<編集履歴> 28Jun.2019公開、21Feb.2020見直し更新(4回目)
1.エアショー概要
(1) 2年に一度、西暦奇数年の6月にパリのLe Bourget(ル・ブルジェ)空港で行われる世界最大規模の航空宇宙関連のトレードショーだ。正式名称はSalon International de l'Aeronautique et de l'Espace。
(2) 前半はトレードデー、後半の金~日がパブリックデーとなる。ビジネスショーゆえにトレードデー終了と共に帰ってしまう機体も多い。一部はパブリックデーの金曜日午前中に帰投する。
(3) 入場券は会場でも購入可能だが、事前にネット購入することを推奨する。2019年はトレードデー前売48Euro、当日券58Euro。パブリックデーは前売り・当日券ともに15Euroだった。入場時には送られてきたバーコードが必要になる。詳細は専用HP参照のこと。
(4) 世界のエアショーの中で、最も墜落を目の当たりにすることの多いエアショーでもある。パリショーにおける墜落事故はざっと数えただけでも過去7回あった。
1965年6月15日 アメリカのB-58ハスラー爆撃機が墜落。
1965年6月19日 フィアットG91T-1が駐車場に墜落、地上でも死者が発生。
1967年6月04日 パトルイユドフランスのフーガマジステールが下方開花中に墜落。
1973年6月03日 ソ連のTu-144が墜落。地上でも死傷者あり。
1977年6月03日 アメリカのA-10攻撃機がダブルループに失敗、パイロット死亡。
1989年6月12日 MiG-29がハイアルファ実施中に墜落。乗員脱出。
1999年6月12日 Su-30MKIが演技リカバリー時に尾部を滑走路に接触後、乗員脱出。
(5) 写真マニア好みの「背景のスッキリした順光でキレイな」機体写真を撮るには向かない航空ショーだが、地上展示はスマホで撮るには丁度よいくらいに近づくことができる。最新動向を知ることが第一の目的のショーと考えて訪問しよう。
写真1 フランスのステルス機モックアップ。航空業界の最新動向を知りたければパリに行こう。(2019年06月21日撮影)
2.行き方
(1) Metro 7号線の終点一つ前のFort d'Aubervilliers駅から地上に出ると交差点の一角が小さなバスターミナルになっている。ここから無料シャトルバスが発着する。
(2) 同じくMetro 7号線終点のLa Courneuve 8 mai 1945駅からNo.152のバスに乗換え、混んでいなければ10分弱、渋滞していれば3-40分程度で特設ゲートのあるMichelet-Parc des Expositionsに到着する。ちなみに航空宇宙博物館の二つ手前のバス停だ。
(3) RER B線のLe Bourget駅下車、大通りまで250mを歩くとシャトルバス乗り場がある。(2005年の際には大通りに出て左側(パリ市内方面)だった)。ここで上述(2)と同じNo.152に乗車しても良い。こちらも10分程度でゲート前に到着する。なおRER駅から特設ゲートまで約1.6kmなので、交通状況次第では歩いた方が早い場合がある。
3. 撮影条件
3-1. 地上展示
(1) モックアップ、小型機、古典機、戦闘機、旅客機などが展示される。柵を機体近くに設けていること、また非常に多くの機体を狭いスペースに展示することから互いが重なりあい、大変に撮りづらい。
(2) 地上展示機を飛行展示用に引抜く際、あるいは飛行終了後の機体を展示場所に戻す場合には、やや動きのあるショットを得ることができる。
写真2 展示場内をトーイングされて移動するゼフィール(民間保有機)。地上展示は撮りづらいが、移動時を狙うと良い場合もある。(2019年06月21日撮影)
3-2. 飛行展示
(1) 飛行展示は概ね昼過ぎごろから実施される.。デモフライトの高度は高く、また遠い。戦闘機クラスでは800mm程度を用いてもフレーム一杯になることは少ないが、旅客機クラスであれば最接近時には200~300mmで全景を撮影できる。
(2) 使用する滑走路は03-21。会場はその南西端にあるので午後2時ごろを過ぎるとトップライトから逆光となる。このため会場を出て外の駐車場付近から撮影する方もおられる。離陸は通常21を使用、着陸は03を使用する。(観客の目の前で上昇し、目の前に降りて来る)
(3) 着陸およびタキシングを撮影可能なエリアはあるものの、その総延長距離は観客数に対してあまりに少ない。このためフライトの始まる1時間以上前に場所取りをする必要がある。また目前には警備員が数多く配置されるため、実際に撮影可能な隙間はかなり限られる。
(4) 有料の見学スタンドがある。入場券は事前に専用サイトで購入できる。
写真3 EOS70D(APS-C機)に400mmF5.6を付けてラファールのデモを撮る。原寸(ノートリミング)でこのくらい遠い。(2019年06月21日)
写真4 大型機のフライトは最接近時に200-300㎜程度で全体が入る。作例はEOS70D(APS-C機)に400mmをつけて撮影。(2019年06月21日)
写真5 タキシングショットを撮れるのはスタンド前と会場から延びるタキシーウエイ付近の二ヶ所のみ。最前列を確保するならフライト開始の1時間以上前には場所取りをしよう。機体は200-300mm程度で真横を撮れるが、警備員が数多く配置されており、撮影可能な隙間はかなり限定される。また午後2時を過ぎるとトップライトから逆光となる。(2019年06月21日撮影)
4.その他
(1) エアショー入場者は航空宇宙博物館も見学可能だ。博物館の詳細は別稿に記す。
【France】パリ航空宇宙博物館 - 用廃機ハンターが行く!
5.訪問記録
19Jun.2005, 21Jun.2019
以上