用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【静岡県】空自 浜松基地の展示機、教材機

<編集履歴> 12May.2021公開、19Sep.2023見直し更新(第3回目、RF-4EJが存在していることを追記)

 

<場所 Place> 〒432-8551静岡県浜松市西区西山町無番地

浜松基地HP

<座標 Location>  34.7565N, 137.6941E 

<訪問日Visit> 04Dec.2005, 17Oct.2009ほか

<行き方 Access> 

JR東海道本線浜松駅北口バスターミナル16番乗場から正門(南地区)あるいは北門(北地区)への遠鉄バスが走っている。

(1) 北地区(北門):「花川運動公園」行きに乗車し、「瑞穂神社西」で下車後、徒歩約10分。おおむね30分に1本の頻度で運行されている。この他に「市役所経由花川運動公園」行きに乗車し、「基地北門」で下車する手もあるが6時半ごろと7時半ごろの二便しかない。

(2) 南地区(基地正門):和合西山行き」に乗車し約25分、「浜松基地」にて下車、目前。 おおむね30分に1本の頻度で運行されている。

※基地祭時には浜松駅から会場までシャトルバスが運行される。 

<解説General>

(1) 航空自衛隊パイロット養成基地で第1航空団にT-4とT-400が配備されている。また警戒航空団飛行第602飛行隊のE-767、浜松救難隊のU-125AとUH-60Jも配備されている。基地内の用廃展示機は屋外に1機のみ。なお三自衛隊内で最大の航空機展示施設である浜松広報館は浜松基地にて維持管理を行っているが、本Blogでは別稿として扱う。例年10~11月に航空祭を開催している(2020年度はコロナのため中止、2021年度は未定)。

(2) 東西に走る滑走路の北側と南側に基地関連施設があり、それぞれ北地区、南地区と称している。展示機は北門の奥にある。

(3) 南地区には整備員教育を行う第1術科学校があり、1990年代頃まではF-86F、F-104J、T-33Aなど多くの用廃機が教材として置かれていた。しかしF-4EJ以降は実機を搬入して2~3年間の教育を行い、IRANの時期となったら工場に送り返すように機材繰りのやり方を変更したこともあり、所有している用廃機を使った教材機の数は減少していった。2023年夏の時点ではRF-4EJが1機、BDR訓練用として格納庫内に残されている。詳細は後述する。

 

【展示機 Dislayed aircrafts】

1. F-86F (12-7995) 機番を”92-7929”と書き換えて展示されている。B.I.機を記念に残そうという話になった際、当時の隊員達の思い入れのあった機体は92-7929号機だったが、この機体はすでに部品取り等に使われており展示できる状態ではなかった。そこで用廃直後で程度の良い12-7995号機の番号を書き換えて展示することにしたそうだ。

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写真1 機番を書換え、Blue Impulse塗装で展示中のF-86F。(2005年12月4日撮影)

 

【展示後撤去】

 浜松基地で使用されたF-86FやT-33Aは各地に展示機として貸与され、また返却されてスクラップとなったものが多い。追いきれないので、ここでは扱わないことにする。

 なお2021年3月に広報館ではリニューアルを行い、その際に搬出した機体は一時屋外(34.7474N/137.6931E)に置かれていたが、その場所には翼端タンクを外したT-33A(71-5254)が2020年8月15日取得画像以降、最新画像である2023年5月8日取得画像まで確認されている。この機体は2013年ごろから2019年10月20日航空祭時までは南地区内に置かれていたものだ。他の広報館展示機が格納保管されたあともタンクを外したまま放置されているので、いずれは廃棄されるものと思われる。

 

【第1術科学校のBDR訓練用教材機RF-4EJ(47-6347)】

浜松基地南地区内、第1術科学校で使用している格納庫の中にRF-4EJの量産改修機である47-6347が残されている。本機は2006年9月29日に第501飛行隊(当時)のあった百里基地から浜松基地への最終飛行を行い用廃となり、その後は術科校でBDR(Battle Damge Repair:戦時損傷修理)訓練機となっているものだ。2020年頃には廃棄されたと思われていたが、2023年になってからも基地内に存在していたとの話が2023年9月18日付のX(旧Twitter)への投稿された。主にABDR課程での教育に使われ、BAG課程でも使っていたという話がX(旧Twitter)に投稿されている。ABDRやBAGが何の略であるかは調べていないが概ね想像はつく。BDR訓練は小型対空火器などにより軽微な損傷を受けた機体を(整備工場ではなく)前線で修理する手法を学ぶことにある。訓練では機体に物理的に小さな損傷を作ったうえで、この損傷部分を補強したり、ヒビ割れの広がりを止めるための修理を行う。修理後の機体はパッチだらけになる。1術校ではツルハシで傷をつけ、その脇に傷をつけた年月日と誰がやったのか氏名を書き込んでいたという。本機は浜松基地見学時には見ることができたようで、「浜松基地」「見学」の単語でGoogle 検索を行うとその写真を見つけられるが、参考までにURLを貼りつけておく。https://livedoor.blogimg.jp/tabinozasshi/imgs/d/3/d35bb1f7.JPG 

また2020年10月12日時点ではInstagram上に一枚の写真が投稿されている。

 蛇足ながら書いておくと、ソウルの戦争博物館に展示されているF-4Cも元はBDR訓練機だ。よく見るとあちらこちらにパッチの跡を見ることができる。

 

【浜松広報館】

別記事で扱うので、そちらを参照願います。 

【静岡県】空自 浜松広報館(その1、屋外展示機) - 用廃機ハンターが行く!

【静岡県】空自 浜松広報館(その2、屋内展示機) - 用廃機ハンターが行く!

【静岡県】空自 浜松広報館(その3、格納保管機) - 用廃機ハンターが行く!

【静岡県】空自 浜松広報館(その4、その他) - 用廃機ハンターが行く!

以上