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【ベトナム】A-1スカイレーダーシリーズの展示機

<編集履歴> 08Feb.2023公開、26Feb.2023見直し更新(第8回目、写真追加)

 

【概要】

(1) ベトナム国内にA-1スカイレイダーシリーズは9機(E型1機、G型2機、H型6機)が残されており、意外に多いと驚く。おそらく全ては元南ベトナム空軍機(SVAFと略す)だが、確認できたのは4機のみで残りは本当の所はよく分からない。

(2) 1962年に米軍の機体名称が改訂された。ベトナムに残るA-1シリーズの旧呼称はA-1E(AD-5), A-1G(AD-5N), A-1H(AD-6)だ。

 

【展示機Aircrafts】

(1) A-1G (132503 / SVAF, 21.7795N / 105.4039E) ハノイの北西約100km、トゥエンクアン省にある旧公安施設の史跡Khu di tích lịch sử Công an Nhân dânに展示されている。2011年12月には設置されていた。4座の夜間攻撃型だ。

(2) A-1H (S/N?, 20.9985N / 105.8293E) ハノイ防空空軍博物館、プロペラ無し。かつては”132”という数字が残っていたようだが現在では消失している。Bob OgdenのS/N本(第2版)によると元は「Bu.139723」とされている。機首には改称前の名称である”AD6”と描かれ、その下には”33”と小さく記入されているが意味不明。

(3) A-1E (132436 / SVAF, 21.0328N / 105.8398E) ハノイ軍事歴史博物館、国内唯一のE型(サイドバイサイドの複座型)。本機の周辺のBu.No.機は撃墜・墜落するか、大部分がSVAFに引き渡されているので、状況からSVAF機であろうと思っている(確証は無い)。

(4) A-1H (134636 / SVAF, 21.0328N / 105.8399E) ハノイ軍事歴史博物館に展示

(5) A-1H (134631 / SVAF,  18.3999N / 105.7392E)    ハノイの南約330km、ハティン市Tp. Ha Tinhの北西約20㎞の道路沿いにある「Don Loc交差点記念公園Khu tuong niem Nga Ba Dong Loc」にある展示機。脇にはMiG-21bisも置かれている。

(6) A-1H (564, 17.4679N / 106.6237E) フエの北西約150km、クアンビン省省都ドンホイDong Hoiにある省立博物館Bao tang tinh Quang Binhが建設された2009年頃から展示されている。A-1H「Bu.134564」である可能性が高い(Bu.132564はA-1G、Bu.133564はF3Hで墜落抹消、Bu.135564はP2V-7)。Bu.134564周辺のBu.No.機はSVAFに供与されているか撃墜されているので、本機もSVAF機と考えて良さそうだ。博物館敷地内にはボロボロのMiG-17も展示されている。

(7) A-1H (135344 / SVAF?, 16.4440N / 107.5815E) フエ軍事歴博物館(移転後も)。本機の周辺のBu.No.機は撃墜・墜落するか、大部分がSVAFに引き渡されているので、状況からSVAF機であろうと思っている(確証は無い)。

(8) A-1H (139674 / SVAF, 10.7791N / 106.6923E) HCM市戦争証跡博物館、機体には"39674"と書かれている。

(9) A-1G (132596, 9.7930N / 105.4792E) HCM市の南西約170km、カントーの南西約45kmにあるハウザン省tinh Hau Gianの省都ヴィータイン(ビタイン)市Tp. Vi Thanhに2013年頃から整備されていた戦勝記念公園・戦勝記念館エリアKhu di tich chien thang Chuong Thienの一角に2013年1月21日から同年12月26日までの間に設置された4座の夜間攻撃型。近隣にはCH-47A, A-37B, UH-1も2015年1月25日までに設置されたが、2017年4月14日以前にはそれぞれの展示機の上に屋根が設けられたため、現在では衛星画像による機影確認はできなくなっている。米軍S/N調査において頼りにしているJoe Baugher's HPに本機のBu.No.は2023年2月時点で記載されておらず、詳細は不明だ。

Joe Baugher's Home Page

※1 上記以外にはHCM市HCM作戦記念館 (10.7867N / 106.7043E)にA-1H (287)の比較的大きな胴体部分とエンジン部分の残骸が置かれている。 

写真1 フエ軍事歴史博物館に置かれていたA-1H。現在はHue市内の別の場所に移転されている。(2018年10月1日撮影)

 

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写真2 ハノイの防空・空軍博物館にあるA-1H。機首に”AD6”という改称前の本機の機種名が描かれており、Dの文字の下あたりに小さく”33”と記入されている。(2018年9月30日撮影)

 

写真3 ハノイの軍事歴史博物館にあるA-1H。(2018年9月30日撮影)

 

写真4 ハノイの軍事歴史博物館のA-1E。国内唯一のE型(並列複座型)だ。(2018年9月30日撮影)

 

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写真5 戦争証跡博物館のA-1H。(2016年10月8日撮影)

 

写真6 HCM市のHCM作戦記念館にあるA-1Hの残骸。287号機だというが、もう消えていて分からない。(2015年4月11日撮影)

以上