前日もお休みだ。コロナ以前とは開館日が変わっているので注意すること。コロナ以前には「土日の弾丸旅行」で十分に見学できたが、現在では日曜日も休館となってしまったため、土曜日の夕方までに訪問するように旅行の計画を立案しよう。
(2) 屋内展示機の側面撮影にはフルサイズ24mm程度以下のレンズが必要。屋外展示機は全景ならばフルサイズ70mm程度があると良い。300mm以上のレンズならアップで撮影可能だ。また休館日でも屋外展示機のうちの数機は撮影アングルが限定されるものの200mm程度の中望遠レンズがあれば外周から撮影できる。この場合は午後に訪問すると光線状態が良い。
(3) リンクは張付けてあるが"Singpore"+”MINDEF”+”Air Force Museum”で検索するとオフィシャルサイトを容易に見つけられるハズだ。臨時休館日などの最新情報はこちらで確認すること。
(4) シンガポール空軍博物館は1988年9月1日にチャンギ国際空港脇のチャンギ空軍基地にあるthe Air Engineering Training Institute (AETI)に2つの建物を使って開館したが、こちらは1999年3月に閉鎖された。私自身は閉館後の2000年2月26日(シンガポールエアショー見学時)に現地を訪問して残されていた屋外展示機のみを撮影しているが、今さらながら閉館後も基地敷地内に入れたことに驚く。Changi基地の博物館にあった機体や展示物は新たにPaya Lebar基地の脇に建てられた本博物館に移設されて2001年3月22日に公式に開館した。
https://www.nas.gov.sg/archivesonline/data/pdfdoc/MINDEF_20010322001.pdf
(5) Paya Lebar基地公開の前日、前々日は空軍関係者(家族等)や学生達への事前基地公開が行われるが、その際に本館は送迎バスの発着場として利用される。館内展示場はバス待機者の列でスシ詰め状態となり、とても落ち着いて機体を眺める雰囲気では無くなるので、この日の訪問はできれば避けたいところだ。一方、通常の平日には見学者はまばらであり、ジックリと機体を眺めて撮影することができる。
【展示機 Aircrafts】
<屋外展示>
(1) Hawker Hunter FGA74A (501) 屋内展示のハンターとはタイプが異なる。どこが違うのか見比べてみよう(注:私には分からない・・・)。
写真2-1 屋外にあるハンターをフルサイズ640mm相当で狙う。(2010年2月7日9時ごろ撮影)
写真2-2, 2-3 ハンターの背中を撮る。現在では背景に建物が建ってしまったので機体だけのスッキリした絵は撮れなくなってしまった。胴体側部のラウンデルの様式も変わっている。(上:2015年10月3日12時ごろ撮影、下:2019年2月28日15時ごろ撮影)
写真2-4 お腹側もしっかり記録しておこう。(2019年2月28日14時45分ごろ撮影)
(2) A-4SU (929, Bu.145073) この博物館にはのべ3.5機分のスカイホークが展示されているが、それぞれタイプが異なっている。
写真3-1 屋外のA-4SU。(2019年2月28日14時30分ごろ撮影)
(3) SIAI-Marchetti S.211 (384) オーストラリア空軍Pearce基地に練習部隊を置き、そこで運用していたのでシンガポール国内ではまず見ることは無かった機種だ(現在、フランスCazaux基地で運用しているM346と同じだね)。引き渡しの祭や、シンガポール空軍での式典などの際にシンガポールに飛来したことがあったかもしれないが、私自身はその記録の有無を調べたことがない。用廃となった機体の一部はオーストラリア国内の愛好家の手に渡っており、エアショーで飛行している姿を見ることができる(2020年3月時点)。話題として、2023年9月中旬時点にて元シンガポール空軍の中古機を295,000USDで売出中との記事をみつけている。
写真4-1 運用期間中はシンガポール国内では見ることの無かったSIAI-Marchetti S.211。(2019年2月28日14時30分ごろ撮影)
写真4-2 フルサイズ640mm相当で撮影。機体マークはライオン印時代のもの。(2010年2月7日10時30分ごろ撮影)
(4) SIFI-Marchetti SF.260MS (123 / D)
写真5-1 SIFI-Marchetti SF.260MS(2015年10月3日12時30分ごろ撮影)
(5) E-2C (015, Bu.162796) シンガポール空軍では4機のE-2Cを運用していたがそのSNは011~015。中国文化圏の国であるものの、さすがに”013”は欠番としていた。運用末期ごろのパヤレバー基地公開では機内公開をしていて見学したことがあるが、米空軍のE-3や米海軍のP-8Aと比べるとかなり狭いものだ。今のところ太平洋の西側、イスラエルより東側では唯一の展示機となっている(中国の寧波に実物大のレプリカがあるが・・・)。
・寧波のE-2Cレプリカに関する参考記事:
【浙江省】寧波市 中国防空博覧園 - 用廃機ハンターが行く!
写真6-1 E-2C(2015年10月3日11時45分ごろ撮影)
(6) UH-1H (264)
写真7-1(2008年8月30日12時ごろ撮影)
(7) AS550C2 (210)
写真8-1(2019年2月28日14時ごろ撮影)
写真8-2 屋外にあるUH-1HとAS550のツーショット。(2015年10月3日11時30分ごろ撮影)
<屋内展示>
(1) F-5S (800, 77-0366) 搬入直後の2022年12月30日にX(旧Twitter)に投稿された画像では144sqn.のマークを描いたノーマルな垂直尾翼であったが、2023年1月13日投稿画像では黒地にタイガーフェイスを描いたスペシャルマーキングになっていた。2023年9月時点でキャノピーは劣化して真っ白になっていた。今後は黒色に塗られることもあることだろう。全景を収めるにはフルダイズで24mm以下のレンズが必要だ。
写真9-1, 9-2 F-5Sは最も新しい展示機だが、キャノピーは劣化して真っ白になっている。Paya Lebar基地の掩体エリアの屋外に永らく放置されていた機体を引張り出してきたのだろうか。(2023年9月9日17時40分ごろ撮影)
(2) A-4S (607, Bu.145013)
写真10-1 翼下にロケット弾ポッドと燃料タンクを吊るしたA-4S。(2015年10月3日13時ごろ撮影)
(3) TA-4S (651, Bu.145047) 独特な造りをした複座型スカイホーク。もともとシンガポール空軍でのみ使われたタイプだが、現存するのはこの機首部分のみ。
写真11-1 独特な形状の二段コクピットをとくとご覧あれ。(2015年10月3日13時30分ごろ撮影、カメラ内蔵ストロボ使用)
(4) TA-4SU (900, Bu.147742) 独特な造りをした複座型スカイホークの二代目。胴体下には給油ポッドを下げている。訪問時間によっては屋外からの光がキツイぞ。
写真12-1 TA-4SU(2015年10月3日13時ごろ撮影)
(5) Hawker Hunter FR.74B (527) 翼下にミサイル、胴体下に爆弾という重装備状態で展示されている。機体のタイプも屋外にあるのとは少しばかり違うぞ。でも私には違いが分からん。ま、いいか。
写真13-1 ハンターを2階テラスより中望遠ズームレンズで撮影。EOS-40DにEF70-200mmを付けて2階のテラスから撮ると上下左右がフレームギリギリ入るような感じだ。(2015年10月3日13時ごろ撮影)
(6) ストライクマスターMk.84 (301) シンガポール空軍では16機を使用していた。東南アジア地域にあるストライクマスターは本機のみという貴重な存在だ。次に近い国だとニュージーランドに数機が展示されているが、ここまで行くならイギリスに行った方が早い。
写真14-1 ストライクマスター。(2015年10月3日13時30分ごろ撮影)
(7) T-33A(364, 51-6956) フランス空軍から中古機を購入して使用していた。
写真15-1 T-33A。(2015年10月3日14時ごろ撮影)
(8) セスナ172K (110) 初等飛行訓練に使われていた機体。
写真16-1 白い天井に溶け込む白いセスナ。(2015年10月3日14時15分ごろ撮影)
(9) Sud-Est SE.3160 アルエットIII (200)
写真17-1 アルエットIII。(2015年10月3日14時ごろ撮影)
(10) UH-1B (258)
写真18-1 屋外にあるUH-1Hとは側面の窓の形状が異なるUH-1B。機首の丸みが強い。外と中を行ったり来たりして見比べてみよう。(2015年10月3日14時45分ごろ撮影)
(11) UAV等
写真19-1 IAI Searcher II.(2019年2月28日16時ごろ撮影)
写真20-1 IAI Scout.(2015年10月3日14時15分ごろ撮影)
写真21-1 小型のUAV。(2019年2月28日15時30分ごろ撮影)
【その他】
博物館脇にはSingapore Technology社の整備工場と繋がる誘導路が走っており、運が良ければ車道を遮断して整備のために出入りする旅客機等を見ることができる。
写真22-1 博物館脇の誘導路を整備工場に向かってトーイングされるANAのB-777。(2019年02月28日撮影)
【余談】
(1) バスターミナルとなるMRT Eunos駅の北側には駅舎に沿ってフードセンター(ホーカーズ)があり、見学前後にここで食事ができる。駅から空港へのアクセスも良いので、出発直前でも利用可能だ。
(2) 「地球の歩き方」には2000年代初頭に空軍博物館に関する記事を投稿したことがあったが、2023-24年版に至るも掲載されたことは無い。この間に冊子の厚さは倍近くに膨らんでいるのだが・・・。本施設を取り上げるつもりは毛頭ないということなのだろう。
【参考】
「シンガポールの展示機2010」大路聡、航空ファン2010年9月号p.86-89
「最新 シンガポール空軍博物館と各地の展示機」大路聡、航空ファン2023年1月号
以上