<編集履歴> ??Aug.2018Mixiに公開、21Feb.2019はてなBlogに移設し、「海上自衛隊 固定翼輸送機の展示機」というタイトルにて公開、01Dec.2024「YS-11T-A / M / MAのお話」として分離独立
【YS-11T-A】
1970年2月28日に初号機(6901号機)が海上自衛隊に引き渡された。以後、6機のYS-11T-A(6901-6906)を下総航空基地にて機上訓練機として運用していたが、2011年5月31日付で退役抹消。当時は、まだ海上保安庁や航空自衛隊でYS-11を運用中であったため、使用可能な機体部品は取り外して移管された。このため、残された機体は虫喰い状態となり、保存機として残された機体は存在しない。
写真1-1 下総航空基地祭にてローパスを披露するYS-11T-A。(2009年10月11日撮影)
写真1-2 八戸航空基地祭からの帰投時に見せたローパス。(2008年9月6日撮影)
写真1-3 退役後に部品を取り外されている最中のYS-11T-A。全機が解体・廃棄されてしまい、展示機は存在しない。(2012年7月21日下総基地公開時に撮影)
【YS-11M / YS-11M-A】
人員/物資輸送型のYS-11。厚木基地第61航空隊にて、2機のYS-11M(9041,9042)および2機のYS-11M-A(9043, 9044)を運用していたが、YS-11M/M-Aは2014年12月26日付で退役抹消となった。当初予定では、あと数年は運用する予定だったが、東日本大震災対応のために全国を飛びまわり、残存する飛行時間を消費したとされる。除籍後の機体から使用可能な部品等を取り外し、当時YS-11を運用していた海上保安庁や航空自衛隊に移管した。このため除籍機は虫喰い状態となり、保存機となった機体は存在しない。
【機体一覧】
(1) YS-11M (9041, cn.2033) 海上自衛隊には1967年3月31日に引き渡された
(2) YS-11M (9042, cn.2058)
写真2-1 画像在庫を調べたところ、YS-11M(9042号機)をデジタルで撮影したのはこの時だけだった。(2013年4月27日、厚木基地にて撮影)
(3) YS-11M-A (9043, cn.2174)
(4) YS-11M-A (9044, cn.2182) YS-11シリーズの製造最終号機。記念すべき機体であったが、運用終了間際の2009年9月28日に小月航空基地にて着陸時にオーバーランして、田んぼに突っ込む事故が発生。翌年2010年7月20日付で抹消された(機体は小月基地で解体)。2011年3月11日には東日本大震災が発生した際には、第61航空隊所属機も救援物資等の搬送業務のために全国を飛びまわっていたが、その際に「あと1機余裕があれば・・・/44号機が(事故を起こさずに)残っていたら・・・」という声があったそうな。
写真2-2, 2-3 YS-11の最終製造機であるYS-11M-Aの9044号機。この写真を撮影してから6か月後の9月28日に小月基地でオーバーラン事故を起こしてしまい、後日抹消されてしまった。写真2-2 いつも撮影してような気がするが、記事のために確認したところ、デジタルでは厚木基地公開時に展示された9044号機しか記録を残していなかった。(2-2: 2009年3月28日, 2-3: 2007年3月31日、いずれも厚木基地にて撮影)
【その他】
(1) 下総航空基地の厚生センター内にはYS-11のコクピット部分が置かれている。2022年10月22日の開設63周年記念行事の際に初めて一般公開されたもので、操縦席シートから計器盤・前面風防までの部分であり、「体験搭乗」ができるようになっている。この計器盤パネルに残るRadioCallは「9041」だが、右席後方には「YS-11T-A S/N 2180(注:海自S/N6905号機のこと)」との銘板が残っている。すなわち「YS-11T-Aの6905号機とYS-11Mの9041号機の部品を利用した操縦席模型」なのだ。
写真3 下総航空基地の厚生センター内に置かれた”体験搭乗用”のYS-11コクピット。(2024年3月31日、お花見公開時に撮影)
以上