用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【静岡県】空自 浜松広報館(その1、屋外展示機)

<編集履歴> 26Mar.2021公開、25Dec.2022見直し更新(第12回目、H-21再塗装の話を追記)

 

【基本情報】

<場所 Place>    〒432-8551 静岡県浜松市西区西山町無番地
航空自衛隊浜松基地 浜松広報館(エアーパーク)

エアーパーク // 航空自衛隊浜松広報館

<座標 Location>  34.7475N, 37.7117E

<訪問日Visit>  27Aug.2020, 24Mar.2021, 21Dec.2021, 20Apr,2022, 31Jul.2022ほか

<行き方 Access> JR浜松駅バスターミナル14番よりNo.51せいれい高丘浜松・泉高丘行バスに乗車(所要約18分、330円)、泉四丁目で下車し、基地外周に沿って約800m歩く。 

<解説General>

(1) 名称や目的はどうあれ、世界的な視点で見れば一国を代表する”空軍博物館”だ。開館は0900-1600、入場無料。休館日は毎週月曜日、毎月最終火曜日、3月第二週の火~木曜日、年末年始。休館日には駐車場にも入れないが、屋外にあるF-86Fブルーインパルス機(以後、B.I.機と略す)のみは標準ズームレンズで外周からなんとか撮影できる。

(2) 浜松広報館に関する紹介記事はもともとは一つでしたが、記事の容量が増えたこととと見やすさを考えて、2022年8月4日付で次の4つの記事に分割しました。それぞれの記事のURLは次の通りです。

・屋内展示機について

【静岡県】空自 浜松広報館(その2、屋内展示機) - 用廃機ハンターが行く!

・格納保管機について

【静岡県】空自 浜松広報館(その3、格納保管機) - 用廃機ハンターが行く!

・その他

【静岡県】空自 浜松広報館(その4、その他) - 用廃機ハンターが行く!

 

【屋外展示機 Outdoor display a/cs.】

(1) C-46D (91-1138) 保存指定機(推定)。この機体の晩年は入間基地の飛行点検隊所属機であり、現在もその時の塗装を残している。2021年10月25日に再塗装工事に関する入札が行われ(3,850,000円で契約)、2022年2月25日付で公式Twitter上に作業終了とのコメントが発信された。浜松で保管・展示するためのフェリーフライト(本機のラストフライト)の際に滑走路エンドまで行ったものの、エンジンからオイルリークを起こして離陸を断念。最後のワンフライトのためにシリンダーを交換したという逸話が残る。

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写真1 飛行点検隊塗装を施したC-46D。(2021年3月24日撮影)

 

(2) F-86F (02-7966) B.I.機、本機は保存指定機では「ない」と推定。

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写真2 F-86F、B.I.機。休館日でも中望遠レンズがあれば外周から撮影できる。(2021年3月24日撮影)

 

(3) F-104J (76-8698) 本機は用廃機を広報館展示用にUF-104J仕様に改装した機体であり、標的機として有人もしくは無人の状態で実際に飛行したことはない。本当の(実用化された)UF-104J/UF-104JAは全て撃ち落とされ、硫黄島周辺の海域に海没している。ここでは実際のUF-104J同様にコクピット後方上部とコクピット下部付近に設けられたアンテナに注目しよう。ちなみに本当のUF-104J/JAはシリアルナンバーの戦闘機を示す頭から3桁目の"8"を"3”に変更して運用していた(例:76-8694→76-3694など)。用廃機は物品扱いになるため、元の機体のシリアルナンバーを記す必要はないが、展示用として実機同様に無線操縦用のアンテナを取り付け、塗装もUF-104J仕様にしたのなら、いっそナンバーの”8”の部分も”3”に書き換えたら良いのにと思うのは私だけだろうか・・・。なお本機は保存指定機ではないと推定する。

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写真3-1, 3-2, 3-3 用廃となったF-104Jを無人標的機であるUF-104J仕様に改装して展示している。コクピット後方背部と機首下部に設けられたアンテナ(水色のブレード状のものと黒い円錐状のもの)に注目する。(機体は2020年8月27日、アンテナは2021年3月24日撮影)

 

(4) H-21B (02-4756) 国内に2機残されている貴重な機体。航空自衛自衛隊の保存指定機で部隊マークは描かれていない。残る1機は岐阜基地内に保管されているが、こちらは一般公開されていない。2022年10月25日に入札が行われ、年度末までに再塗装工事が終わる予定だ。契約金額は1,980,000円であった。

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写真4 その形状から米軍では"フライングバナナ"と称されていたH-21B。(2021年3月24日撮影)

 

(5) その他:ナイキJ地対空ミサイル、捕捉レーダー、ミサイル追随レーダーなどがある。これらも「保存指定」されている可能性が高い。

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写真5 捕捉レーダー(左)とナイキJ地対空ミサイル(右)。(2021年3月23日撮影)

以上