用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

航空自衛隊 連絡機、救難機、その他の展示機

 航空自衛隊機の連絡機、救難機、その他に分類される機体の展示機についてまとめてみよう。なおRF-86F、MU-2J、B-747-400の三機種については国内に現存する機体が無い。

 

【B-65】

 航空自衛隊が計器飛行訓練用に5機を購入し、(当時B-65を訓練機として運用していた)海上自衛隊に運用委託していたもの。しかし海自ではTC-90へと機種変更が進んだことから1980年3月4日に航空自衛隊に返還された。航空自衛隊ではこれら5機を連絡機として1999年年3月1日まで運用した。このうちの3機が現存する。

1) 03-3093 福島県 old Car Center Kudan、元海自の6722

2) 03-3094 浜松広報館(格納中のため非公開)、元海自の6727

3) 03-3095 那覇基地、元海自の6728 1999年3月1日に南西支援飛行班(当時)にて引退した最後の1機

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写真1 Old Car Center KudanのB-65。(2019年8月24日撮影)

 

【B-747-400】

 政府専用機として2機を使用していたが、B-777に機種更新のため民間業者に売却した。2020年3月時点ではさらに転売され、アメリカで売出し中。機体内装の一部は浜松広報館と石川県立航空プラザにて展示中。

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写真2 千歳基地航空祭で二機揃って展示された政府専用機。(2018年7月22日)

 

【MU-2J】

 飛行点検隊にて1975年から1980年代後半ごろまで4機を運用した(ネット上に1994年3月22日ラストフライトとのコメント投稿あり。その時の機番は274号機でした)。引退後は全機が廃棄されてしまい、現存する機体はない。

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写真3 入間基地にアプローチするMU-2J。(1983年5月26日撮影)

 

【MU-2S】

29機を運用した。現存するのは3機(2.5機)のみ。Twitterへの書き込みを見ると喫茶飛行場は数年後には閉店したいとの意向があるようで、保有する機体は現在「販売中」とのこと。値段は輸送費別の機首部分だけの価格で数十万円程度とのことだ。「個人蔵」となる前に早めに訪問して見ておくことをお薦めする。

1) 73-3201 静岡県浜松市 喫茶飛行場 前半分の胴体部分のみ

2) 13-3209 浜松広報館

3) 63-3228 新田原基地

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写真4 現在、売出し中のMU-2Sの初号機前部胴体。浜松の喫茶飛行場にて。(2016年3月12日撮影)

 

【U-4】YS-11PおよびB-65の後継となる現用の人員等輸送機。1997年~2000年にかけて5機を導入・運用するが用廃となった機体はない。

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写真5 入間基地R/W35に着陸するU-4を白黒モードで正面から狙う。(2019年11月12日撮影)

 

【U-125】現用の飛行点検機。1992~1994年にかけて毎年1機ずつ、合計3機を導入したが2016年4月6日に鹿児島県鹿屋市 高隈山地 御岳山頂付近に49-3043が墜落、抹消された。用廃となった機体はない。なお2020年11月12日ごろの入間基地の調達情報にて展示用教材の製作に関する公告があった(見積提出は2020年11月17日、納期は2021年2月26日)。展示するのは垂直尾翼の一部と銘板の一部だったが、その形状と大きさから墜落機の垂直尾翼先端部分と銘板のついた破片を安全教育用の展示品とするための役務ではないかと考えます。おそらくは一般には公開されないものでしょう。 

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写真6 入間基地R/W17に着陸するU-125。(2019年4月16日撮影) 

 

【U-125A】現用の救難機で28機を導入したが、02-3013と 72-3025の2機が東日本大震災時に松島基地内で津波による被害を受けたために抹消されている。事故抹消や正規の運用で用廃となった機体はない。1995年の初号機納入から30年を経た2025年ごろから用廃機が発生するものと予想している。

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写真7 築城基地航空祭でタイトなターンを見せるU-125A。(2010年11月14日撮影)

 

【U-680A】ビジネスジェットのセスナサイテーション・ラティチュードを改装した2機の飛行点検機U-680Aは2019年3月20日に成田空港に着陸。翌21日に入間基地に到着した。機体番号は02-3031(ex. LN-NSM)、02-3032(ex. LN-SUA)とされ、5月25日から飛行を開始した。3機目は2021年1月20日朝0818に成田空港を離陸し、0845に入間基地に到着した。到着時の機体番号はLN-TAIであった。本機はその後12-3033へS/Nを変更し、1月27日に航空自衛隊機として初の飛行を行っている。調達数は上述の3機のみ、当然ながら用廃機は生じていない。

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写真8 入間基地にアプローチするU-680A。(2020年11月16日撮影)

 

【その他】

 戦後初の国産練習機を開発する際の事前検討を行うためにそれぞれ一機ずつ購入したバンパイヤT55(横並び式ジェット機)とT-28B(縦並び式レシプロ機)。浜松広報館に展示されていたが2021年3月8~12日のリニューアル工事に際して格納され、非公開となった。

1) バンパイアT55 63-5571 浜松広報館(格納中のため非公開)

2) T-28B 63-0581 浜松広報館(格納中のため非公開)

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写真9 それぞれ1機だけが輸入されたバンパイアとT-28B。現在は非公開。(2018年8月13日撮影)

 

【その他:偵察機

 RF-86FについてはF-86Fの記事、RF-4EおよびRF-4EJについてはF-4ファントムの記事をそれぞれ参照ください。

 

【その他:防衛庁技術研究本部のサーブ・サフィール91B改・X1G研究機】

 サーブ・サフィール91B改・X1G研究機は「航空自衛隊」機ではなく、「防衛庁技術研究本部(当時。現防衛装備庁)の保有機」だったのだが、ここで紹介しておく。高揚力を発生させるための試験や翼周辺の空気流制御の試験に供された機体だ。現在は岐阜かかみがはら航空宇宙博物館にて展示されている。なお技術研究本部ではBK-117を運用しているが、こちらは母体が防衛装備庁となった今も現役で活躍中だ。

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写真10 各種の試験に使われたサーブ・サフィール91B、X1G研究機。「航空自衛隊機」ではないぞ。(2018年8月19日撮影)

 

以上

編集履歴

24May.2020 公開

27Mar.2021 見直し更新(第7回目、U-125の破片展示物について追記)