用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

国内の用廃機動向2021年

<編集履歴> 11Jan.2021「用廃機2020/2021」として公開、25Mar.2023見直し更新(第32回目、霞目駐屯地に新たなOH-6D展示)

 

2021年の用廃機関連事案を以下にまとめます。

 アレはどうした?コレはこうなったヨ、などという情報がございましたらコメントを書くか、Twitterでつぶやいていただければ幸いです(#用廃機をつけてね!)。

 なお各基地で通常の運用を終えて廃棄される航空機の解体処分公告については特記すべき事項(初の〇×!とか最後の○○!とか)が無い限りは原則としてフォローしていません。具体的には入間基地のYS-11やC-1、百里基地のF-4、海上自衛隊各基地のP-3、SH-60J/UH-60J、T-5、陸上自衛隊AH-1S、UH-1J、CH-47JなどはTwitterなどで話題とならない限りは敢えて取り上げることはしません。気になる方は都度、基地の調達情報をご確認ください。

【2021年まとめ】

2月12日まで 空自熊谷基地のF-104JとT-6Gを解体撤去(契約金額1,358,023円)

2月19日 千葉県日本大学生産工学部のH-13KH(30213)撤去

2月19日 千葉県船橋市小鳩保育園のOH-6D撤去(H-13KH撤去業者が一日に2か所で2機を処理した)

2月26日まで 空自入間基地内に恐らくはU-125A墜落機(49-3043)の一部を用いたものであろう安全記念碑あるいは安全教育用教材を納入

3月15日 空自岐阜基地から築城基地に向けF-4EJ 07-8429号機最終飛行。(2022年12月末時点で展示されずに保管中)

3月17日まで 空自入間基地内C-46D再塗装終了(3月17日時点で既に作業終了)

3月17日 空自岐阜基地のF-4EJ/EJ改退役、空自のファントム運用終了。初号機301号機の引取り先募集中。431号機(改試作機)は恐らく岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に展示(2022年度ごろ)。

3月1日 空自入間基地のYS-11FC退役。保存されるかどうかは不明。

3月8日~12日 空自広報館リニューアル実施、F-4EJ改440号機とT-4BI745号機の新規展示と引換えにバンパイヤ、T-28B, T-1A, T-33A,T-6F, B-65, H-19, S-62を格納保管。

3月19日まで 海自由良基地展示のHSS-2B撤去。 

3月末まで 空自岐阜基地のT-2(102号機)撤去。

3月31日まで 空自熊谷基地のF-86FおよびT-33Aの再塗装終了。

3月末 国立科学博物館リニューアル終了。航空関連展示は無くなり宇宙関連展示のみとなる。

4月1日 小松基地を見学した団体のSNS発信より、掩体壕内にあったT-6Gが無くなっていることを確認。正確な撤去日は不明。

4月19日まで 三沢航空科学館リニューアル実施。S-51を撤去し、HONDAJet実証試験機を新規展示。

4月28日 浜松の喫茶飛行場よりMU-2SとF-104Jの機首部分を新オーナーの元へと搬出

6月07日 鹿児島県霧島市の第一工科大学(旧名称第一工業大学)のOH-6J搬出 

6月26日~27日 築城基地近くのメタセの杜にF-4EJ改を移動、設置し展示開始(設置は27日)

7月13日 公表された防衛白書より3機のE-2Cが除籍となったことが判明。

7月21日 陸上自衛隊新発田駐屯地白壁兵舎広報史料館前にOH-6D(31312)設置。

8月3日 陸上自衛隊霞目駐屯地正門脇にOH-6D(31203)が設置されていることを確認。(先代OH-6D(31138)は2022年9月20日GE-Pro画像でも存在)

8月23日 空自芦屋基地のF-104JとT-33A解体撤去。

9月09日 三沢航空科学館おおぞら広場のF-4EJ改再塗装工事開始。期間は12月10日までで請負金額は2,035,000円。

9月18日 千葉県山武市にF-4EJ改3機分の機首およびPA-28らしき機体を展示したサバイバルゲーム場「サバゲーパラダイス」オープン。

10月 陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地のOH-6Dが31265号機から31311号機(最終運用機)に置き換えられているとの情報あり。

11月02日 国土地理院「地図と測量の科学館」にあるB-65Pの再塗装と修繕に関する入札。契約金額95万7千円で2022年1月末頃までに再塗装実施。

11月15日 周防大島(屋代島)のPS-1の現地解体作業開始(左翼解体)

11月16日 PS-1解体作業終了(機体後半部、右翼、機体前半部の順で解体)、17日破片分別、18日搬出(撤去完了、実質的な作業終了)、19日作業完了(重機移動のための鉄板撤去など)

11月19日 夜間に小牧基地のT-1Bをあいち航空ミュージアムに移動。20日より展示準備中ながらも一般公開開始。

11月25日~28日 東京立川にて一式双発高等練習機一般公開。三沢航空科学館より立川ホールディングスに譲渡された機体を倉庫にて公開。

11月27日 あいち航空ミュージアムにて開館4周年特別企画展にてT-1B(35-5866)展示。(2022年3月14日まで)

12月2日 浜松の喫茶飛行場に展示されていたT-33A (51-5623)を愛知県の新オーナーのもとへと搬出(12月2日は3回に分けて搬出した最後の日)。この時点で喫茶委飛行場に残るのはF-86Dの前部胴体と2機分のT-1Bの前部胴体のみ。

12月8日 真珠湾攻撃80周年記念日・日米開戦80周年記念日。以後、2025年8月15日までは「太平洋戦争××戦80年記念」「○○空襲80年記念」というイベントが続きます。

12月10日 三沢航空科学館おおぞら広場のF-4EJ改再塗装工事終了日(正式コメントは無いが、11月末頃にはほぼ終わっていた様子)

12月14日 美保基地南側YS-11隣にF-4EJ改17-8439を設置。翌15日にはブルーシートで覆われ隠された。2022年1月7日にお披露目式典を挙行し、一般公開となった。

12月15日 岐阜基地にあるF-4EJ336号機と393号機の解体運搬に関する入札日

12月20日ごろ 浜松の喫茶飛行場にあったT-1B(855号機)機首部を搬出

12月24日まで 空自岐阜基地に残されていたF-4EJ解体処分履行期限(9月22日入札)。対象となるのは仕様書より基地南側にある318号機と327号機の2機。(ただし12月26日および1月14日にはまだ残されていることを確認)

月日不明 霧島市丸岡公園のOH-6D撤去(おそらく6月以降、12月末までの間)

※年度末まで? 福井県永平寺のOH-6D撤去(2020年秋に年度末で撤去と報じられていたが、10月初旬までは撤去されずに残されていた。撤去はなぜか延期中。

 

【2021年度中の注目事項】(私の興味がある順です♪)

1.  空自築城基地にフェリーされたF-4EJはいつ展示されるか?→一年以上経過した2022年12月末までには展示されていない。

2. 用廃ファントムは上記以外の航空自衛隊教育基地や司令部所在基地(熊谷、奈良、静浜、防府、入間、横田、府中)、防衛大学校、その他百里基地近隣施設や防衛関連会社での展示はありうるか?!→新たな展示場所は増えなかった。

3. F-4EJ 301号機の行く末はいかに?→当面、廃棄することは無いとのコメントが雑誌に掲載されたが、展示場所は決まっていない。

4. RF-4E 901号機の行く末はいかに?→雄飛園に展示。代わりに906号機は解体廃棄となった。

5. YS-11FCの展示は行われるか?→解体廃棄となった。

6. 福岡県福岡市貝塚公園のヘロン危うし!年度内予算で撤去作業始まるか?2022年度へと持越しになるか?→動きなし。

7. 陸上自衛隊旧型機のアスベスト対策に基づく撤去は進むか?

 →2019年ごろから行われてきた展示機のアスベスト対策見直し事業。撤去か対策実施を要求されているようで、各駐屯地にある古い機体はどうなることやら。→新たな情報なし

8. 三沢航空科学館より茨城県笠間市筑波海軍航空隊記念館に譲渡されたゼロ戦のレプリカは本年中に公開されるか?(2021年5月時点ではJR友部駅前観光案内コーナートモアで胴体部分のみを展示中)→新たな情報なし

9. 三菱スペースジェットの現存機はどうするのか?現在は「一旦立ち止まって」いる状態だ。あいち航空ミュージアムに機体は展示されるのだろうか?→スペースジェット関係者のさらなる削減発表も機体についてはコメントなし。

10. 岩国市の「飛行艇博物館(仮称)」に進展はあるか?→新たな情報なし。

 

【2021年も引続き情報募集中!】

以下の事案について、何らかの情報がありましたら、お聞かせいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

1. 岩国基地公開時に見かけたT-33Aの601号機。なぜ、ここに?ヒコーキ雲さん、Go!Navyさんにて情報を募るも未だ回答が得られていない、国内航空史上の謎。

【指名手配】岩国基地に転がる謎のT-33A - 用廃機ハンターが行く!

 

2.従来S-62Jと言われてきたこの機体は何型?記事にはしていないけれど救難団で使用されていたMU-2Sの中にはMU-2Aと呼ばれる機体があったことも判明している。一体どのような形式管理を行っていたのだろうか?

【航空自衛隊】 S-62は何型? - 用廃機ハンターが行く!

 

3.1990年代ごろに千葉県八千代市の商業施設にて複葉機ピッツが展示されていたことがあった。この機体番号は?どこから持ってきて、どこにいっちゃったの??ヒコーキ雲さんにて情報募集中ですが、こちらにはそのうち記事を書こうと思っていて1年近く忘れていた(失礼!)案件。近日中に書きます。

 

【その他】

(1) 2021年、本Blogでは主に日本国内の展示場所の紹介記事を掲載しました。また11月度以降はコンテンツ数を増すために「粗製乱造」していた海外記事の見直しを進めています。体裁の見直し、字句表現の見直し、掲載写真を1.5倍程度に増やすことを中心に作業を進めています。中国と韓国については国別カテゴリーを地方別カテゴリーに分割しました。台湾については機種ごとの展示状況をまとめました。来年は韓国の機種ごとのまとめでもやるかな(大路聡氏がすでに航空ファン誌上で発表している内容なので、二番煎じですが)?中国の展示機リストのExcel化はやるかいね?廃棄された機体を含めて約2,000件と予想しており、できないことは無いけれど2年計画くらいですね。う~ん・・・。

(2) Jウイング誌2021年8月号用廃機特集に協力しました。この過程やフォローにおいて多くの方々と直接・間接にお話をうかがうことができました。貴重なお時間を割いて対応いただいた皆様にお厚く御礼申し上げます。

(3) 2022年は用廃機に関しては特に大きなイベントがなさそうなので、まだ書いていない国内展示場所の紹介や現行記事のUpdateが主体になる予定です。コロナが落ち着いて早く海外に自由に行けるようになれば良いですね。

自衛隊の用廃機展望 - 用廃機ハンターが行く!

以上