用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【山梨県】身延町の個人コレクション

<編集履歴> 21Nov.2022公開

<場所 Place> 山梨県山梨県南巨摩郡身延町内(詳細は公開しない)

<座標 Location> 35.44N, 138.41E近傍(詳細は公開しない)

<訪問日Visit> 20Aug.2019

<行き方 Access> 

(1) JR身延線波高島駅より道なりに6km程度。徒歩約90分。

(2) 基本は車(バイクを含む)で行く場所だ。

<解説General>

(1) 個人宅周辺に用廃機が6機分(5.5機か?)置かれている。これまで個人宅案件であったことから敢えてまとめ記事にはしていなかったが「また聞きのまた聞きのまた聞き」程度の間接的にオーナーさんから「ぜひ見に来てください!」という言葉が得られたので公開することにした。住所や場所はネット検索を行えば詳しいことはすぐに分かることだろうし、そこそこ写真も公開されている。本Blog内のアチラコチラの記事でも写真を紹介しているが、「完全公開」することにはいささか抵抗があるため、展示場所を紹介する記事としての本文では住所や座標をぼかし、写真は周辺状況をできるだけカットしたものを掲載する。あしからず。

(2) 展示機は全て解体・廃棄されたものを集めてきて組み立てたものなので、主翼や胴体などには切断され、これを修復した跡が随所にみられる。バラバラにされた機体を運び込み、ここまで組み立てたコレクター魂に敬意を表したい。

(3) 機体は「民家屋上のF-104J」、「畑の中のT-33AとOH-6J」、「休憩場所の庭先のような場所にあるT-6,V-107,T-2」の3つのエリアに分かれている。「民家屋上のF-104J」はともかくとして、その他の場所で撮影する場合には周囲の方に積極的に挨拶・声掛けするなどして「不審者」でないことをアピールするようにしたい。

 

【展示機Aircrafts】

(1) F-104J (46-8594) 本機は1981年4月に新田原基地で用廃となり、その後は横浜にあった喫茶店Cafe Avionの屋上に展示されていた。Cafe Avionは2010年頃に閉店となり、2011年7月には更地になっていたが、機体は2010年3月にはすでに無かったので、その機体を入手したのだろう。2002年1月には当地(オーナーさんご自宅)の屋根の上にある姿がヒコーキ雲さんに投稿されている。近くで見ると機体のあちらこちらに切断場所を継ぎ合わせた跡が見られる。恐らくはCafe Avionが入手した時点ですでにスクラップをかき集めたものだったのだろう。近くで眺めて粗探しをするよりも「山あいの民家の屋上に戦闘機がある」というシュールな光景・絵(作品)として周囲の雰囲気と新緑・紅葉・夕焼けなどを入れてることを考えると良さそうだ。

写真1 民家の屋上に設置されているF-104J。(2019年8月20日撮影)

 

(2) T-33A (81-5364) 1994年6月に入間基地で用廃となったとされる機体。2002年1月にはポールの上に設置されていたが2012年2月以降2015年8月までの間に地上に降ろされた。入間基地で解体された際の名残である主翼の切断跡が痛々しい。水平尾翼も根元で切断されており、これを繋いで形を保っているようだ。

写真2 主翼を切断した跡が痛々しいT-33A。(2019年8月20日撮影)

 

(3) T-2(79-5146) 1999年3月ごろに松島基地で用廃となった機体。解体された機体は2000年頃の一時期には東京都練馬区内に置かれていたが、2002年1月にはS/Nを削った状態で当地に置かれている写真がヒコーキ雲さんに投稿されている。すなわち現在機首にあるS/Nは「本当のものではない可能性がある」ことに注意する。

写真3 一時期は東京都内にあったと言われるT-2の機首部分。(2019年8月20日撮影)

 

(4) T-6G (72-0131) 本機は1965年に用廃となり、1996年度中までは甲府市舞鶴城公園に展示されていたが1997年には入間基地に返却されて廃棄された。これを福島県のOldCarCenterクダンが入手して1999年頃から展示するも、直ぐに横浜の喫茶Cafe Avionに譲渡。2004年4月にはCafe Avionにて組立て前の状態であったが、2005年10月には組み立てられ(主翼が無い状態で)で店の前に飾られていた。F-104Jの項で記したようにCafe Avionは2010年頃に閉店するが、本機は2012年2月にはここに置かれていたという写真がヒコーキ雲さんに投稿されている。

写真4 各地を転々としてきたT-6G。(2019年8月20日撮影)


(5) OH-6J (31053) 1988年に用廃となり、その後は北宇都宮駐屯地で教材となっていたようだ(1992年5月には31013号機が航空公園にあったので本機は展示機ではなく教材機であったものと思われます)。2002年1月には当地に置かれている写真がヒコーキ雲さんに投稿されている。廃棄された機体を入手したため、右下風防やドア窓などが破れている。

写真5 痛みが激しいOH-6J。(2019年8月20日撮影)

 

(6) V-107A (胴体主要部は陸上自衛隊の51803/ KV107IIA-4) 自衛隊の解体処分公告に記された解体要領通りに解体された複数の機体の「良い所取り」をして組み立てた「ハイブリッド機」。胴体部分は2010年度まで茨城県石岡市のフラワーパークに展示されていた陸上自衛隊51803号機(KV107IIA-4)で特徴ある沖縄塗装と大型スポンソンが残っている。これに航空自衛隊のV-107Aの上部を赤く塗ったローターマウント・エンジンマウント部分を結合している。2015年初夏ごろから組立作業を始め、2年後の2017年8月には「完成」していた。

写真6 ローターマウント部は航空自衛隊のV-107のものだが、前部ローターマウントの前側部分のみはオリジナルの51803号機のもののようだ。(2019年8月20日撮影)

以上